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『名探偵コナン』“実は描かれていなかった”神セリフたち…“衝撃の秘話”にファン「青山先生、天才すぎます」

  • 2025.8.15

名探偵コナンには、推理の緊張感や人間ドラマを超えて、心に残る“名セリフ”が多数存在します。映画・アニメともに、決め台詞「真実はいつもひとつ!」が作品の象徴ですが、現場の制作過程で脚本や演出が加えられた“現場発”の名セリフも存在します。本稿では、そのような真実に基づいたセリフをご紹介します。

このセリフも元はなかった!?意外な名セリフたち

あの有名な台詞も、実は後から追加されたものだったのです!この章ではそのいくつかを紹介します。

「待たせるの好きよねぇ…新一くん…」(『劇場版 名探偵コナン 黒鉄の魚影』)

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(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

2023年公開の『劇場版 名探偵コナン 黒鉄の魚影』では、灰原哀が医務室で呟く「待たせるの好きよねぇ…新一くん…」という台詞が印象的でした。実はこの台詞、当初の台本では「何言ってんのよ!そうやってすぐ置いてくくせに」といった、やや棘のある表現だったそうです。

この変更は原作者・青山剛昌先生による提案によるもので、灰原が蘭の気持ちを代弁するような立場に立ったとき、彼女らしい感情表現が必要だと判断されたとのこと。結果として、「新一くん」と呼ぶ珍しい台詞とともに、灰原の揺れる心情が際立つ印象深いシーンに仕上がりました。このエピソードにSNSでは「さすが青山先生!」「青山先生、天才すぎます」とファンから絶賛の声が多く寄せられていました。

元々は「何言ってんのよ!そうやってすぐ置いてくくせに」でしたが #青山先生の提案で変更。「これは灰原が蘭ちゃんの気持ちになって言ったセリフで、そのままだとちょっとイヤな感じがしたので灰原ならこっちの方が良いかなと思ったんです」とコメント
出典:金曜ロードショー公式X 2024年4月19日配信

「僕の恋人は…この国さ!」(劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』)

安室透(降谷零)の代名詞とも言えるこの台詞も、実は当初の脚本にはなかったもので、青山剛昌先生のアイデアにより追加されたことが明かされています。脚本家の櫻井武晴氏によれば、公安という立場にある彼の覚悟を象徴する一言として、青山先生から直接このフレーズが提案されたとのことです。

この台詞は、多くの視聴者の心をつかみ、作品全体の印象を決定づける決め台詞として広まりました。“安室の女”の大量発生が話題になったのも、この台詞の影響が大きいと言えるでしょう。

Q.たとえば『ゼロの執行人』は、安室の「僕の恋人は…この国さ!」という決めゼリフが話題になりました。こういったエモーショナルなセリフも櫻井さんの発案ですか?

A.そういう飛び抜けたワードは、だいたい青山先生の発案です(笑)。僕は「こんな状況でこんなキザなこと言うのかな?」って躊躇しちゃうけど、それこそが劇場版『名探偵コナン』の魅力でもある。そういう意味で、毎回、青山先生のアイデアには助けられています。
出典:『赤井一家(ファミリー)はなぜ集結したのか――劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』制作秘話を脚本家・櫻井武晴が語る』livedoorニュース 2021年6月25日配信

アニメで登場!原作ではなかった名セリフたち

お次は、原作では完全になかったもののアニメで初めて登場した名台詞です!

「バイバイ…」(原作28巻・アニメ222~224話『そして人形はいなくなった』)

捜査の途中に崖から落ちかけてしまった和葉と、片手で和葉の手を、もう一方の手で崖の枝を掴みそれを必死に支える平次。原作では和葉が心の中で「ごめんな平次」「私の分まで長生きしてや」と願いながら平次の手を刺す場面が描かれます。

一方アニメ版では、和葉が心の中で願った後に「バイバイ…」と涙ながらに実際に言葉を発する演出が追加されています。この一言が加わることで、彼女が平次のことを命に換えても守りたいと思っている切実な気持ちがより鮮明に表現され、視聴者の胸を打つ名台詞となりました。声優・宮村優子さんの演技も相まって、作品屈指の感動的なシーンに仕上がっています。

「真実は、いつもひとつ!」

コナンの象徴とも言えるこの決め台詞ですが、実は原作にはこの表現はありませんでした。TVアニメ第49話『外交官殺人事件』で初めて使用され、その後定番の決め台詞として定着しました。

原作でも「真実は一つだ」という趣旨の発言は散見されますが、このフレーズが作品の象徴となったのはアニメ化以降のことです。今ではこの台詞なしにコナンは語れないほど、定着した表現になっています。

まとめ

『名探偵コナン』には数多くの名台詞が登場しますが、その中には原作段階では存在せず、アニメ制作やアフレコ現場、原作者の後付けの提案によって生まれたものも少なくありません。それらの台詞は、シーンの臨場感やキャラクターの感情をより豊かに表現するために追加されたものであり、結果として視聴者の心に深く刻まれる名場面を生み出しています。今後も、こうした“現場発”の名台詞が作品に新たな彩りを加えてくれることでしょう。

ABEMAにて「名探偵コナン」劇場版関連TVエピソードも配信中!
[番組URL]https://abema.tv/video/title/415-8
【(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996】