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『賃貸』と『持ち家』結局どっちがオトクなの?→家を選ぶときに注意すべき、“3つのポイント”とは?【FPが解説】

  • 2025.7.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

家を選ぶとき、「賃貸にするか、持ち家を買うか」で悩む方は多いでしょう。どちらも一長一短があり、正解は人それぞれです。お金の面から見ても、どちらかが圧倒的に有利というわけではありません。

大切なのは、それぞれの特徴を理解して、自分のライフスタイルに合った選択をすることです。今回は、ファイナンシャルプランナーの視点から、賃貸と持ち家のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

賃貸に住む3つのメリット

まずは、賃貸のメリットを見ていきましょう。

1、自然災害が起きても資産への打撃が少ない

賃貸の大きなメリットの一つは、自然災害による経済的な打撃を受けにくいことです。地震や台風、洪水などで建物が損壊しても、修復費用や建て替え費用を負担する必要がありません。

地震や台風、豪雨による被害はいつ受けるかわかりません。持ち家の場合でも、火災保険や地震保険に加入していれば補償を受けられますが、十分な補償を受けられない可能性があります。

地震保険では、「全損」と認められれば地震保険金額の100%が補償されますが、全損と認められるケースは稀です(また、保険金額は火災保険金額の30%~50%)。

賃貸なら、万が一の災害時には引っ越しをするだけで済みます。「災害リスクを考えると不安」「保険だけでは心配」という方にとって、賃貸は精神的な負担を軽減してくれる選択肢といえるでしょう。

2、住み替えの自由度が高い

賃貸なら、転勤や家族構成の変化に合わせて、気軽に引っ越しができます。「子どもが独立したから小さな家に」「仕事の都合で都心に近い場所に」といった変化にも、柔軟に対応可能です。

売却の手間や費用もかからないため、ライフスタイルの変化が見込まれる方にマッチした居住形態といえます。特に20~30代の若い世代や、転勤の多い職業の方はメリットとして感じられるでしょう。

3、維持費が比較的安い

賃貸では、設備の故障や修繕費用は基本的に大家が負担します。エアコンが壊れても、水漏れが起きても、修理費用を心配する必要がありません。

一方で、持ち家の場合はすべて自己負担です。経年劣化による設備の交換や修繕などは、自分で計画的に行わなければなりませんので、賃貸のメリットといえるでしょう。

持ち家に住む3つのメリット

続いて、持ち家のメリットを見ていきましょう。

1、老後に家賃を支払う必要が無くなることも

持ち家の場合、住宅ローンを完済すれば自分の持ち物になります。毎月家賃を支払う必要がないため、購入するタイミングにもよりますが老後生活における住居費の負担を軽く感じられるでしょう。

賃貸では、ずっと家賃を払い続けても、最終的に手元には何も残りません。また、高齢になると希望する賃貸物件に入居できない場合もあります。

築年数が経つと建物の価値は失われますが、土地の価値は比較的安定しており、将来的に売却や賃貸として活用することも可能です。「老後に家賃の心配をしたくない」「子どもに財産を残したい」という方にとって、持ち家は適しているでしょう。

2、住宅ローン控除などの税制優遇

持ち家を購入すると、住宅ローン控除により所得税や住民税が軽減されます。住宅ローンを利用して住宅の新築やリフォーム・リノベーションなどをした場合、年末時における残債の0.7%を、最大13年間にわたって税額控除されるため、実質的な税負担を軽減することが可能です。

さらに、固定資産税の軽減措置や売却時の3,000万円特別控除など、持ち家があるとさまざまな税制優遇を活用できる可能性があります。

3、自由にリフォームできる

持ち家なら、自分好みにリフォームや増築が可能です。「キッチンを広くしたい」「子ども部屋を作りたい」といった希望も、予算の範囲内で自由に実現できます。

また、バリアフリー改修や省エネリフォームなど、将来を見据えた改修も可能です。ニーズに合わせて自由に家の中を改修できる自由度の高さは、長期的に見ると大きなメリットになるでしょう。

まとめ

賃貸と持ち家、どちらが得かは一概にはいえません。重要なのは、自分のライフスタイルや価値観に合った選択をすることです。

「転勤が多い」「自然災害リスクを負いたくない」という方は賃貸を、「終の棲家を得たい」「必要に応じて自由にリフォームしたい」という方は、持ち家を検討してみてください。

どちらを選ぶにしても、しっかりと予算や今後の人生設計を立てて、無理のない範囲で住まいを選ぶことが大切です。


監修者:柴田 充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。