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50代の趣味・習い事を開拓!茶道・社交ダンス・バレエ著名人の趣味ライフをレポート!

  • 2025.5.26

子育てや仕事のピークを越え、自分のための時間が持てる大人世代。ときには、忙しい日常から離れて、趣味の世界へワープしませんか。
大好きな趣味を満喫している、スタイリスト・岡部久仁子さん、漫画家・槇村さとるさん、イラストレータ・丸山裕子さんの趣味の世界を取材しました。

日本文化に夢中!

「五感が研ぎ澄まされ、多幸感に満たされます」

スタイリスト
岡部久仁子さん
雑誌をはじめ、アナウンサーや女優のスタイリストとしても長年活躍。雑誌やイベントなどで、年齢による体形の変化をカバーしつつ、差のつくおしゃれを指南し、人気に。和服の着付け教室も主宰している。

和への関心は年を重ねるごとに深まって

岡部さんが、煎茶道を習い始めたのは30代の頃。
はじめの10年間は仕事を優先したため休みがちで、「本格的に取り組むようになったのは40代から」と当時を振り返ります。
 
「40代が人生の転機でした。30代までは土日も仕事に追われ、プライベートな時間がありませんでした。それで、オンオフを分けて自分の時間をきちんと持とうと決め、着付けを習いはじめたんです。着物をきちんと着られるようになってからは、より煎茶道の世界にハマっていきました」
 
その頃からお稽古日に合わせて着ていく着物を用意するのも楽しみだったと岡部さん。
稽古場の古民家の引戸をガラガラと開けた瞬間から、スイッチが切り替わる気がして、とても心地良かったと、思い起こします。

しかし、8年前に師事していた家元が急逝し、一年ほど、お稽古ができなかった期間があっ
たとか。長年ともにお稽古してきた友と「このままお煎茶から離れてしまうのは淋しいね」と姉弟子に頼んで、教室を開いてもらったといいます。
 
「今の稽古場は電車と車で2時間弱かかる遠方。早朝から髪を結ってお化粧して、着物を着て
となかなか大変ですが、面倒と思ったことはありません。本当に好きじゃないとこんなに続かないでしょうね」

お茶室はまるで異空間。炭がはぜる音、湯が沸く音、お茶を注ぐ音、衣擦れの音を聞き、て
いねいに淹れられたふくよかなお茶が味わえます。
 
「静寂の中に自然な音と気配があり、五感がリセットされる感じがします。甘いものが苦手だった私が今では季節の和菓子をいただくのが楽しみに。私にとって、欠かせない時間ですね」

売茶(ばいさりゅう)流煎茶道のお道具

煎茶道の「松風棚」のお手前。炭出前のときは涼炉にお香を焚き、ほのかな香りが広がります。

季節に合わせた掛け軸と花を飾った床の間。

小さく可愛らしい煎茶道で使う茶器。
季節ごとに柄を選び、この日に使ったお茶碗は「宝相華」という唐草文様の一種。

煩雑な日常から心を集中させてくれる”異空間”へ

扱う器はとても繊細なため帯留めや指輪などはつけないのが礼儀。

岡部さんの着物はムガシルク、帯は牡丹の染め名古屋帯。季節に合わせた装い。

社交ダンスに夢中!

「ふたりで踊るからこそ生まれるドラマが好き」

漫画家
槇村さとるさん
1973年に別冊マーガレットにてデビュー以来、代表作に『愛のアランフェス』『白のファルーカ』『おいしい関係』など多数。現在は、『ココハナ』(集英社)で『ダンシング・ゼネレーションSenior』を連載中。

憧れの華やかな世界を”ずうずうしく”楽しむ

長年、漫画家として第一線で走り続けている槇村さん。実は50代、心身の不調が続いていたといいます。ようやく回復してきた頃に出合ったのが、社交ダンス。知人の発表会を見て
 
「なんだ、これは!って(笑)。でも70代、80代の方が笑顔でとにかく楽しそうだなと」
 
ひとりで踊るのは自信がないけれど、これなら踊れそうと思った槇村さんは、すぐにダンススタジオへ。約10年前から始め、今は週3回のレッスンを受けているといいます。
 
「姿勢がよくなって、体力もつきました。体のラインも変わりましたね」

槇村さんがハマっているのが”アマデモ”。テーマや主人公の設定を決めて、師事する宮嶋秀
行先生と作品を作り、ダンスパーティで披露します。今年で10年目、長く続く理由は?
 
「ふたりで踊る難しさが魅力。相手に頼りきりは嫌だし、自分勝手だとバラバラになっちゃう。ほどよいところを調整する修行ですね。あとは、ずうずうしく楽しむことかな。年をとるとへこむ要素ばかりだけど〝本当にそうかな?〟って考えるんですよ。スタイル抜群のダンサーに比べたら私はクマみたいだけど、クマはクマでかわいいじゃない?って(笑)」

ダンス用シューズは、何足目かわからないほど、はきつぶしているそう。

『ココハナ』の新連載『ダンシング・ゼネレーションSenior』のワンカット。
主人公は「女性ホルモンはゼロに近い」と宣告された50代の編集者。
憧れの作家のダンスの発表会をきっかけに、社交ダンスの世界へと踏み出します!

1時間のレッスン中は、ほぼ動きっぱなしで、汗もたっぷりかくそう。好きな種目はタンゴ。
「女性は後退する動きが多いので、ふだん使わない筋肉を使いますね」

撮影協力/ミヤジマヒデユキダンススクール 西永福

バレエに夢中!

「呼び覚まされる身体感覚の変化の虜に」

イラストレーター
丸山裕子さん
京都市出身。大人バレリーナの日常を綴るコラム『カレイなる大人バレエの世界』(幻冬舎plus)の連載や、バレエチャンネル『【マニアックすぎる】パリ・オペラ座ヒストリー』のイラストを担当。

音を感じて呼吸を合わせ骨と筋肉を意識する

ゼロからバレエを始めて約15年。その経験と知識を活かし、バレエ関連の挿絵も多く手がけている丸山さん。きっかけは40歳前後から悩まされていた〝めまい〟でした。大学病院で検査するも異常なし。
 
ただ『運動不足』との指摘があったとか。運動不足でバレエとは、ハードルが高そうですが……。

「そのころ家の近くに、今も所属しているバレエスタジオがオープン。友だちに誘われて、最初は軽い気持ちで体験レッスンに参加したのですが、日常生活では意識できない関節や筋肉の動き、自分の身体の動かし方がわかってくるのがおもしろくて、気がつけば週3ペースで通っていました」
 
ライフステージの変化もあり、現在レッスンの回数は減っているそうですが
 
「いつでも復帰できるように、毎朝、1時間程度のストレッチと筋トレは欠かしません。〝バレエ愛〟は、歳を重ねるごとに増している気がします」

「できないことがあって当然。だけど年齢を理由に上達をあきらめない指導をしてくださる先生との出会いが、長く続けてこられた理由かも」と丸山さん。

2年目からは憧れのポワントレッスンも。トゥシューズを履く姿が美しい。

ご友人の発表会用に手作りした髪飾り。

イラストを担当したバレエ関連の書籍。
脚の向きや筋肉の描写など、経験者だからこそ表現できることも多いとか。


撮影/Daisuke Araki、Shoko Matsuhash、Kenichiro Yamaguchi、Yumi Furuya〔sorane〕、Nao Mioki
文/Mizuki Sakaguchi、Aya Teramoto、Shiho Fujiwara
 
大人のおしゃれ手帖2025年5月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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