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その恋、危険かも? 良好な恋愛関係を築くために見逃したくない12のサイン

  • 2025.6.6

恋愛における“危険信号”とは?

Dry rose.

今思えば、兆候はあったという。「まず、私の友人に対して何だか失礼でした」と言うジェス。「あとは、気を悪くするたびにだんまりを決め込んでいました」

それでもジェスが自分の直感に従うべきだったと気づいたのは、彼と別れてからだった。「苦難の多い幼少期を過ごしたせいだとか、ストレスが溜まっているからだとか、何かと理由をつけて彼の問題行動に目をつぶっていました。危険信号は確かにありましたが、あの頃はすべてがバラ色だったので、認めたくなかったんです」

そこが危険信号(または“赤信号”)の厄介なところだ。その場では簡単に受け流すことができても、後になってからその異常性に気づく。“盲目”になりがちな恋の魔法から覚めた後には、はっきりわかるのだ。

というのも、災害や事故の危険をわかりやすい形で知らせてくれる赤色旗や赤色灯と違い、恋愛の危険信号は、一見しただけではわからないことが多い。「すべての危険信号が過激な言動や行動として現れるわけではないのです」とマリッジ・ファミリーセラピストのクラウディア・ジョリッティ=ライトは言う。「健全な関係の基盤となるものを、静かに侵していくこともあります」

もちろん主観的なものではある。「恋愛に求めるものも価値観も人によって違うため、何を危険信号とみなすかは人それぞれです」と出会い系アプリAfterの共同創業者である、恋愛コーチのケイティ・ディサナヤケは説明する。臨床心理学者のアダム・ホーヴァスも同意見で、何を危険信号とするかはその人その人の価値観によるという。「『生理的に無理』と感じるときのように、本能的なレベルで嫌悪感を覚え、拒絶反応が出ることはありません」と付け加えた。

とはいえ、恋愛関係における危険信号には基本的にいくつかの共通点があり、そのどれもが相性の悪さや、相手に健全な関係を築ける長期的なパートナーとしての素質がない可能性を示している。また、より根深い問題が潜んでいることが多く、最悪の場合、相手を支配する行動や軽蔑する態度、マインドコントロール、さらには暴言や暴力として現れる。そしてディサナヤケ曰く、恋愛における危険信号は信頼と安心感を損ない、相手を萎縮させたり不安にさせたりするとのこと。

危険信号の見抜き方

残念ながら、危険信号と言えるものはなかなか現れないことがある。何といっても誰かを本当の意味で知るためには時間がかかる上、人にはそれぞれの事情や独特の個性、欠点がある。ましてや知り合って間もないころや付き合いたてのころなどは、相手に好印象を与えようと素の自分を抑えていることが多い。

そこで登場するのが “黄色信号”たるものだ。「黄色信号とは相手に対して抱く小さな違和感のことです。しかし、建設的な話し合いを通して解決することもあります」とディサナヤケは説明。言わば警告色のようなもので、赤が“危険”を意味するのであれば、黄色はその前段階の“要注意”を意味する。つまり、相手が気になる言動や行動をとったからといって、直ちに距離を置く必要はなく、もうしばらく日頃の立ち振る舞いなどを観察して、別れるべきかどうかを決めてもいいというサインだ。

たとえば、遅刻常習犯やメールの返信が遅い人。気にはなるが、それが忙しさゆえのことなのか、もともと自己中心的で、人を待たせることに対して何の罪悪感も抱かないからなのかは、ある程度付き合ってみてからでないとわからない。

また黄色信号の出現は、良好な関係を築くのに欠かせないコミュニケーションを図る絶好の機会となる。「パートナーが相手からの意見を積極的に受け入れ、自分を変えようとする姿勢を見せてくれるのであれば、問題視している言動や行動をあまり深刻に受け止める必要はないかもしれません」とジョリッティ=ライトは言う。「しかし、相手がムキになったり、気にし過ぎだと言い張ったり、ダメなところを直そうとしない場合、それは黄色ではなく赤信号です」

これがあったら危険。注意すべき12のサイン

Dry rose.

危険信号に当てはまる言動や行動は、繰り返される傾向がある。「『これ以上深い入りすると危険』だということを示すサインで、話し合ってもしばしばエスカレートしていきます。根本的な性格の問題や深く根付いた心理パターンに起因することが多いため、すぐ簡単に改善されるようなことはほとんどありません。このような場合は、相手が態度を改めるのを期待するよりも、自分自身の心身の健康を第一に考え、相手と距離を置くべきです」とディサナヤケは説明する。「自分の直感を信じることが大事です。相手と一緒にいるのがいつも苦痛に感じるのには、何かしらの理由があります」。そう続けたディサナヤケをはじめとする8人の心のプロが考える、恋愛における12の主な危険信号とは。

