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「ようやく気づいてザワついた」「鳥肌…」ネットが沸いた“圧巻の仕掛け”…緻密な伏線が話題の人気アニメ

  • 2025.8.14

8月2日に最終回が配信され、完結を迎えたアニメ『タコピーの原罪』。本作は、配信限定のうえに全6話という短さながら、夏アニメの中でもトップクラスの注目を集めた話題作だ。SNSでは、メインビジュアルに小さく書かれたキャッチコピーに対する納得の声があがったほか、アニメの完結記念ビジュアルと原作の表紙が繋がる仕掛けにはおどろきの声も。最終回を迎えた今だからこそわかる、本作の“緻密な伏線”に迫りたい。

※以下本文にはネタバレの内容が含まれます。

キャッチコピーが示していた物語の“結末”

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(C)タイザン5/集英社・「タコピーの原罪」製作委員会

『タコピーの原罪』のメインビジュアルには、「これは、ぼくときみたちの最高にハッピーな物語――」というキャッチコピーが小さく書かれていた。しかし、いじめや自殺、家庭内暴力といった心をえぐるようなシーンが続き、おどろいた視聴者も多いはず。ハッピーとは程遠い、希望が見えない内容だった。

そんななか、最終回ではタコピーが自らを犠牲にして“ハッピーカメラ”の時間を戻す力を使い、タコピーの存在がなくなった世界で生きるしずかとまりなが描かれた。まりながしずかをいじめている最中、ノートに描かれたタコピーの落書きを見つける。そして、2人はもう存在しないタコピーについてお互いに言い合い、ボロボロと涙を流した。

ラストでは、成長したしずかとまりなが、一緒にボールペンを選んでいる。ラストシーンを見るに、2人はタコピーの記憶がきっかけで友達となり、ひとりぼっちではなくなったことで、最悪の結末を回避したようだ。メインビジュアルに書かれていた「最高にハッピーな物語」というキャッチコピーについてSNSでは「気づかなかった」「混乱してる」「キャッチコピーに偽りはなかった」「罠か!?」「騙されないぞ」との声があがっていた。一見すると疑いたくなるようなキャッチコピーだが、じつは救いのあるラストを表していたのだ。

完結記念ビジュアルと原作の表紙の“繋がる”演出に反響続出

最終回である第6話が配信されると、エンディングアニメーションの演出と作画を手がけるちな氏による描き下ろしの完結記念ビジュアルが公開された。「ありがとう、バイバイ」という別れの言葉とともに、笑顔と涙を浮かべながら手を振るタコピー。そして、タコピーの前には、作中で登場した“仲直りリボン”が左右にするすると伸びている。

一方、『タコピーの原罪』の原作の表紙には、泣きじゃくるしずかとまりなが描かれている。そして2人の指には、“仲直りリボン”が結ばれているのだ。2人が仲良くなったのは、消えてなくなってしまったタコピーに対する記憶と感情を共有し合えたから。つまり、タコピー自身が“仲直りリボン”の役割を果たし、2人を繋いだといえる。2人が友達になれたのは、存在が消えても“みんなをハッピーにしたい”というタコピーの想いが通じた結果ではないだろうか。

アニメの完結記念ビジュアルと原作の表紙が繋がる仕掛けについてSNSでは「鳥肌」「マジで泣く」「エモすぎる」「やっぱり伏線」「ようやく気づいてザワついた」との声があがった。原作既読の視聴者も、あらためて原作を手に取って思わずうなってしまうような、見事な演出だ。

タコピーの“原罪”とはなんだったのか?

タコピーが犯してしまった罪は、いくつもある。掟をやぶって異星人であるしずかに“ハッピー道具”を貸し、彼女が自殺してしまったのも罪といえるだろう。また、タコピーがまりなを“ハッピーカメラ”で撲殺してしまったシーンの直後、『タコピーの原罪』というタイトルがドンと映し出された。まりなを殺してしまったことが、タコピーにとって真の罪だと言わんばかりの演出だ。

「やり直しのないぼくの本当の物語が始まったのは、ここからだったッピ」というタコピーのモノローグが流れることからも、本来は助けようとしていたまりなを殺してしまったことが、タコピーの“原罪”だったように思う。タイトルについてさまざまな考察ができる点も、本作の面白さだろう。『タコピーの原罪』は、ショッキングな内容だけでなく、緻密な演出や伏線によって、話題になるべくしてなった作品だ。


タコピーの原罪
ABEMAにて毎週土曜日午前0時から最新話を無料放送中
[番組URL]https://abema.tv/video/title/19-266
【(C)タイザン5/集英社・「タコピーの原罪」製作委員会】

ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari