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親への恩返し小さな事こそ意味がある!今すぐできて継続できる28選

  • 2025.5.20

老いてきた親のこと。気になるけれど、目の前のことに追われつい後回しに……。
あとで後悔しないためにも、今すぐできる「小さな恩返し」で寄り添って。

教えてくれたのは・・
田中克典さん
株式会社スタートライン所属の現役ケアマネージャー。日本福祉教育専門学校卒業後、福祉系の出版社を経て、国内外の介護施設、福祉施設で現場経験を積む。2000年よりケアマネージャーとしてこれまでに約500 人の高齢者を担当。主な著書に『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社)、『「親の介護」は猫にたとえちゃえばいい』(日本実業出版社)など。

詳しく知りたい方はチェック!

理想より現実。 今すぐできることが本当の恩返し

離れて暮らす親が気になるけれど、忙しさに流されてついそのままに……というのは大人世代によくあることです。
 
同居の場合は、近すぎて親の老いに気付けなかったり、関心が薄くなってしまったり。
そんな自分に負い目を感じて「親孝行しなきゃ」と思うけれど、今度は考えすぎて動けない。
 
「親が亡くなってから、もっと◯◯してあげればよかった、と後悔する声を本当によく耳にします。思い立ったらすぐに実行しましょう」と話すのは、長年介護の現場に身を置いてきた田中克典さん。
 
すぐに実行する秘訣は「理想よりも現実」と考えること。
 
たとえば、ハワイ旅行に連れて行く、といった時間もお金も掛かるような計画はハードルが上がりますが、近場の日帰り温泉に行く、人気のレストランで食事する、といったことならすぐにできそうです。
 
さらにささやかだけれど、親にとってはとても嬉しく、十分恩返しになることもあるそうです。
 
「これまでの感謝の気持ちを伝える、というだけでも恩返し。また1度で終わり、というものでもなく普段から小さな心遣いを積み重ねることが、結果的には親子の幸せな晩年につながると思います」
 
お互い負担にならず、すぐできて続けられることが肝心。できることから今すぐ始めてみましょう。

親も自分も幸せになる恩返しのポイントとは?

顔を見て初めてわかることがある。
「会う」ことを大切に
痩せた、腰が曲がった、などの変化や、家の中で必要な手助けには、会って初めて気づくもの。親の世代は、電話ではなく直接会って話したいことだってあるはず。毎日のように電話やSNSで連絡を取り合っているとしても、できるだけ顔を見に行きましょう。

自分の不調の先に親の不調も想像する
自分も40代、50 代になってくると、衰えや不調を感じるもの。親はその不調がもう少し進んでいると考えると、その苦労も想像しやすいはず。また「最近、腰が痛いんだけどお母さんはどう?」と自らの不調を話題にし、自然な形で様子を伺うのもグッドです。

親は「自分の老い」を悟られたくないもの
子には老いを悟られたくない、心配をかけたくない、というのが親。唐突に今後の介護の話などしたりすると気分を害す恐れも。普段からよく観察し、テレビやCMなどの話題をきっかけに自然に老いについて触れておくことを縮めておくことも意識しましょう。

恩返しをするのは自分のため、と心する
親を亡くしてから後悔するのは自分。たとえ親が遠慮したり「年寄り扱いするな」と言ったりしても、自分ができる恩返しは親が生きている今、しておくとよいでしょう。またすでに死別しているなら、笑顔の親を思い出すのが供養にもなり、自分の心も軽くなる秘訣です。

同居しているなら 気負わずにできるささやかな恩返しを

そもそも一緒に暮らすことが大きな親孝行。
思いやりやスキンシップのような恩返しができるのも同居ならではです。

しょうゆやサラダ油など、重い物の買出し
しょうゆなどの調味料や米、トイレットペーパー、洗剤やシャンプーなどなど。重たいものやかさばるものは、ストックがなくなる前に買い揃えておきたい。
ネットスーパーなども賢く利用して。

スマートフォンの使い方を教える
使い方を覚えるのが難しい親世代でも、同居ならわからなくなったとき都度アドバイスできるし、トラブルに遭わないよう見守ることもできる。
友人や親戚とスマホで連絡を取れるようになれば親の心も華やぎます。

浴室用イスは座面の高いものに
一般的な浴室用イスは、立ち上がるとき膝関節などに大きな負担が。筋力が衰えてくる親世代には、座面の高いイスがベター。
介護用のイスは、介護保険が適用されれば1〜3割負担で購入できます。

共通の趣味を持つ
親子で同じ趣味を持つと、話題が広がり、新たな親子の楽しい時間を積み上げていくことができます。
〝趣味〞と堅苦しく考えず、例えば歌が好きなら一緒にカラオケに行く、ドラマの感想を言い合うなども◎。

化粧についてアドバイスする
化粧をすると、視覚、嗅覚、触覚などの感覚を刺激し、脳の血流がよくなる研究結果も。認知機能の低下を防ぐ効果も期待されています。
子から親へ、スキンケアやメイクの仕方をアドバイスしてみて。

