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“セリフがなくても”目が離せない圧巻の演技力「見てるだけでゾクッ」称賛の声が相次ぐ“実力派俳優に注目”【木曜ドラマ】 

  • 2025.7.30
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『しあわせな結婚』第2話(C)テレビ朝日

7月スタートの夏ドラマのなかでも、視聴者の心をつかんで離さないのが、テレビ朝日系『しあわせな結婚』。主演の阿部サダヲと松たか子という豪華キャストに加え、脚本は『大恋愛~僕を忘れる君と』や『光る君へ』などでも知られる大石静。不穏なマリッジ・サスペンスという新境地に、スパイスを加えているのが杉野遥亮演じる刑事・黒川竜司だ。
※【ご注意下さい】本記事はネタバレを含みます。

杉野遥亮の演技が生む“静かな狂気”

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『しあわせな結婚』第2話(C)テレビ朝日

第2話では、阿部サダヲ演じる主人公・幸太郎のもとに突然現れ、松たか子演じる妻・ネルラが関わったとされる15年前の殺人事件について再捜査が始まったことを告げる。その物腰は柔らかく、終始笑顔すら浮かべているが、その瞳の奥には抑えきれない執念が宿っているようにも見える。

黒川は言う。「さばかれるべき人間は、自ら姿を現す」。どこか禅問答のような口ぶりで、幸太郎に揺さぶりをかけてくる。幸太郎が抵抗を示しても、「ご期待ください」と不敵な笑みを浮かべて立ち去る姿には、ただの刑事ではない、何か個人的な執着を感じさせる異様さがある。

実際、黒川は周囲の反対を押し切って再捜査を強く主張し、上層部から認められたという経緯を持つ。だが、SNS上でも指摘されている矛盾点は、黒川の年齢設定だ。黒川を演じている杉野自身の実年齢が29歳であるように、黒川自身も相当若く見える。どんなに年上に見積もっても、15年前の事件に関わっていたとは考えにくい。

それにもかかわらず、なぜそこまで執着するのか? SNS上では「黒川=被害者の弟説」など、さまざまな考察が飛び交っている。

杉野遥亮の俳優としての魅力

そんな謎めいた黒川というキャラクターに、リアリティと説得力を与えているのが、杉野遥亮の演技力だ。

これまで『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の不器用なヤンキー役や、『直ちゃんは小学三年生』での無垢な小学生役など、幅広いジャンルに挑戦してきた杉野。『マウンテンドクター』では山岳医という難役を演じ、苦悩や葛藤を抱える姿を繊細に表現してきた。

彼の演技の強みは、感情を“言葉”だけでなく“空気”で伝えることができる点にある。とくに目元の演技は秀逸で、怒りや悲しみ、不安をセリフなしでも的確に伝えることができる。さらに「間」の使い方もうまく、セリフとセリフの隙間に生まれる緊張感や余韻が、彼の演技を立体的にしている。

黒川竜司という役は、決して多弁ではない。だが、その一言ひとことが意味深で、物語全体の空気を変える力を持っている。第2話では、ネルラとの過去にどんな因縁があるのかを明かさないまま、必ず挙げると断言する場面が印象的だった。

その言葉の奥にあるのは、正義感なのか、それとも復讐心なのか。すぐさまそれを断定できないところが、杉野の演技の奥行きでもある。SNS上でも「ヴィジュアルがいい」「見てるだけでゾクッとした」と彼の演技を評する声が多く見られる。

黒川は何を隠している?今後の物語のカギを握る存在

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『しあわせな結婚』第2話(C)テレビ朝日

今後、黒川という人物が物語のなかでどのような存在へと変化していくのかはわからない。しかし、杉野遥亮という俳優がこの役に込めているように思える、緊張感と静かな狂気。それらは間違いなく『しあわせな結婚』という作品の根幹を支えている要素のひとつだ。

『しあわせな結婚』の物語はまだ序盤。しかし、杉野遥亮が生み出す静かな違和感と謎めいた熱量は、すでに視聴者を惹きつけてやまない。信じたいけれど信じられない。疑いたいけれど、まだ断定できない。そんな感情の揺れ動きを引き起こす黒川竜司という人物は、このドラマにおけるもうひとりの主役なのかもしれない。


テレビ朝日系『しあわせな結婚』毎週木曜よる9時
TVerで見逃し配信中
https://tver.jp/live/simul/le4dymrn4o

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_