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【大野城市】刺繍やアートで癒やされる個展「わたしの北極星」6/27まで

  • 2025.6.25

こんにちは。リビングふくおか・北九州Web地域特派員のkikiです。

今回は大野城市在住のアーティスト田村奈々絵さんのご紹介です。 先日ご紹介した、大野城市にある「Botanical Clover」というアンティークショップの2階の貸しギャラリースペースで、田村さんの個展「わたしの北極星」が行われています。

「今回作品の題材にしているのは、私が好きな星や光や花たちです。それらが私を本当に行きたい方向へと導いてくれる、道しるべになってくれていることと、動かない星と言われる北極星が、遠い昔から旅人などの道しるべに使われていることの2つの意味合いを掛け合わせて、個展名を『わたしの北極星』と題することにしました」と田村さん。

出典:リビングふくおか・北九州Web

どんな作品を作っているのか

「大本としては刺繍の作品を作っていて、刺繍したものを飾ってもらうことが作品のベースになっています。ですが、刺繍自体が平面での表現なので、それだけでは表現に限界があると感じ、立体的なワイヤーを使った刺繍やオブジェ、箱を使って中を覗く形の作品を作り、ただ飾って楽しむだけではなく、ワクワクを体感してもらえるような視点の作品を作っています」と田村さん。 タイミングによってはアクセサリーを作ったり、写真を生かしてカレンダーなどのペーパーアイテムを作ったりもしているそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

刺繍作品 上段「彼岸花」下段左から「月と太陽」 「たんぽぽ」

出典:リビングふくおか・北九州Web

箱を使った作品「夜空を見上げる時間」

出典:リビングふくおか・北九州Web

箱を使った作品「太陽と過ごす部屋」

田村さんが作品作りを始めたきっかけ

幼い頃からお母さんに連れられ、子でもできる刺繍やモノづくりなどのワークショップに沢山参加し、アートに触れる機会が多かった田村さん。 高校生の頃には「自分が欲しい物が世の中に売っていない。なら自分で作ってしまおう!」と、マニキュアを使って鞄に絵を描いたり、端切れでマスコットを作ったりするなど、自分で自由に何かを作る事が好きだったそうです。 当時、まだ自宅店舗だった「Clover」(現在のBotanical Clover)にお母さんと来店していて、いつか雑貨屋さんを開きたいと思い、普通高校卒業後商業系の専門学校に通って経営を学んでいたそうですが、「自分には経営は向いていない」と感じ、卒業後は自分が好きだった雑貨屋さんに就職しましたが、思っていた環境と大きく異なり退職。 その後いくつか職を変えながら働き、パン屋さんで働いているときにセンスを認めてもらえ、メニュー表を作る機会をもらい、「こういう形で誰かの役に立てるんだ」と思えたそう。

その頃、知り合いが住んでいたことから福津市に通うようになり、生活や自分の心地よさを重視しながら好きなことを仕事にして働いている人たちに出会い、田村さん自身も楽しさを感じ、福津市で一人暮らしを開始。 しかし務めていた飲食店で無理な働き方をして体調を壊してしまい、「自分に合った、自分を大切にできる働き方を探そう」と思うようになったのだとか。

その後の職場では環境にも恵まれ、自分のペースで調子を見ながら生活を送れるように。 しばらくして、「自分が本当にやりたいことってなんだろう」とふと考えた時、「フランスに行きたい!」と思った田村さん。当時の職場のお客さんだったフランス人と日本人の夫婦にだめもとで「フランス語を教えて欲しい」と頼み、週に1回のレッスンを2年続け、「フランス語を話すためにフランスに行きたい!」「20代の頃から、フランスに行きたいと思っていて、このまま30歳を超えても行く準備もせずに、ただ夢だけ描いているのは自分で自分を許せない」と思い、2018年2月、29歳の時ワーキングホリデーで一年間フランス留学に行くことを決心。

フランスでは日本との働き方の違いや、人生における仕事へのスタンスにギャップを感じたことや、フランスで働いていたお店でも過労で体調を壊してしまったことから、「根本的な働き方を変えないとずっと繰り返してしまう」と思い、自分を大切にするために、きついと感じたことや、無理があることは言うようになったそうです。

