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日本一の山が私有地ってほんと!?登る前に知っておきたい“富士山”のこと

  • 2025.8.20

富士山のてっぺんは誰のもの!?

富士山のてっぺんは誰のもの!?
富士山のてっぺんは誰のもの!?

日本一標高が高く、世界遺産にも登録されている富士山。日本の象徴ともいえる山ですが、実はその頂上部分が私有地だということをご存知でしょうか?かつてはこの土地の所有権を巡って法廷論争にまで発展したこともあったそうです。一体どんな歴史があったのか、詳しく見ていきましょう。

二転三転。富士山が国営ではなく私有地になった理由とは?

現在、富士山の8合目から山頂までは、静岡県富士宮市にある富士山本宮浅間大社の私有地で、神社の境内にあたります。浅間大社の起源はなんと紀元前27年。富士山の噴火を鎮めるために麓に社が建てられたのが始まりです。

武将の中でも徳川家康はこの神社を厚く信仰し、富士山の8合目以上を富士山本宮浅間大社のものであると認めました。そして、1779年には徳川幕府によって正式に浅間大社の境内と定められます。

ところが、明治時代に入ると政府によって寺社の土地が国営化されることに。その後、政教分離の新憲法施行にともない、寺社には土地が返還されました。しかし富士山の土地だけは国営のまま。そこで、浅間大社は返還を求めて訴訟を起こします。裁判の結果、1974年に最高裁判所は8合目以上の土地を神社の私有地と認める判決を下しました。この裁判には17年もかかったそうです。

ただ、判決後すぐに神社の名義になったわけではありません。富士山の山頂が静岡県と山梨県のどちらのものかという、県境問題が未解決だったため、手続きが長い間止まってしまいます。その後、なんとか譲渡の手続きは終わったものの、県の境界問題はまだ決着していないそう。

有名な山でも…実は個人が所有しているケースは珍しくない!

富士山のほかに私有地として知られているのは、日本三百名山にも選ばれ、別名・伊賀富士とも呼ばれる「倶留尊山」や、続日本100名城にも選ばれた大阪府高槻市の三好山・芥川山城跡。一見公営に思える場所でも、実は個人が所有しているケースは珍しくありません。

私たちにとって身近な名所や山が誰かの持ち物だったという意外な事実。今後訪れる時には、そうした歴史にも目を向けてみると新たな発見があるかもしれません。もちろん、私有地を散策するときはマナーを守ってゴミを持ち帰ったり、まわりの人に迷惑をかけないように心掛けたいですよね。

(LASISA編集部)

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