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マスクでも空気清浄機でもない…花粉症ジゴクを和らげる内科医直伝「"免疫の暴走"を止める定番食材5選」

  • 2026.3.3

花粉症対策に何が有効か。『「免疫力が強い人」の習慣、ぜんぶ集めました。』(青春出版社)を監修した内科医の工藤孝文さんは「鍵を握るのは、くしゃみ・鼻水を引き起こす“免疫の暴走”を落ち着かせる食習慣だ」という――。

なぜ、風邪を引かない人がいるのか

感染症には滅多にかからず、たとえ発症してもすぐに治る。花粉症など各種アレルギーのトラブルに縁がない。がん細胞が発生したら、まだ小さなうちに消滅させる。

年に何回もかぜをひく人がいる一方、こういった健康そのものの人もいる。どこが違うのかといえば、体に備わっている免疫力だ。免疫力が強ければ、体内に危険な細菌やウイルス、害をなす異物などが侵入してきても、免疫細胞が迎え撃って処理することができる。

そこで、本書では、強い免疫力をキープする人の暮らし方を徹底的に解剖。免疫細胞を直接刺激する方法や、免疫機能を強化する体温の高め方、腸内環境の整え方、自律神経の操り方、食事や運動の仕方、ストレスをためないコツ、体をいたわるポイントなど、幅広い角度から考察した。

本書に収録した132に及ぶ習慣を心がければ、免疫力を高められるのは間違いない。健康の基本は、免疫力の強さにあり。ぜひ、実践することをおすすめする。とくに本稿では、花粉症対策の食習慣を5つ、紹介しよう。

鼻をかんでいる人
※写真はイメージです
タマネギの皮をスープに加えて煮る

野菜の皮には、栄養が意外なほど詰まっている。このことを理解している人は、ニンジンやカボチャの皮、キャベツの外葉などは捨てずに食べようとする。

では、タマネギを包んでいるペラペラの茶色い皮はどうか。栄養があるとはまったく思えないから、何も考えずに、ゴミ箱にポイッと捨てる人がほとんどだろう。

しかし、タマネギの皮には抗酸化作用の強い成分、ケルセチンが実よりも約30倍多い。ケルセチンがとくに必要なのは、花粉症や鼻炎に悩まされている人。増え過ぎるとアレルギーを起こす白血球の一種、「好酸球」の暴走を抑える働きがあるからだ。

皮はそのままでは食べられないが、捨てるのはもったいないので、工夫して調理してみよう。簡単なのは、好みのスープに加えて煮ること。成分を抽出したら、皮は捨ててスープだけを飲もう。

腸内を整える1日1回のキノコ食

とても低カロリーなヘルシー食材として知られるキノコ類。食物繊維も豊富なので、ダイエットをしている人に好まれている。

とはいえ、栄養の面ではあまり取柄がない……などと思ってはいないだろうか。もちろん、そんなことはなく、なかでも免疫力を強化するにはうってつけ。めったにかぜをひかない人は、毎日のように食べていそうだ。

キノコの有効成分で特筆されるのは、水溶性食物繊維の一種である「β-グルカン」。水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサになり、腸内環境を整えるのが大きな仕事だ。

免疫細胞が多く集まっている腸は、人体最大の免疫器官。腸内環境が良ければ、免疫細胞が元気に働けるので、外敵を撃退するための免疫力が強くなっていく。

「NK細胞」の数を増やして元気を保つ

β-グルカンには、「NK(ナチュラルキラー)細胞」を活性化するという重要な役割もある。NK細胞は、強力な免疫細胞であるリンパ球の一種。全身をパトロールして、体に害のある細菌やウイルスを発見し、闘って退治するのが仕事だ。

体に侵入してきた外敵だけではなく、体の中に生まれたがん細胞も小さなうちに倒してくれる。命にかかわるがんを発症させないためには、NK細胞の数を増やし、元気を保つことが欠かせない。非常に重要な免疫細胞なのだ。

キノコのなかでも、マイタケにとくに多い成分、D-フラクションも免疫力アップに欠かせない。糖とたんぱく質が結合した糖タンパクの一種で、がん細胞を小さなうちに殺し、増殖を防ぐという重要な働きをする。

舞茸
※写真はイメージです

かさの大きなシメジのようなヒラタケも、食卓の常連にしたいキノコ類だ。マクロファージを活性化させるLPSが豊富で、感染症の予防、花粉症の抑制、がんの予防などに効果をあげてくれる。

キノコ類の免疫力を強める力は、長年研究されていて、有効成分ががんの治療薬にも利用されているほど。いろいろなキノコを味噌汁の具や炒め物、ホイル焼きなどにして、毎日、食べるようにしたいものだ。

