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梅雨の北鎌倉でねりきり細工&お抹茶体験-後編-【湘南通信】

  • 2025.7.3

北鎌倉での和菓子づくり、後編です。
ふたつめに作るのは『紫陽花』。色餡を生地で包み込み、外側に透けさせる「包みぼかし」という技法で作ります。ちょっと難しくはなりますが、この季節だからこそ作りたい和菓子です。
体験するのは、引き続き編集Mです。
(通常は1種類を2個つくりますが、今回は撮影のため特別に2種類を1個ずつ作らせていただきます)

和文化の体験施設『k o m i n k a.』で 難易度高!『紫陽花』に挑戦

『紫陽花』のために用意されているのは、水色と紫色のねりきり各2個ずつと、やや大きめの白いねりきり1個、中に包む白餡1個、途中で使う三角べらと竹串、銀色のアラザン(粒状の砂糖菓子)とおてふきです。

白いねりきりを手のひらで平らに伸ばし、その上に水色と紫色のねりきりを、色を互い違いにして並べます。

指の腹でそっと押して、白いねりきり生地と一体化するように伸ばします。

手のひらに置き、白餡を真ん中に乗せます。

指で生地を少しずつ伸ばしながら、白餡を包み込みます。1個目の『手毬』でも同じ工程があったからか、かなり要領よく包めた編集M。きれいに丸く整えました。

上下を逆さまにして手に乗せ、中心に竹串で印をつけます。

三角べらで、色の境目に線を入れます。これも『手毬』で出てきた工程。「力加減がわかってきました」と、ちょっと余裕を見せる編集M。

指の腹をすべらせて生地を平らにし、紫陽花のがくを作ります。その繊細なワザを目にして、動揺のあまり「え!」と思わず大きな声をもらす編集M。つきっきりで教えてくださるスタッフの手元を見る、この真剣なまなざしをご覧ください。

「失敗したら、とても紫陽花に見えなくなっちゃいますよね。人生で一番緊張しています」恐る恐る指で押してみる編集Mでしたが、スタッフのきめ細かい指導もあり、少しずつ形になってきました。

作ったがくの先端を指先で摘み、さらに紫陽花らしいシルエットに整えます。

竹串で線をつけ、中心にアラザンを乗せます。淡い色のがくに、銀色のポイントがついて、紫陽花らしさがぐっと増しました。

できました〜!「難しい手法を言われた時はどうなるかと思いましたが、なんとか完成にこぎつけられてホッとしました。めちゃくちゃ愛着が湧きます」と編集M。

左のお手本に比べると、右の編集M作はダイナミックな印象ですが、これはこれでとてもきれいです。

作ったお菓子を乗せるお皿と、この後に点てるお抹茶の器をこの中から選びます。

選んだ器でお抹茶を点てます。「うまく点てられなければ、スタッフが替わりますね」と言われたのですが、緊張から解き放たれて勢いよく点てたので、あっという間においしそうなお抹茶ができました。

最後に撮影タイムです。季節のお花が活けてある畳敷きのコーナーや中庭など、好きなところでパチリ。

お菓子のデザインは1〜2ヶ月で入れ替えられます。同じモチーフでも、道具を使ったり、別の手法で作ったり、と技術が変わることも。「『今度はこのデザインを作りたい』『お菓子用のハサミを使ってみたい』とリピートしてくださる方も多いんですよ」とオーナーの三ツ木皓子さん。

水引細工の体験ができる姉妹店がオープン

この夏、鎌倉に水引細工を作れる姉妹店『k o y o r i』がオープンします。
贈答品や祝儀袋、お正月飾りなどで目にすることのある水引。和紙をこより状にして、解けないように水糊で固めた飾り紐です。主な生産加工地として長野県飯田市が有名ですが、オーナーの三ツ木さんは実は長野出身。「地元のために何かできることはないかと思って、体験できる施設を作りました」

水引は色も種類も豊富で、その曲線の美しさと繊細さは日本が誇る文化です。『k o y o r i』では、好みの糸を選び、アクセサリー(ピアス、イヤリング、指輪、ヘアゴム、ヘアピン)、キーホルダー、ブックマークなどから2つ(ピアスのように両耳必要なアイテムは1つ)を選んで作ることができます。もちろん、スタッフのアテンド付きです。

「ねりきり作りも水引細工も、本当に技術を習得しようとしたら何年もかかります。でもここでは技術の習得が目的というより、仕事や家のことで忙しく過ごしている毎日と、少し距離を置く時間を作ってほしいんです。和の体験を通したマインドフルネスだと思っています」と話す三ツ木さんでした。

この記事を書いた人

ライター 髙橋千恵子

髙橋千恵子

東京生まれ、東京育ち。子どもの頃、夏休みの度に過ごした湘南へ2018年に引っ越し。軽いお試し移住のつもりが、湘南の魅力にハマって早6年。海や山が近く、人も時間もゆったりとした環境で、ネコと暮らしています。ライターとしての専門は美容。

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