フランスでの留学中、日本にいる時から好きだった、海外の刺繍作家さんのワークショップに参加。その方たちが広めていたのは、「自分を癒すために刺繍をする」というコンセプトで、今の自分に必要だなと感じてから2019年2月に帰国し、「Botanical Clover」の宮﨑さんと再会。当時、時々友人のブライダル用のアクセサリーを作ったりしていた田村さんに「うちのお店に作品を置いてみない?」と話が進み、その流れで、店番に入ったり、作った作品を展示販売するようになったのだとか。

出典:リビングふくおか・北九州Web

左から「金刺繍の蝶」「揺れる花びら」

そんな中、田村さんのお父さんが介護が必要となり、お母さんと介護をしていたところ、コロナ禍に入院することになり、満足に面会できないままお別れをすることに。 「心にぽっかり穴が開いたような気持になりつつも、父が時間をくれたように感じた」と田村さん。 そして、「今私は何がしたいだろう?」と思った時にフランスの人達の働き方や、好きなことをして生きていた人たちを思い出し、「自分もあんな風に生きれたらいいな」と感じたことや、「人っていつ死ぬか分からない」と思ったら、「今やりたいことやらないで、いつやるんだろう」という思いに駆られ、そこから物作りを本格的に始めたのだそうです。

「アクセサリー以外にも、自分の思いを表現する作品を作りたい」「私が溶けたい世界観を作りたい」という思いが強くなり、2021年から「Botanical Clover」の2階を借りて、展示販売を始めたとのこと。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「雨夜の星月」

空間を作り、展示するようになった一番最初は、お父さんに対して、出来ることは全部やったと思えていた半面、コロナ禍でできることが限られていたり、後悔もあったため、お父さんへの想いの昇華という意味合いも強かったのだそうです。

これからについて

「今は狭い範囲でしか展示が出来てないので、理想を言えば他県とかで個展をしていけたらいいなと思っています。ここにいる人だけではなく、別の地域にいる人達にも、見てもらう機会を設けられたり、自分の生活している範囲を出て、そこで得られる物を吸収していけたらいいなと思っています。」と田村さん。

出典:リビングふくおか・北九州Web

透明写真

出典:リビングふくおか・北九州Web

箱を使った作品「今夜も月とおしゃべり」

読者に一言

皆さん「すごい感性ですね」とかって私の感覚を褒めてくださるのですが、私の作っている物は実際に存在している物を頭の中で変換して作っているので、私の作品を見て「綺麗だな」と思ってくださるなら、その人の中にも気づいていないだけで、同じ感覚や感性があるんです。私に「凄いね」って思ってくださるなら、「あなたも凄いね」って思うんです。 私は、綺麗なものを綺麗だと思えることはとても尊いことだと思っていて、時間に追われて気づけない時や、余裕がなくて見失うこともあると思うんですが、その人の中にその感性はちゃんと存在しているから、それを大事にしてほしいなと思います。

作品や美術品を見ることって、自分の中にあるものと向き合うことだと思います。なので私の作品を見て「綺麗だな」「感動する」って思った時は、その人にそう思った「思い出」や「思い入れ」、「記憶」や「経験」があるんだと思うんです。そんな「記憶」やその人の「良さ」に出会えるきっかけに私の作品がなったらいいなと思います。

以上、田村さんからコメントを頂きました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

田村さんの経験や想い、願いが込められた作品たち。 穏やかで、それでいて胸が躍る世界観は、懐かしい記憶に包み込まれるようなぬくもりと、空気が透き通るような透明感が共存しているように感じました。 忘れてしまいがちな輝きを掬い出し、気づかせてくれる。そんな作品がたくさん展示されています。 現在、田村さんの作品を見られるのはここだけです。 レンズ越しでは伝わり切れない魅力が盛りだくさんなので、ぜひ自分の目で見に、田村さんが作り出す世界に会いに行ってくださいね。

個展 「私の北極星」
2025年6月10日(火)~6月27日(金)
11:00~18:00(水・木休み)
刺繍、言葉、オブジェ、ペーパーアイテムなど
開催場所「Botanical Clover」
〒816-0921
福岡県大野城市御笠川6丁目3-5(大宰府IC近く)
Tel.090-2587ー0968 駐車場/No.14、15、16
アンティークショップ2階の小部屋『屋根裏の展示室』にて。
入り口はいってすぐ右の階段よりお上がりください。
URL:https://www.instagram.com/_.7etoiles._/?hl=ja

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