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【健康常識のウソ】「活性酸素は体に悪い!」その思い込み、実は間違っているかも!?【南雲吉則先生の「その健康常識、実は間違っています!」】

  • 2025.6.4

「これって健康にいいはず」と思い込んでいることも、実は効果がなかったり、やり方によっては逆効果になってしまったりすることも。皆さんがいいと思っていた健康常識のウソを、南雲吉則先生がズバッと解説してくれます!
 
今回は、「活性酸素は体に悪い」についてのウソを教えていただきました。

  • A子さん
    活性酸素は老化やがんの原因になる怖いもの! 体の中にないほうがいいんですよね?
  • 南雲吉則先生
    いいえ、それ実は間違っています!

活性酸素は本来、免疫力を高めてくれる体にとって必要なもの!

―そもそも活性酸素とはどのようなものなのでしょうか?

みなさん、活性酸素という言葉をよく耳にすると思います。体に悪影響を及ぼす怖いものというイメージがありますが、実際に見たことがあるわけではないので、どういうものか理解するのがなかなか難しいですよね。 人が食事として体内に取り入れたものは99%がエネルギーに変わりますが、そのうちの1%が活性酸素になります。たった1%ですがこれらは心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化、がん、老化など、体にさまざまな悪影響を引き起こす要因となる可能性があります。

―それなら、ないほうがいいんですか?

そんなことはありません。活性酸素がなぜ体内で作られるかというと、免疫力を高めて外敵をやっつけるため。ほとんどの活性酸素はよい働きをする、私たちの体に不可欠なものです。しかし、必要以上に活性酸素が発生すると過剰分が悪玉になってしまい、それが私たちの体を攻撃します。 例えば免疫力は人間にとって必要ですが、過剰になると自己免疫疾患やアレルギーを引き起こしてしまいます。活性酸素も同じことで、過剰になればなるほど悪玉も増えてしまうのです。

悪い生活習慣で悪玉の活性酸素が増えてしまう!

―なぜ活性酸素が過剰になってしまうのでしょうか?

喫煙、過剰な飲酒、肥満、運動不足、夜ふかし、糖質の過剰摂取など悪い生活習慣が原因のひとつとして考えられます。このような習慣があると、私たちの体を傷つける外敵を倒そうとして活性酸素が過剰に増えてしまいます。 このときに注意したいのは、運動不足と同じくらい過激な運動も悪玉を増やす原因になるということ。人間の体は運動時に酸素といっしょに脂肪を燃焼するため、激しい運動をすることでたくさんの活性酸素が発生します。

―悪玉の活性酸素から体を守るために、できることはありますか?

悪玉の活性酸素は抗酸化物質と出合うことで中和されます。ビタミンACE、ポリフェノール、βカロテンなどが代表的なものです。これらは体によさそうなイメージがあり、サプリからとろうとされている方も多いのではないでしょうか。

―健康にもお肌にもよさそうで、サプリをあれこれ飲んでいます。

そうですよね。でも前回お話したように、サプリはたくさんとればとるほど健康になるわけではなく、その人の状況によっては寿命を縮めてしまう可能性もあるので注意が必要です。食材から栄養素をとる分には、特定の栄養素が過剰になるほど食べられませんし、あまり害はないと考えていいと思います。

新鮮な果物や野菜をたっぷりとって生活習慣に気をつけましょう

―サプリに頼りすぎず、毎日の食事で抗酸化物質をとるよう意識することが大事なんですね!

そうですね。自然界の食べ物、例えばフルーツは紫外線などから身を守るために、フルーツ自身が抗酸化物質を持っています。つまり、体内の酸化された物質を元に戻す力を持っているのです。これは野菜も同様です。これらをバランスよく食べるよう意識しましょう。野菜や果物を食べるときは、できるだけ新鮮なものをたっぷり食べるようにするといいですね。

―ほかにもできることはありますか?

私たちは活性酸素の90%以上を、自分の体で中和する力を持っています。それを維持するためにも、適度な運動、睡眠などの休息、空腹の時間を作ることが大切。活性酸素は食べているときに生まれるので、空腹の時間を作ることも大事なのです。

結論!活性酸素を過剰に発生させない生活を送ることが大切!

  • A子さん
    活性酸素にそこまで怯える必要はないのでしょうか?
  • 南雲吉則先生
    活性酸素自体は私たちの体を守るのに必要なものです。決して怖いだけのものではありません。ただ、過剰に発生してしまうと体に害を及ぼす可能性があるので、過剰発生しない生活習慣を心がけるといいですね。 また、慢性的にビタミン剤に頼るのは活性酸素を増やしてしまうので、注意が必要ですよ。

撮影/山辺恵美子(人物) 文/酒井明子

教えてくれたのは 南雲吉則先生

医学博士、乳腺専門医でナグモクリニック総院長。4つの院で乳がん手術、乳房の美容、再建手術を行う。自ら立ち上げた「命の食事プロジェクト」ではがんから命を救う食事と生活指導を行い、講演にも力を注ぐ。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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