イカスミで免疫システムを活性化

イカをさばくときには、墨袋を丁寧に取り除くのが肝心。こう信じている人はこれから、イカスミのパスタを好んで食べる人を見習ってみよう。イカスミを使った料理をよく食べると、感染症や花粉症の症状が軽くなるかもしれないからだ。

免疫力を強めると思われるのは「ムコ多糖」といわれる成分。がん細胞を移植したネズミを使った弘前大学の実験では、何もしないと、数週間ですべてが死んでしまった。これに対して、ネズミにイカスミのムコ多糖を注射したところ、数回行った実験で、5匹中3〜4匹は必ず生き残り、再発もしなかった。

ムコ多糖をネズミに注射したのち、マクロファージを調べると、病原菌などの異物を食べる能力が8倍も強くなったという。イカスミに免疫力を強くする働きがあるのは明らか。さばくとき、墨袋を捨てるのはもったいない限りだ。

ミカンの「皮ごとスムージー」で免疫力強化

ビタミンCを大量に摂ると、かぜを予防できる。これはノーベル賞を受賞した米国のライナス・ポーリング博士による半世紀前の主張だ。いまでは、やや言い過ぎという見方もあるが、ビタミンCに高い抗酸化力があり、免疫力を強くするのは確かだ。

ビタミンCが豊富な食べものといえば、すぐに思いつくのがミカン。2〜3個食べるだけで、1日のビタミンCの推奨摂取量に達する。かぜの季節は毎日のように食べて、免疫力を強めるようにしたいものだ。

みかん
※写真はイメージです

早春になったら、よく洗ったミカンを皮ごと使って、ヨーグルトとスムージーにしてみよう。これはミカンの大産地、愛媛県で研究をする愛媛大学の提案。ミカンの皮には、花粉症を予防する有効成分が含まれているのだという。ヨーグルトにも同じような働きがあり、ミカンの皮とのダブル効果で免疫力を一層アップできるそうだ。

レンコンは「免疫の暴走」も抑制する

レンコンをひと言でいえば、食物繊維が多い根菜。こう思ってはいないだろうか。確かに、レンコンには不溶性食物繊維が豊富に含まれている。このため、よく食べる人は便通が良く、腸内環境が良好で、免疫力も強そうだ。

しかし、レンコンの持つ働きはこれだけではない。免疫力を強めたいなら、これ以上ないほど高いレベルの食材なのだ。

まな板の上でカット中のレンコン
※写真はイメージです

近年、注目されているのが、アレルギーに対する効能。ダニのフンや死骸、花粉、ほこりなどが体内に侵入すると、体はこれらを異物とみなして、「IgE抗体」と呼ばれるたんぱく質をつくって排除する。

このIgE抗体が問題。過剰につくり出されると、くしゃみや鼻水といったアレルギーの症状が現れてしまう。いわゆる「免疫の暴走」だ。

このIgE抗体の発生を抑えるように働くのが、レンコンに含まれているタンニンやクロロゲン酸などのポリフェノールだ。

花粉症だけでなくアトピーやぜんそくにも効果大

花粉症の人に対する効き目は強く、レンコンを1日に30〜40g、10日〜2週間ほど食べ続けたら症状がやわらぐという。毎年、春に悩まされている人は、ぜひ試したいと思うのではないか。

工藤孝文(監修)・ホームライフ取材班(編集)『「免疫力が強い人」の習慣、ぜんぶ集めました。』(青春新書プレイブックス)
工藤孝文(監修)・ホームライフ取材班(編集)『「免疫力が強い人」の習慣、ぜんぶ集めました。』(青春新書プレイブックス)

こうしたポリフェノールの働きは、花粉症だけではなく、アトピーやぜんそくの人にも効き目がある。

レンコンに含まれているたんぱく質の一種、レクチンの効果も見逃せない。体内に侵入してきた異物をマクロファージが発見しやすいように働きかけて、免疫力を高めるという高度なテクニックを持っている。

また、レクチンにはがん細胞に作用して、増殖を抑える能力もある。

地中に根を長く伸ばす根菜類であることから、土壌の細菌に由来するLPSも豊富。その作用によって、マクロファージを活性化して、一層、免疫力をアップしてくれる。

ポリフェノールやLPSは皮のすぐ近くに多い。皮ごと食べるか、皮をできるだけ薄くむいて使うようにしよう。

工藤 孝文(くどう・たかふみ)
内科医
工藤内科院長。福岡県みやま市の同医院で地域医療を行う。糖尿病内科、ダイエット外来、漢方医療を専門として、テレビや雑誌などでも活躍。著書に『痩せグセの法則』(枻出版社)ほか多数。

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