『コナン』原作者の“もう1つの名作”が令和に復活！第６話の“異例の演出”にも注目が集まった話題のアニメ

『名探偵コナン』のような誰もが知っているアニメ作品は、家族でも楽しく観られる点が人気に繋がっている。そして、同じく青山剛昌が原作者であるTVアニメ『真・侍伝 YAIBA』も、令和に生まれ変わったリメイク版であると同時に、世代を問わずに楽しめる作品だ。『真・侍伝 YAIBA』の子どもから大人まで夢中にさせる理由とは、いったい何なのだろうか。

バトルで強くなる！『真・侍伝 YAIBA』に詰まった“少年漫画の醍醐味”

『真・侍伝 YAIBA』の原作は、青山剛昌による『YAIBA』という少年漫画だ。少年剣士・鉄 刃（くろがね やいば）が真の侍を目指して大活躍する『YAIBA』は、子ども心をくすぐるような王道少年漫画の“ワクワク感”がある。

刃は、最初から強いわけではない。修行と敵とのバトルを繰り返すことで、強さに磨きをかけていく。必殺技である“せんぷう剣”や“かみなり斬り”を習得したり、“龍神の玉”探しの最中に手に入れた“水神の玉”や“金の玉”を使って強敵や困難な場面を攻略したり。修行やバトルを通してだんだん強くなっていく王道サイクルは、まさに少年漫画に見られるものだ。

『真・侍伝 YAIBA』は作画にもこだわっており、アクションシーンの見ごたえが抜群だ。鬼丸の強力な手下であるバットガイとの戦いが描かれた第6話は、異例の“一人原画回”（一人で全ての原画を担当した回）となっており、普段と違う作画によってバットガイ戦をパワーアップさせた。また、刃と鬼丸猛（おにまるたけし）が一騎打ちする第11話では、“雷神剣”と“風神剣”がぶつかり合う迫力満点のバトルシーンが描かれた。ハイクオリティな作画は、視聴者をぐっと画面に惹きつける効果がある。

アクションシーンだけでなく、『真・侍伝 YAIBA』は刃たちの冒険も大きな見どころ。峰さやかや宮本武蔵、佐々木小次郎といった仲間たちを引き連れて、刃は全国各地を旅する。刃一行の姿を観ていると、まるで一緒に旅しているようなワクワク感を抱く。次はどこに連れて行ってくれるんだろうと楽しみになるのだ。

加えて、鬼丸の手下との戦いを通して、仲間たちの絆は深まっていく。刃とさやかの恋愛の予感が垣間見える瞬間もあり、2人の関係が今後どのように発展するのかも気になるところだ。刃一行の冒険は、私たちの好奇心や想像力を刺激してやまない。とくに子どもが『真・侍伝 YAIBA』に夢中になる理由は、作中で描かれるワクワクするような冒険にあるのではないだろうか。

子どもは夢中に、大人は懐かしく。世代を繋ぐ『真・侍伝 YAIBA』の冒険

子どもが『真・侍伝 YAIBA』に夢中になる要素は、大人にとっては“懐かしさ”に繋がる。あの頃漫画で読んでいたワクワクするような冒険が、眠っていた少年心を呼び起こし、心に“刺さる”のだ。『真・侍伝 YAIBA』は、約30年前に放送された『剣勇伝説YAIBA』をリメイクしたもの。ただ、リメイク前である『剣勇伝説YAIBA』を未視聴の人も、昔を思い出して懐かしさを感じる部分があるように思う。

懐かしさの原因は、王道少年漫画らしい物語に加えて、刃という主人公そのものにある。猪突猛進で曲がったことが嫌いな刃は、昔ながらのヒーロー像を想起させるのだ。無邪気でまっすぐな刃の言動が、日常で抑え込んでいる私たちの気持ちを解き放ってくれる。そんな気持ちのいい刃に、いつの間にか魅了された人も多いのではないだろうか。

『真・侍伝 YAIBA』には、“ワクワク感”と“懐かしさ”が同居しており、子どもから大人まで楽しめる理由になっている。目を覆いたくなるようなグロテスクなシーンもなく、主にアクションとコメディをまじえつつ展開していくため、安心して観られる点も家族向けだ。近年では『SPY×FAMILY』なども家族で楽しめるアニメとして挙げられる中で、『真・侍伝 YAIBA』も令和の“ファミリーアニメ”の仲間入りを果たしたのではないだろうか。

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真･侍伝 YAIBA
ABEMAにて毎週土曜22:30より最新話を無料放送
［番組URL］https://abema.tv/video/title/2-29
【(C)青山剛昌／小学館／真･侍伝YAIBA製作委員会】

ライター：まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X（旧Twitter）：@kaku_magari