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日本ドラマ初出演とは思えない…!登場するだけでシーンが引き締まる“グローバル女優”品格と知性が宿った佇まい

  • 2025.8.5

2025年夏、TBSと韓国・STUDIO DRAGONの初タッグによって誕生した日韓合作ドラマ、TBS系 火曜ドラマ『初恋DOGs』(毎週火曜よる10時)。清原果耶、成田凌ら日本の実力派キャストに加え、ナ・イヌ、チャ・ハギョン、ハン・ジウンという韓国の注目俳優3人が出演し、物語に深みと広がりをもたらしている。ここでは、第5話までの展開をもとに、彼らの演技の魅力をたっぷりと掘り下げてみたい。

愛を見つめたナ・イヌ、表現する静かな切なさ

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火曜ドラマ『初恋DOGs』第5話より(C)TBS

韓国屈指の財閥ウロアグループの御曹司、ウ・ソハを演じるナ・イヌ。彼が作中で見せるのは、いわゆる王子様キャラとはひと味違う、大人の余裕と繊細さを併せ持った男の姿だ。

とくに印象深いのは、第5話でのスイカジュースのシーン。愛子(清原果耶)の初恋が快(成田凌)だったと知り、ソハはそっと別室へ移動する。手には2杯分のジュース。しかし、彼が飲むのは自分の分だけ。

愛子への思いを静かに胸にしまい、何も語らずグラスを傾ける姿は、観る者の心をじわりと締めつけた。このシーンを含め、御曹司・ソハに対するSNS上の反応は「優しい御曹司」「めちゃくちゃ癒されてる」と好意的なものが多い。

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火曜ドラマ『初恋DOGs』第5話より(C)TBS

ナ・イヌは、大仰な感情表現ではなく、柔らかい物腰と深みのある眼差しで内面を語るタイプの俳優。その自然体で繊細な演技は、視聴者にそっと寄り添い、気づけば彼の片想いに共感してしまう。時代劇から現代劇まで幅広いジャンルで活躍してきた彼の多面的な魅力が、日本ドラマでもしっかりと発揮されている。

チャ・ハギョン、兄としての葛藤と優しさをにじませる演技

断片的な出演ながらも強烈な印象を残しているのが、同じくウロアグループでソハとは兄弟であるウ・ソジン役のチャ・ハギョン。電話越しにソハを叱責するシーンでは、「なんで勝手に動く!」と感情を爆発させつつも、どこか弟を案じる優しさがにじんでいる。

さらに、姉・ソヨン(ハン・ジウン)との兄妹バトルも見逃せない。赤字経営を冷静に指摘されたソジンが「相変わらずだな、ムカつく」とつぶやく場面には、彼女との長年の関係性が垣間見え、短いシーンながらもキャラクターの厚みを感じさせた。

チャ・ハギョンは、正義感あふれる警察官から憎めない兄貴分まで幅広い役を演じてきた俳優。今回演じるウ・ソジンも、謎を孕んだ存在でありながら、どこか人間味があり、今後の物語を左右するキーパーソンとなりそうだ。

ハン・ジウン、知性と気品で魅せるグローバル女優の存在感

ソハやソジンの姉・ウ・ソヨンを演じるハン・ジウンは、グローバルロジスティクス部門の副社長というキャリアウーマン。ビジネスシーンでの冷静な判断力と、弟たちを思う姉としての優しさが共存するキャラクターを、彼女は抑制の効いた演技で見事に表現している。

日本ドラマ初出演とは思えないほど、彼女の演技は堂々としており、その佇まいには品格と知性が宿る。端正なビジュアルもさることながら、登場するだけでシーン全体が引き締まるような安定した存在感がある。

韓国では多様なジャンルで活躍してきたハン・ジウン。今回の日韓合作を機に、彼女のグローバルな飛躍を期待する声も高まっている。

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火曜ドラマ『初恋DOGs』第5話より(C)TBS

『初恋DOGs』は、愛犬同士の出会いから始まるラブストーリーという設定ながら、その背景には文化の違いや価値観のズレが絶妙に織り込まれている。日本と韓国、それぞれの俳優たちが混ざり合い、生まれる言葉の壁や距離感すらも、ドラマの魅力になっている。

ナ・イヌ、チャ・ハギョン、ハン・ジウン。3人の韓国俳優が、それぞれ異なる角度から物語に息を吹き込んでいることは間違いない。国を越えて、心を通わせる。それはフィクションのなかだけでなく、俳優同士の表現にも重なる美しいテーマなのだ。


TBS系 火曜ドラマ『初恋DOGs』毎週火曜よる10時〜

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧・Twitter):@yuu_uu_