1. 責任感がない

ディサナヤケによれば、相手が責任感のある人かどうかを見極めるためには、元パートナーについて話すときの口調や言葉選びなどに特に注目するといいという。「相手のことを終始中傷しているのであれば、責任を負うことを避けるタイプだということを示しています。健全な人間関係を築くためには、ある程度人として成熟していなければなりません。自分の非を認めないようなパートナーとは、ともに成長することはかなり難しいです」とジョリッティ=ライトは指摘する。自分の行動に対して責任を取ろうとしない、人のせいにする、相手の気持ちを考えないのは、すべて責任感が欠如しているサインだ。

2. 対立を避ける、または感情的になる

責任感がない人と同様に、衝突を避けたり、対立をうまく解消できない人とは、長い目で見ると健全なパートナーシップを築くことはできない。他人と付き合っていく上で、意見の相違、誤解、コミュニケーション上の行き違いといった衝突は避けられない。「(衝突するのは)普通のことです」とマリッジ・ファミリーセラピストのリアナ・ストッカードは説明する。「そのような状況に陥ったときに、相手がどのように対処するかが鍵となってきます。もしパートナーがあなたを侮辱、罵倒、怒鳴りつけ、さらには暴力を振るうことや、あなたをそこにいないものとして扱うことに抵抗を感じていないのであれば、それは危険信号です」

すべてが順風満帆に進んでいる付き合いたての段階では、意見が対立したときなどに、相手がどのような行動をとるかを見極めるのは難しい。そこでストッカードはできるだけ早く、そのときに備えて大まかにでも話し合うことを勧めている。「過去にどのように対処してきたか、あるいはカップルとしてどうぶつかりあっていきたいかを伝えるように」と彼女は言う。

3. 周りの人に対して失礼な態度をとる

人の性格というものは家族、友人、同僚、そして他人との接し方に現れる。「もし相手が無愛想で、無礼で、周りの人を批判してばかりいるなら、いずれあなたに対してもそういう態度で接してくるでしょう」とディサナヤケは警告する。ショップやカフェなどの店員への態度が悪いのも要注意サインだそうだ。

4. 他人の感情をコントロールしようとする

他人の感情や弱さを利用して、相手の心を巧みに操ろうとすることを一般的に“エモーショナル・マニピュレーション(感情操作)”と呼ぶ。相手に罪悪感を抱かせること、無視すること、過剰な愛情表現を見せること、ガスライティング(相手に自身の記憶や正気を疑うよう仕向ける一種の心理的虐待)、脅迫すること、批判すること、孤立させることもそうだが、相手なしでは何もできないように思わせたり、子ども返りすることもすべて一種のマニピュレーションだ。「常に自分を過小評価したり、相手に気を遣っているように感じたら、それはパートナーとのパワーバランスが崩れているサインです」とジョリッティ=ライトは言う。そしてマニピュレーションは、ナルシシズムのような人格障害を抱えている人によく見られる行動だと付け加えた。

5. 感情がうまくコントロールできない

自分の感情をコントロールする能力は、自分と他者の感情を正しく認識、そして理解し、適切に対応するためには必要不可欠だ。「怒り、悲しみ、罪悪感、恐怖といった感情に呑まれて、物事をはっきりと考えることができなくなっている場合、それは自分の感情をコントロールし、理解する能力が欠如していることを示しています」と、人格障害の専門家である臨床ソーシャルワーカーのアントワネット・ボナフェード・シャインは説明する。つまりは、おそらく自分の気持ちを相手にうまく伝えることができない人なのだ。「もしその人の精神状態が感情に左右されるのであれば、それは本来コントロールすべき感情に振り回されている人だということです」と彼女は続けた。何が引き金となって気分を害することはわからず、常に不安な気持ちにさせられるため、このような人と関わると苦労する。

6. 言動と行動が矛盾している

言葉と行動には一貫性があるべきだ。そこに矛盾が生じると、私たちは相手に対して不安を感じ、健全な関係を築けなくなるとジョリッティ=ライトはいう。「パートナーがもっともなことを言っているのに、言葉の内容と行動が一致していないのであれば、それは注意すべきサインです」

7. 長期的な人間関係が築けない

仕事を転々とし、趣味やパートナー、友人やコミュニティなどをコロコロと変える人は、人と深く関わり合うことや自分の弱い部分を見せること、誰かと一歩踏み込んだ関係を築くことに抵抗を感じている可能性がある。「このような傾向がある人は嫌なことがあると逃げたり、問題解決が苦手だったりします」と言うディサナヤケ。彼女によると、逆に日頃から安定した人間関係を築ける人は良いパートナーになり得る。

8. 衝動的に動く

初めは単に冒険心が強い人のように映るかもしれないが、あまり考えずに即座に行動してしまう人は、実はネガティブな感情をうまく対処できない人なのかもしれない。そのため、衝動買いや浪費、避妊具なしでのセックスといった向こう見ずな行動に走る、とボナフェード・シャインはいう。彼女曰く、このような人は大抵周りから“何をしでかすかわからない人”として見られ、相手に危害を加えるリスクもあるのだそう。

