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大人が意外とわからない算数「3の倍数はどれ?」《12345、23456、34567》

  • 2025.6.20
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「倍数」は小学校で習う内容ですが、算数や数学を学ぶ上でとても重要な考え方のひとつです。

たとえば、ある数が何の倍数かが分かると、素因数分解がぐっと楽になります。

1桁や2桁の数なら直感的に判断できても、桁が大きくなると途端に難しく感じることもありますよね。

そこで今回は、3の倍数を簡単に見分ける方法をご紹介します。

問題

次の中から3の倍数を見つけなさい。
A. 12345
B. 23456
C. 34567

すべて5桁の数字です。地道にひとつずつ3で割っていけば正解できますが、ちょっと大変です。
もっと簡単に判別する方法があるのでしょうか?

答え

今回の正解は「A.12345」です。
(12345÷3=4115と割り切れます)

解説

実は、3の倍数かどうかは、各桁の数字を足すだけで判別可能です。

これを「3の倍数の判定法」といいます。

3の倍数の判定法
各桁の数字の和が3の倍数であれば、その数自体も3の倍数である

このルールをもとに、実際に判定してみましょう。

A.12345
1+2+3+4+5=15
→ 15は3の倍数なので、12345も3の倍数

B.23456
2+3+4+5+6=20
→ 20は3の倍数ではないので、23456は違う

C.34567
3+4+5+6+7=25
→ 25も3の倍数ではないので、34567も違う

とてもシンプルな方法で、3の倍数かどうかがすぐに分かりますね。

ちなみに、9の倍数の判定も同じ考え方です。
(各桁の数字の合計が9の倍数なら、その数も9の倍数です)

数学的な証明

少し高度になりますが、この法則が成り立つ理由も確認してみましょう。
ここでは3桁の数を例に説明します。

たとえば、3桁の数を

一の位をa、
十の位をb、
百の位をc、

とした場合、その数は次のように表せます。

a+10b+100c

この式を変形していくと…

a+10b+100c
=a+(b+9b)+(c+99c)
=a+b+c+(9b+99c)
=(a+b+c)+3(3b+33c)

つまり、3(3b+33c)は3で割り切ることができるので、「a+b+c」が3の倍数なら、元の数も3の倍数になることがわかります。

まとめ

倍数の判定方法を知っていると、計算がずっと楽になります。
今回は「3の倍数」の見分け方を紹介しましたが、他にも「4の倍数」「6の倍数」「9の倍数」など、いろいろな判定法があります。

気になる方は、ぜひ調べてみてくださいね。

※本記事でご紹介している解法は一例です。他にも考え方がある場合がありますので、あらかじめご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」