【映画】世界の映画祭を席巻！8/1公開「入国審査」は深層心理をえぐる！

2025.7.8

入国審査ってちょっとビビりますよね、なんにも悪いことはしてないのに。まだ別室に連れて行かれた経験はない、リビングふくおか・北九州web地域特派員のめりしゃんです。 8月1日公開の映画「入国審査」は、ベネズエラ出身の監督アレハンドロ・ロハス自身の経験を元にしたストーリーだそうで、空港の狭い尋問室での心理戦が描かれています。

バルセロナ空港へ向かうふたり。ラジオからトランプ大統領の政策を報じるニュースが。

アメリカへの移住権を手にして幸せを夢見るふたりがニューヨークの空港で

最近のアメリカの移民政策、不法移民への対処にはハラハラするものがありますが、そんな今！観るべき映画なのかもしれません。

飛行機から降りて入国審査へ向かうディエゴとエレナ。ニューヨークでの入国審査で両手の指全部の指紋を取られ、顔写真を撮られ・・とドキドキします。このお話はそこで、パスポートを取られて別室へ連れて行かれてしまい、このあとマイアミに向けて乗り継ぐ予定だったふたりは焦ります。

アメリカの入国審査って2001年のテロ以来どんどん厳しくなっていっている気がします。観光目的の日本人はビザ無しで渡航できたのにESTAが必要になり、その取得時の質問事項もだんだん増えてきているようです。自分が持っているSNSのアカウントも全て記入しなければなりません。なんだか、変なこと書いてなかったかな？と、心配になってきます。観光での入国でもドキドキするくらいですから、いざ移民として入国するときに別室へ連れて行かれるのはかなり精神的に追い詰められるものがあるのでは？

別室で、手荷物を詳しく調べられます。携帯電話もPCも取り上げられ、パスワードを訊かれて中までチェックされます。エレナは、やましいことは無いと反発します。

ヒスパニック系のバスケス審査官。ディエゴとエレナはふたりだけでスペイン語で話せばわからないだろうと思って話していましたが、バスケス審査官にスペイン語で話しかけられ印象を悪くしたことに気づきます。

ディエゴとエレナは別々に尋問されることになり、エレナが知らなかったディエゴの話を聞くことになります。何も咎められることはない！と自信を持っていたエレナが揺らぎ始めます。

堂々としていたエレナは、だんだんと自信をなくした表情に。そして目が泳いでくるディエゴ。この辺り、役者さんてすごいなあって思って見てました。

緊迫の77分間から

エンディング曲が流れ始めると歌詞が、 Congratulations, Congratulations（おめでとう、おめでとう）と連呼していて、いやなんの冗談？と思いましたよ。めでたいの？それとも皮肉なの？

https://www.youtube.com/watch?v=IYUFK8S_49c

このあと、ふたりはどうなると思います？

わずか17日間の撮影、低予算の「入国審査」

ほぼ、尋問室で展開される77分のこの映画が低予算なのはうなづけます。共同で監督と脚本を担当したアレハンドロ・ロハスとフアン・セバスチャン・バスケスは、この映画で一躍有名に。わたしは、エレナに入れ込みすぎてだんだんカッカしてきました。短い映画なのに、なのか、この短さだからこそなのか、あっという間にこの状況に引っ張り込まれてしまいます。

あの小部屋に入る前には無かったなにか、もう修復できない黒い塊がエレナの中にあるような気がしました。（それが審査官の目的？）

入国審査 8/1公開
公開劇場：KBCシネマ、熊本ピカデリーほか
© 2022 ZABRISKIE FILMS SL, BASQUE FILM SERVICES SL, SYGNATIA SL, UPON ENTRY AIE
監督・脚本:アレハンドロ・ロハス、フアン・セバスチャン・バスケス
出演:アルベルト・アンマン、ブルーナ・クッシ
2023 年|スペイン|スペイン語、英語、カタルーニャ語|77 分|ビスタ|カラー|5.1ch|
原題 UPON ENTRY|日本語字幕杉田洋子
配給：松竹
後援：在日スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンデス東京
公式HP：https://movies.shochiku.co.jp/uponentry/

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