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小松未可子さんが選んだ一冊は、全ての絵が刺繍でつむがれる絵本。「ケーキが99個並ぶページは本当に圧巻」【インタビュー】

  • 2026.2.20

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年3月号からの転載です。

おすすめの本を手にしながら、「もし私が子どもの頃にこの作品に出合っていたら、また別の感動があったかも」と小松さんは声を弾ませる。

「3つの短い物語がセットになった絵本なんです。小さな女の子とケーキ屋さん、それにサンタさんが主人公になっていて、3人のお話が繋がっている。こうした連作の絵本に触れたのは初めてでしたので、とても新鮮でした。しかも、よく見るとイラストではなく、全部が刺繍なんです。ケーキが99個並ぶページは本当に圧巻で! 糸で描かれているからこその温かみや優しさを感じました」

クリスマス・イブの出来事をそれぞれの視点で綴った3作。その一冊である『サンタさんのいちにち』の書き出しの言葉には衝撃を受けたそう。

「サンタさんが一年ぶりに目を覚ましたと書いてあるんです。サンタってクリスマスの翌日からずっと寝てるんだ!? と驚いて。その発想はなかったので悔しさも感じました(笑)。でも、こうした思いもよらない設定も絵本の魅力の一つで。うちの子どももまだ文字があまり読めないので、きっと一人で読んでる時は想像力を膨らませ、いろんな解釈で物語を楽しんでいるはず。その姿を見ていると私も幸せな気持ちになれます」

現在、『呪術廻戦』のTVアニメ第3期が放送中。本作で、小松さんは主人公の虎杖悠仁とともに呪術高専に通う禪院真希を演じている。

「先日放送の51話は、真希だけでなく、私にとっても覚悟を持って臨まなければいけないエピソードでした。真希は呪術師の中で凶兆とされる双子として生まれ、両親や親族からも忌み嫌われるという呪縛を抱えて生きてきました。妹の真依はその因習から逃げ出したいと思い、真希は真依を守りながらも、禪院家すべてを壊すことだけを考えていた。その思いが成就したけれど、多くのものを失ったのも事実で。51話の最後に『……後 頼む』とひと言だけ残して去った真希の感情はどのようなものだったのか、今でも考えたりします」

2人に付けられた名が示すように、「真依は真希に〈依存〉し、真希は負の連鎖を断ち切る〈希望〉を最後まで捨てなかった」と小松さん。また、「この作品は、どの登場人物も自身の呪縛と闘う物語でもある」とも。

「今後はその一つ一つが解消されていく。そこには私たちが抱える普遍的な悩みや問題に通ずるものも多く、共感できる要素がたくさんありますので、ぜひ視聴者の皆さんも一緒に闘ってもらえたらと思います」

取材・文:倉田モトキ 写真:干川 修

ヘアメイク:鈴木弘子

こまつ・みかこ●1988年、三重県生まれ。声優。主な出演作にアニメ『モーレツ宇宙海賊』(加藤茉莉香役)、『スター☆トゥインクルプリキュア』(キュアセレーネ/香久矢まどか役)、『CITY THE ANIMATION』(南雲美鳥役)、『キャッツ♥アイ』(来生瞳役)、『科学×冒険サバイバル!』(ダイヤ役)など。

『クリスマス・イブのおはなし』

(長尾玲子/福音館書店) 1980円(税込)

登場人物から街の様子など、全編を刺繍で綴った心温まる絵本。小さな女の子がクリスマス・ケーキを買いに行く『あっちゃんとゆびにんぎょう』のほか、『100こめのクリスマス・ケーキ』『サンタさんのいちにち』の3冊がセットに。それぞれの物語が少しずつリンクし、どれから読んでも楽しめる内容になっている。

TVアニメ『呪術廻戦』「死滅回游 前編」

原作:芥見下々『呪術廻戦』(集英社ジャンプC刊)

監督:御所園翔太 シリーズ構成・脚本:瀬古浩司 出演:榎木淳弥、内田雄馬、小松未可子、関 智一、緒方恵美ほか 毎週木曜深夜0時26分〜 MBS/TBS系にて放送中

●人間の負の感情から発生する「呪い」と呪術師たちとの闘いが激化し、大規模な呪い合い「渋谷事変」が勃発。術師・羂索(けんじゃく)により呪霊が蔓延る魔窟と化した全国10の結界(コロニー)。戦いは、呪術を持つ者達による殺し合い「死滅回游」へ。

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

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