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工夫して10秒で計算してみて!「68×99」→暗算できる?

  • 2025.6.20
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九九を覚えている人なら、一桁同士の掛け算はすぐに計算できるでしょう。

一方で、二桁の掛け算となると暗算は難しいと考えてしまいがちです。

しかし、ある種の掛け算であれば、工夫次第で短い時間の中でも暗算ができるようになりますよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
68×99

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「6732」です。

この問題には頭の中で筆算の式を書くよりも、もっと簡単に答えを導く方法があります。

次の「ポイント」で、どのような工夫をすれば10秒以内に暗算ができるのかを確認してみましょう。

ポイント

暗算のポイントになるのは、「×99を×(100−1)に直すこと」です。

では、さっそくこの工夫を用いて計算をしてみましょう。

68×99
=68×(100−1)
=68×100−68×1
=6800−68

二行目から三行目に進むときに使われているのは、分配法則です。

分配法則とは、「二つの数を足してからある数を掛けること」と「二つの数にある数を掛けてから足すこと」は同じであるという法則です。

<分配法則>
〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■
(▲+■)×〇=▲×〇+■×〇

※分配法則は()の中が引き算でも使えます。
〇×(▲−■)=〇×▲−〇×■
(▲−■)×〇=▲×〇−■×〇

分配法則を使うと、×99という切りの悪い数の掛け算を×100と×1という楽な掛け算二つに分解できます。

×100は、掛けられる数の位を二つ上げるだけなので計算は簡単です。掛けられる数が68のような整数であれば、後ろに00を付けるだけで終わります。×1も掛けられる数がそのまま答えになるので、大変計算が楽ですね。

最後に、6800−68の計算をします。繰り下がりがあって大変に見えるかもしれませんが、次のように考えると比較的計算が楽になります。

6800−68
=6700+100−68
=6700+32←68+32=100を利用
=6732

まず6800から68を引く分として100を分離します(二行目)。68+32=100ですから、68は100に32足りない数、つまり100−68=32だと分かります(三行目)。

あとは、この32と6700を足せば、答えの6732を導くことができます。

まとめ

今回は、99を100−1に変換し、分配法則を使うことで計算を簡単にしました。

分配法則を使うと、一つの掛け算が二つの掛け算に分解できます。計算する部分は増えますが、×99のような切りの悪い掛け算であれば、×100と×1の簡単な掛け算に分解した方が、暗算しやすくなりますよ。

この暗算方法は、切りのよい100や1000にできるだけ近い数を掛けているときに使いやすいです。今回は100より1だけ小さい99だったので、特に計算が楽になりました。

いろいろな問題に挑戦してその問題に最適な暗算の工夫を考えてみましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。