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隙間時間で活力をチャージ。注目の進化系リカバリー術【忙しい人の休養学 vol.5】

  • 2025.8.14

生活の余白=休養貯金で疲れ知らずの体に

そもそも予定を詰め込みすぎない。あるいはメジャーリーガーの大谷翔平選手のように、毎日充分な睡眠時間を確保。スローな暮らしで毎食手作りする……etc。そういった暮らしが体に良いということは百も承知だが、都市で働き、日夜急発進、急ブレーキが繰り返される私たちの日常では、そんな悠長なことはやっていられないのが本音だ。そんななか、上手に休養マネジメントを行うコツとは?休養の専門家、片野秀樹先生に聞いた。

「例えば、犬は散歩していて疲れたら、歩かなくなります。動物の本能として、活動能力が低下すると、回復するまで待機するわけです。それは、活動能力が低下していると、敵に襲われたときに逃げられず、捕食されるリスクが高まるから。私たちの疲労や疲労感は、体が発するアラートだと思ってください。最終的に病気になってしまう前に、日々のなかで1分でも『余白』を見つけて、こまめに休養を貯めていくことが重要です。

そもそも、疲労している状態とは、本来自身が持っている能力が発揮できないということでもあります。オンのときに良いパフォーマンスをするためにも、自分なりの休養のルーティンを見つけることがおすすめです。これまで日本では、仕事が最優先の“オン至上主義”が台頭していました。しかしこれからは、オンの時間をずるずると引き延ばして睡眠や休養の時間を削るのではなく、自分が100%の能力を発揮するためにはどのくらいオフが必要なのかを把握し、その時間を先に確保しておくこと。つまり、オフファースト発想が必要なのです」(片野先生)

日頃からこまめに休養することが重要と語る井坂奈央先生も、疲労を軽視しないよう忠告。「疲労は放置するとさらに悪化するうえ、どんどん回復しにくくなってしまいます。病気に繋がるという認識を持って、都度解消するように心がけましょう。慢性疲労症候群は、休むしか治療法がありません。メンタルに影響を及ぼしたり、仕事にドクターストップがかかることも。そうなる前に、休養を入れることが大切です」

休養のプロたちが薦める最新のリカバリー術

昨今、働き方改革の流れも相まって、人々の休養意識は徐々に高まりつつあるように思われる。巷ではさまざまなリカバリーグッズが出回っているが、専門家たちに有用なアイテムについて聞くと、栄養のプロである篠原先生は麻由来のCBDをリコメンド。「体感としては眠りやすくなったり、イライラしているときに摂るとリラックス効果を感じられますね。私自身も愛用しています」(篠原先生)CBDはストレスで乱れた交感神経を抑えて副交感神経を優位に導くとされ、不安やストレスを和らげる作用も。

加えて、新たなリカバリー法も登場している。片野先生は“超硫黄分子”をあげてくれた。「一般的な硫黄より、さらに高い抗酸化力が期待できる成分で、サプリや美容成分として知られています。ゲル状のコスメなど、手軽な形で手に入ります」(片野先生)

また、医療の分野では水素によるケアを取り入れるクリニックが増えつつある。水素は超硫黄分子と同様に、酸化ストレスに効果があるといわれ、細胞のエネルギー産生をサポート。炎症を抑えるともいわれている。より高度なケアとしては、幹細胞治療という選択も。幹細胞を培養した上清液を点滴で投与。成長因子や抗炎症性の物質を全身に届け、細胞レベルでのダメージ修復、疲労回復が実現できる施術だ。以前はエグゼクティブたちのための超高額治療というイメージが先行していたが、徐々に現実的なものへと近づいてきている。

そして“休養学”のなかでは基本中の基本である睡眠も、手軽に専門家による睡眠改善療法を受けられるようになった。今後も人体の修復プロセスが解明されるとともに、リカバリー法が増えると予想されるが、まずはこまめに休養をとる意識改革から。“手札”の数とバリエを揃え、頻繁にカードを切れる者が、休養の世界では勝利するのだ。

水素を吸入 or 足浴で酸化ストレスの軽減や疲労回復に

Woman standing in shower, low section, close-up

水素によるケアを受けられるクリニック。医療用の高濃度水素の吸入では、鼻からの吸入によって疲労回復やアンチエイジング効果が得られる。ナノバブル化した高濃度水素による足浴は、血流促進や慢性疲労の軽減などに効果的。水素吸入 40分 ¥5,500、水素足浴 30 分 ¥4,400

表参道ウェルネス統合医療クリニック

東京都港区南青山5-6-6 ARISTO南青山Ⅲ 3F

10:00~18:00(最終受付 17:00)

休:水・日曜、祝日

https://wellness-imclinic.com/

幹細胞上清液を直接取り入れて疲労回復からエイジングケアまで

Ampullae in petri dish, syringe

歯髄由来の幹細胞上清液を点滴で直接入れる施術は、肝機能の改善や全身の疲労回復、女性ホルモン産生を促進させる作用など、体全体にさまざまな効果が期待できる。エイジングケア効果もあり、ウェルネスとビューティーの両面で目覚ましい変化をもたらす。幹細胞上清液点滴 10㎖ ¥66,000

MTXスポーツ・関節クリニック

東京都千代田区麹町6-4-16 ESCALIER 麹町 2F

10:00~18:00

休:水・日曜、祝日

https://mtx-clinic.jp/

医療視点で睡眠を分析しつつ多方向から質向上にアプローチ

Woman sleeping under duvet at the sunny morning, top view.
Woman sleeping under duvet at the sunny morning, top view.Woman sleeping under duvet at the sunny morning, top view.

まずは医師による診断、睡眠のプロによるカウンセリング。水分の巡りをケアするマット型の新デバイス「WOTT」によるケア、高濃度水素吸入、眠りをサポートする栄養点滴がセットに。アフターカウンセリングでフィードバックも受けられる。睡眠改善療法 初回 ¥8,800、2回目以降¥19,800

グランプロ 睡眠美容クリニック

東京都中央区銀座2-8-18 グランベル銀座 5F

月・水曜10:00~19:00、火・木・金曜 9:00~17:00、土曜10:00~18:00

休:日曜、祝日

https://granpro-beautysleep-clinic.com/

話を聞いたのは……

HIDEKI KATANO

片野秀樹。博士(医学)、日本リカバリー協会代表理事。大学、理化学研究所を経て、現在は同協会にて研究員や講師を務める“休養の専門家”。休養に関する社会問題解決やリテラシー向上に取り組む。著書に『休養学:あなたを疲れから救う』など。

TAKESHI SHINOHARA

篠原岳。医学博士、東京原宿クリニック院長。内科、呼吸器内科、分子栄養療法を専門とする。自身の経験をもとに、西洋医学と栄養療法に加え、キネシオロジーなどのホリスティックなアプローチを実践。患者に寄り添う診療で、不調の根本解決に尽力。

NAO ISAKA

井坂奈央。医学博士、Dクリニック東京ウェルネス 睡眠・SAS外来 睡眠センター長。日本睡眠学専門医。耳鼻咽喉科分野でのキャリアを経て、睡眠分野の診療を行う。診療科の枠を超えた睡眠分野の問題解決を担い、現代人の睡眠事情に精通する。

Text: Kiriko Sano Editor: Misaki Kawatsu

※『VOGUE JAPAN』2025年8月号「アクティブに攻めて、効率的に休む 忙しい人の休養学」転載記事。

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