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人生を10年伸ばす習慣──テニスがもたらす、「長寿」への恩恵

  • 2025.7.14

ラケットスポーツが“長寿のスポーツ”とされる理由

テニスや卓球といったラケットスポーツが、寿命を延ばす運動としてたびたび研究者の注目を集めていることをご存じだろうか。たとえば、2024年パリオリンピックでルクセンブルク代表として出場した卓球選手ニー・シャーリエンは、61歳にしてオリンピックで勝利をおさめた最年長選手として記録された。キャリアはすでに40年を超え、1983年には世界卓球選手権で団体戦と混合ダブルスの金メダルを獲得。それ以来、運動能力は衰えることなく輝き続けている。

また、2024年のパリオリンピックにて58歳で初の五輪出場を果たしたヅォン・ジーインも、卓球を通じて年齢を超えて活躍するアスリートの代表例だ。こうした実例は、ラケットスポーツが長く競技人生を保ち、ひいては健康寿命を支えてくれることを物語っている。

ラケットスポーツの驚くべき効果。テニスは寿命を約10年延ばすという研究結果も

イギリスの医学誌『British Journal of Sports Medicine』に掲載された研究では、9年間にわたり8万人以上の成人を追跡し、さまざまな運動と健康との関連を比較。ラケットスポーツを定期的に行う人は、身体活動のない人に比べて死亡リスクが47%も低いことが明らかになった。これは、2位の水泳(28%減)を大きく上回る数字。心臓病・脳卒中・心筋梗塞のリスクも56%低下するという結果で、水泳の41%、エアロビクスの36%から大きく数字を離した。

ラケットスポーツの中でも、とくにテニスは際立った効果を持つ。寿命を平均で約10年も延ばす可能性があるというのだ。続いてバドミントンは6.2年、サッカー4.7年、サイクリング3.7年、水泳は3.4年と続く。運動としての負荷や全身を使う性質が、長期的な健康維持に寄与していると考えられている。

ラケットスポーツが心身にもたらす多面的な恩恵

ラケットスポーツが優れているのは、心肺機能の強化にとどまらない。有酸素運動と無酸素運動が組み合わさっているため、持久力トレーニングと短時間の高強度運動を組み合わせることで、心臓と血管の健康をサポートする。

さらに、テニスやスカッシュ、卓球などは認知機能にも好影響を与える。身体と脳を連携させることが求められるこれらのスポーツは、バランス感覚や俊敏性、反射神経、集中力、そして判断力を向上させてくれる。また、太もも・背中・肩・腕・腹筋など全身の筋肉をまんべんなく使うため、筋力や筋量の維持にも効果的。カロリー消費も高く、体重管理にも役立つ。

健康へのもうひとつの鍵、それは“つながり”

忘れてはならないのが、ラケットスポーツが社交的なスポーツであるという点。『ブルーゾーン 世界の100歳人(センテナリアン)に学ぶ 健康と長寿のルール』の著者ダン・ビュイトナー氏は、世界各地の“ブルーゾーン(長寿な人が多く集まる地域)”を調査するなかで、人とのつながりやコミュニティへの参加が、寿命を延ばす決定的な要因であると語っている。家族や友人との定期的なつながりは、脳の健康を保ち、認知機能の低下を防ぎ、さらにはアルツハイマー病の予防にもつながる可能性があるとされている。テニスのようなラケットスポーツはまさしく、一緒にプレーする友人やパートナーとの交流を通じて、精神的な充足感を得ることができるのだ。

Text: Marie Bladt Adaptation: Sonia Kanazawa

From VOGUE.FR

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