1. トップ
  2. FP「最大で数千万円もらえるかも」→「もしも」のために備えて…災害時に加入しておくべき“3つの保険”とは?【FPが解説】

FP「最大で数千万円もらえるかも」→「もしも」のために備えて…災害時に加入しておくべき“3つの保険”とは?【FPが解説】

  • 2025.7.11
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

地震や台風、豪雨などの自然災害は、いつ起こるかわかりません。「まさか自分の身には起こらないだろう」と思っていても、災害は突然やってくるものです。そんなとき、保険があるかないかで、その後の生活が大きく変わってくる場合も。

今回は、災害に備えて絶対に入っておきたい3つの保険について、わかりやすく解説します。

住まいを守る大切な保険

住まいに関する代表的な保険は、火災保険と地震保険です。まずは、それぞれの基本を確認しましょう。

【火災保険】住宅の基本的な守り

火災保険は、その名前から「火事の時だけ」と思われがちですが、災害全般で頼りになる保険です。火災だけでなく、風災・雹災・雪災なども補償してくれます。

台風で屋根が飛ばされたり、雹で窓ガラスが割れたりした場合も、火災保険でカバーできます。保険金額は「建物」と「家財」で異なりますが、数百万円〜数千万円の補償を受けられるのが一般的です。

火災保険の内容を理解していない方は、一度補償内容を見直してみましょう。

【地震保険】火災保険では補えない分をカバー

日本は世界有数の地震大国です。地震による被害は火災保険では補償されないため、別途地震保険に加入する必要があります。

地震保険の保険金額は火災保険の30%〜50%の範囲で設定でき、建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円まで補償されます。全損の場合は保険金額の100%、大半損なら60%、小半損なら30%、一部損なら5%が支払われる仕組みです。

地震保険は国と民間の保険会社が共同で運営している制度のため、どの保険会社で加入しても保険料は同じです。また、地震保険料控除により、税金面でのメリットもあります。

【個人賠償責任特約】自分の建物が原因で他人に損害を与えた場合の備え

災害時に自分の建物が原因で他人に損害を与えてしまうリスクは、意外と見落としがちです。強風で屋根瓦が飛んで隣家の窓ガラスを割ったり、外壁の一部が崩れて通行人の車を傷つけたりする可能性があります。

災害時に限らず、日常生活の中で第三者に損害を与えてしまうケースは少なくありません。

個人賠償責任特約は、こうした日常生活における偶然の事故に備える保険です。他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の損害賠償責任を補償してくれます。

補償額は最大1億円程度が一般的で、保険料は月々数百円程度です。災害による建物の損壊で第三者に被害を与えた場合も対象となるため、建物を所有している方は加入を検討すべきでしょう。

行政からの支援も要チェック

自然災害が発生したときは、国や行政も住居を確保するための支援を行っています。

1、応急仮設住宅の活用

災害により住宅が大きな被害を受けて住めなくなった場合、一時的に住める住居が応急仮設住宅です。災害救助法が適用された地域では、自治体が無料で仮設住宅を提供してくれます。

応急仮設住宅には、プレハブなどで建設される「建設型仮設住宅」と、既存の民間賃貸住宅を借り上げる「借り上げ型仮設住宅」の2種類があります。入居期間は原則2年間で、光熱費などは自己負担となりますが、家賃は無料です。

建設型仮設住宅は約30平方メートルの間取りが一般的で、家族構成によって部屋数が調整されます。借り上げ型仮設住宅の場合は、一般的なアパートやマンションの一室を利用することができます。

2、公的制度の活用

保険だけでなく、国や自治体の公的制度も生活の復旧に大きく役立ちます。被災者生活再建支援制度では、住宅の被害程度に応じて、最大300万円の支援金が支給されます。

また、災害救助法が適用された地域では、住宅の応急修理制度により修理費用を支援してもらえます。災害復旧のための融資制度も充実しており、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資が代表例です。

これらの制度は申請しないと利用できないため、日頃から情報を収集しておくことが大切です。自治体のホームページや防災パンフレットなどで、事前に確認しておきましょう。

まとめ

建物への災害被害は、住居を失う精神的なショックだけでなく、経済的にも深刻な損害をもたらします。火災保険や地震保険などは、建物と財産を守るための基本的な保険です。

また、国や自治体も生活を取り戻すための支援を行っています。甚大な被害を受けた際には、行政からの支援を受けられないか確認しましょう。


監修者:柴田 充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。