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10秒で計算してみて!「3221÷9」→暗算できる?

  • 2025.11.5
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あなたは、計算をスピーディーにこなせる「インド式計算法」をご存じでしょうか?

今回は、9で割る割り算がすぐにできるインド式計算法をご紹介します。

「どうしてそう計算できるのか?」という仕組みについても解説しますので、ぜひご覧ください。

問題

次の計算を暗算でしなさい。答えは整数で求め、余りが出る場合は余りも答えましょう。
3221÷9

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「357余り8」です。

かなり複雑な答えになりましたね。

どのように計算すれば10秒以内にこの答えが出るのでしょうか。

次の「ポイント」で、インド式計算法の手順を確認してみましょう。

ポイント

この問題をインド式計算法で計算するポイントは、「各桁の数を順番に足していくこと」です。

具体的には、次の手順で計算をしていきます。

<四桁の数1000a+100b+10c+d÷9の暗算方法>
※aは千の位、bは百の位、cは十の位、dは一の位の数を表す(aは1以上9以下の整数、b,c,dは0以上9以下の整数)

以下の手順で、答えの各桁と余りの数を計算します。

手順1:答えの一番大きい位(ここでは百の位)=a
手順2:答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=a+b
手順3:答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=a+b+c
手順4:余り=a+b+c+d

※手順1〜3の計算の途中で答えが10以上になった場合は、繰り上げる。
※手順4で余りが9以上になった場合は、一の位に9の個数分の数を繰り上げる。

一見分かりにくいかもしれませんが、実際に計算をしてみるととても楽に答えが出るのが分かりますよ。

さっそく、今回の問題「3221÷9」の計算をしてみましょう。

<3221÷9の暗算方法>
手順1:答えの一番大きい位(ここでは百の位)=3
手順2:答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=3+2=5
手順3:答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=3+2+2=7
手順4:余り=3+2+2+1=8

答え:357余り8

各桁の数を順番に足していくだけで、答えが出てしまいました。

この計算方法は、足し算の答えが10以上(手順4では9以上)になると少々複雑になりますが、今回のように繰り上りが起こらない形であれば、本当に簡単に答えを出せますよ。

インド式計算法が成り立つ理由

インド式計算法は一見魔法のように見えますが、この計算方法が成り立つ理由は数学的に説明できます。

まず、四桁の数を「1000a+100b+10c+d」という式で表します。次に、この式の中の9の倍数が分かるように、式を変形していきます。

変形する部分を強調した太字部分に注目しながら、式の変形過程を見てください。

1000a+100b+10c+d
=900a+100a+100b+10c+d←1000aを900aと100aに分解
=900a+100(a+b)+10c+d
=900a+90(a+b)+10(a+b)+10c+d←100(a+b)を90(a+b)と10(a+b)に分解
=900a+90(a+b)+10(a+b+c)+d
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c)+d←10(a+b+c)を9(a+b+c)と(a+b+c)に分解
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)←9の倍数部分をまとめる

「9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)」を9で割ると、答えは「100a+10(a+b)+(a+b+c)」になり、余りが(a+b+c+d)になります。

これは、先に紹介した暗算手順と一致しますね。

ちなみに、割り算の答えとなる「100a+10(a+b)+(a+b+c)」の「a」や「a+b」、「a+b+c」は答えの各位の数を表しているので、10以上になったら繰り上げが起こります。

また、余りとなるパートの「a+b+c+d」ですが、9で割っているのに余りが9以上ではおかしいので、もしa+b+c+dが9以上になったらその部分を答えに繰り上げる必要があります。

まとめ

今回は、インド式計算法で9の割り算を簡単にする方法をご紹介しました。

この方法を知っていると、大きな数の割り算であっても、とてもスピーディーに暗算できるようになりますよ。

また「インド式計算法が成り立つ理由」で見たように、知っている算数や数学の知識から、どうしてその計算方が成り立つのかを見直してみるのも面白いですよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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