“ありがちな設定”を逆手に取った“巧妙すぎる仕掛け”「なるほどな」「理由があった」人気アニメで“再評価の声”が高まる

篠原健太による漫画を原作としたTVアニメ『ウィッチウォッチ』。第19話では、これまで明かされなかった乙木守仁（おとぎもりひと）が若月ニコに恋愛感情を抱かない予想外の理由が判明し、SNSでは「スケダンにはあまりなかった篠原先生のラブコメ」「本作らしからぬロマンチックな結末」「この話の結末すごく好き」との声があがった。

モリヒトの気持ちは友情か恋か？人気エピソードがアニメ化

家を整理していたモリヒトは、昔ニコからもらった手紙を見つける。手紙には“モイちゃんへ ニコはずっとずっと モイちゃんのともだちだよ”と書かれていた。小さい頃、2人はニコの魔法を通して仲良くなった。だが、力を上手く扱えずひとりぼっちだったモリヒトは「俺はもう友達とかいらないんだ」と言う。すると、「言霊っていってね」「ほんとに友達いなくなっちゃうよ」と、ニコはモリヒトに手紙を書いたのだ。

ニコの手紙はいじめっ子にビリビリに破かれてしまうが、モリヒトが手紙の断片を拾い集め、テープでとめて復元させたのだった。それからモリヒトは、5年ほど部屋に手紙を貼り、毎日眺めて励まされていた。その話を聞いた宮尾音夢（みやおねむ）は、モリヒトが“呪い”にかかっている可能性に気づく。

モリヒトは、ニコに対して恋愛感情を抱いている様子はなく、「俺にとってニコは……親友だ！」と言い切るほど。数年ぶりに再会したときも、モリヒトの目は真っ黒だった。ニコが念をこめて書いた手紙が“友達でいる”という呪いになっていると確信したネムは、なんとかモリヒトの呪いを解こうと考える。

モリヒトがニコに対して大きな感情を持っていれば、呪いは解除できる。そこでニコは、相手の姿を見ながらかけると頭上にその人への思いがサインとして現れる魔法“フィーリングラム”をひらめく。愛情だと花が咲き、友情だと虫が現れるのだ。さっそくニコがモリヒトに魔法をかけると、彼の頭に芽が生えた。

さらに芋虫も現れ、芽の周りを回りだす。モリヒトのニコに対する感情は、やはり友情でしかないと諦めそうになるニコたち。ところが、手紙を拾って復元したモリヒトに「ありがとね。モイちゃん」とニコが感謝を伝えると、芋虫はさなぎになり、やがて大きな蝶に。美しい花にも見える蝶は、モリヒトの気持ちがいつかあふれることを示していたのだった。

今回描かれたニコとモリヒトの恋愛模様にまつわるエピソード“ともだちの手紙”についてSNSでは「アニメーションと声とBGMが加わってもっと感動した」「原作で一番好きな回がアニメになっててHappy」「原作の時から、これカラーで見たいって思ってたやつ」との声があがった。

幼なじみなのに恋が進展しないワケ――明かされた“友達の呪い”

ニコがモリヒトに恋愛感情を抱いている様子は、序盤から何度も描かれており、わかりやすかった。しかし、同じ家で暮らしているにもかかわらず、モリヒトがニコを異性として意識する描写はない。ニコが見せる年ごろの女子らしい反応のほうが、よほどまっとうに見える。

男キャラクターが鈍感で、相手や自分の気持ちにまったく気づいていないという設定は、ラブコメ作品においてよく見られる。また、モリヒトは修行を積んでいるうえに、真面目でストイックな性格だ。『ウィッチウォッチ』は、時折キュンとするラブコメシーンはあれど、ニコとモリヒトの恋愛模様は進展しないように思えた。

しかし今回、ニコがモリヒトに意図せずかけた呪いが原因で、友達から抜け出せなくなっていたと判明。SNSでは「まさか呪いになっちゃうなんて」「友達の呪いとは中々なるほどなって展開だった」「あるある設定に、実は明確な理由があったと判明した回」との声が。

物語やバトルだけでなく、恋愛にも呪いと魔法の要素を絡めているところが『ウィッチウォッチ』らしい。第19話は、モリヒトがニコに対して恋愛感情を抱かない意外な理由が明かされたとともに、2人の恋の行方に希望が持てるような回となった。

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ウィッチウォッチ
ABEMAにて毎週日曜日夜9時より最新話を無料放送
［番組URL］https://abema.tv/video/title/593-12
【(C)篠原健太／集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS】

ライター：まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X（旧Twitter）：@kaku_magari