9. すぐに身構える

相手の意見や他人からの評価を受け入れることができない人は、誰かと対立したとき、その状況にうまく対応することができない。そのため、長期的な人間関係を維持することもできないという。「そういう人は子どもの頃に過度に批判され、パートナー間の問題をどうすればうまく解決できるのか教わることがなかったのかもしれません」と語るのは、臨床ソーシャルワーカーの資格を持つデブ・カスタルド医師。さらに「そんなことはしたことがない」「なんで自分が変わらなければいけないのか」「間違っているのはあなたの方だ」といった、相手を否定して、自分の正当性を保とうとしたセリフや言い訳が口論の際に出てきたら注意するよう勧めている。

10. 相手のことを否定する

大抵の場合、それは小さなことから始まる。相手の言動や行動に傷ついたと伝えると、「大げさだ」と一蹴される。そもそも思い違いだと言われれば、なおのことタチが悪い。このようにして、パートナーを否定することが徐々に常習化されていくのだ。「『もしかすると、自分が神経質すぎるのかもしれない』『記憶違いだったのかもしれない』と自分自身を疑い始めるのです」とマリッジ・ファミリーセラピストのエヴォン・イニャンは言う。「これはコミュニケーション上の行き違いなどではなく、ガスライティングです。誰かがあなたのことを思っているのなら、あなたの気持ちを否定しようとはしません。耳を傾け、心から理解しようとするでしょう」

11. 嫉妬深い、または知り合って間もない段階から嫉妬する

嫉妬は人間関係を破滅させる行為であり、一種の心理操作だ。「最初は相手を守りたいという欲求の現れだったりしますが、支配欲を伴っていることが多いです」とボナフェード・シャインは説明する。「嫉妬心というのは相手への不信感、自分の思い通りにならないことへの不満、自己肯定感や自尊心の低さといった根深い問題から来ています。 よくパートナーが外出するのを阻止するために口論を仕掛けたり、公共の場で喧嘩を吹っかけたりするのはそのためです」

さらに大半の場合、嫉妬深い人の行動は時間が経つにつれてエスカレートし、相手を孤立させるなどして、相手の感情を支配しようする。そしてディサナヤケ曰く、良いパートナーとはその逆。自分以外の人との交友関係やそれぞれの趣味を持つことを大切にする人だと考える。

12. お酒を飲まずにはいられない

カクテルを1杯か2杯、ワインを1杯嗜む程度ならまだしも、毎日のようにお酒を短時間で大量に飲む人には要注意だ。「感情をコントロールしたり、ストレスを解消するためにアルコールを過剰に摂取することは隠し事や嘘につながり、深い関係を築くのが難しくなります」と、アルコールと薬物依存症を専門にするカウンセラーのウィル・バースは指摘する。「お互いを信頼できる、安定した関係を築くのを妨げるのです」

気になることがひとつでもあったら、まずは相手に伝えてみる

Dry rose.

危険信号がひとつでも見られたら、後からいろいろと不安要素が出てくる可能性が大いにあるため、深刻に受け止めるべきだ。「危険信号は、その人の性格の表れです」とジョリッティ=ライトは言う。「すぐに何かと理由をつけて、相手の気になる行動に目をつぶるのはよくないです。ほとんどの危険信号は無視すれば消えるものではないですし、見逃していると、後々痛い目にあうことが多いです」

その代わり、ジョリッティ=ライトは気になる点をオープンに伝え、相手の反応を観察することを勧める。聞く耳を持たなかったり、ムキになったりする人もいれば、相手の言い分にしっかりと耳を傾け、反省し、自分を変えようとする人もいるだろう。そしてジョリッティ=ライト曰く、相手の反応次第で、健全なパートナーシップを築けるかどうかがわかる。

要注意人物でも、努力次第で変わることはできる?

相手に気になる点があったとしても改善の余地はあるが、相手がどこまで変われるかは、その問題視すべき言動や行動の性質や深刻さによる。「無害に思える行動も、警戒すべき行動も、すべてひとつながりなんです。その人に染みついた行動パターンであることもありますし、単に経験不足や自覚のなさによるものかもしれません」とディサナヤケは言う。

後者の場合は改善の見込みはあるが、結局のところ、大抵の人は変わりたいと思ったときにだけ変わるものであり、そのためにはまず自分の何がいけないのか、なぜ変わる必要があるのかを深く理解しなければならない。そして変わるためには「責任転嫁をせずに、自分の欠点としっかり向き合い、具体的な行動を通して積極的に変わろうとする」ことが大切だとディサナヤケは続けた。

さらに、相手を支配または軽蔑する、暴言を吐く、暴力を振るうといった傾向が見られる場合は、人格障害の兆候である可能性があり、改善される見込みはないに等しい。「他人を変えることはできません」とジョリッティ=ライトは言い切る。「パートナーの人としての成長をサポートすることはできますが、パートナー自身が自分から変わろうとしなければなりません。結局のところ、健全な恋愛とは安心感を覚えられる、お互いに支え合い、成長し合える関係を築くことなのです。もし常に不安を感じ、心をすり減らし、自分の存在価値を疑っているようなら、それは一歩下がってその関係を見直すべきサインなのです」

Text: Christina Pérez Adaptation: Anzu Kawano

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