物干し竿の位置を下げる
足腰が弱ってきた親にとって、自分の身長よりも高い位置にある物干し竿に洗濯物をかけるのは重労働。バランスを崩して転倒するリスクも高まります。物干し竿の高さを低く調整してあげましょう。

ペットボトルオープナーをキッチンに
ひねって開ける動作に苦戦していたら握力が弱っている証拠。100円ショップでも購入できるペットボトルオープナーの出番です。
握力維持のためのハンドグリップも、ながらの筋トレができておすすめ。

玄関、脱衣所にイスを置く
靴を脱ぐ玄関と、着替える脱衣所では、片足立ちになる瞬間があるはず。足腰が弱くなると、片足で重心を取るのが難しくなり、転ぶ原因に。
イスを置くだけで、転倒事故を防ぐことができます。

ベッドに起き上がり用の手すりを付ける
立ち上がるのが格段にラクに。また、いずれ階段など親の動線に手すりを付けることになったときの抵抗感をなくす効果も。
「手すりがあれば日常生活の支障が減る」と早めに体感してもらおう。

地域包括支援センターを知っていますか?
地域包括支援センターは、高齢者の生活向上のための支援・相談の窓口。介護にまつわる大小さまざまな相談や介護保険の申請・相談ができる。
たとえば浴室の手すり設置について窓口で相談すれば、業者と連携して最適な器具や設置位置の診断などもしてくれます。
大いに活用を!

月に数回程度会いに行けるなら 定期的にできる小さなお世話を

汚れが溜まる場所の掃除など、1、2 週間おきにしてあげると助かることはたくさん!
親に気を使わせない工夫も大切に。

冷蔵庫の中を一緒に片付ける
冷蔵庫を信頼して詰め込んでしまうのは親世代の悪いくせ。消費・賞味期限が切れた食材が眠っていないか親と一緒にチェックを。
期限が切れそうなものは調理して、一緒に食べるのも小さな恩返しです。

トイレをすみずみまで掃除する
高齢者には掃除しにくく、見落としがちな箇所も多いのがトイレ。掃除しながら、掃除用具やトイレットペーパーのストック場所に不便がないかも確認を。
トイレ掃除を頼んだことを心苦しく感じてしまう親には「親子だから気にしないで」のフォローも忘れずに。

庭の草むしりをする
荒れ放題の庭や玄関ポーチは、防犯上も望ましくありません。腰を屈める作業はかなりの重労働なので、親に代わって草むしりや庭掃除を引き受けて。
片付いたら、お世話のラクな鉢植えなどを贈っても。

布団を干して取り込む
重いもの、大きなものを動かすのに苦戦する親世代。快晴なら布団を干してあげると喜ばれます。親が無理して布団を運ぶと転倒のリスクもあるので、帰省時の子の仕事として宣言しておくのも手。

郵便物を一緒に確認する
郵便物には、請求書や申請書類など手続きが必要なものも。月に1度は帰省できるなら、そのタイミングで一緒に確認すれば、回答期限にも大体は間に合います。決まった場所に置いておいて、と伝えてみては。

手足の爪を切ってあげる
身だしなみに無頓着になりがちな親世代。特に足の爪は、切る姿勢が辛いため伸びっぱなしになっているかも。
巻き爪などトラブルのタネになるので、お風呂上がりなどに切ってあげて。スキンシップ効果も。

一緒に外食をする
外食は、家にこもりがちな親を外に連れ出せる手軽な恩返し。外出用におしゃれをすることで気分も華やぎ、認知症予防にも。
お店は親の希望を優先して、健康志向にとらわれすぎずに好きな料理を。

ケンカしても帰る前に必ず仲直りする
すれ違いで言い合いになったり、お互いに意見をぶつけ合ってしまったり……。顔を合わせる頻度が高い親子ほどよくあること。ケンカを引きずってしまうと足が遠のく原因に。
謝るのが難しければ、置き手紙や握手で別れるのも心が温まります。実家を後にするときは笑顔で。

親の手の届かない場所の掃除をする
高齢になるほど、〝手の届かない場所〞は増えてきます。ベッドの下、照明器具の傘の上、エアコンのフィルター、キッチンや風呂場の排水溝……。
汚れている場所があったら掃除してあげましょう。

薬カレンダー・薬ゼリーを
用意しておく親が医師から薬を処方されているなら、飲み忘れ対策で「薬カレンダー」をプレゼント。壁掛け式やピルケース型などがあります。
市販の服薬ゼリーも一緒に渡せば、誤嚥トラブルも予防できます。

歯科・眼科・耳鼻科に
連れて行く親のことを「最近、衰えているかも?」と感じたら、早めに一度は歯科、眼科、耳鼻科へ連れて行くことをおすすめします。元気に長生きしてもらうための欠かせない大切な恩返しです。

年に数回程度帰省しているなら 不在時の空白を埋めるようなサポートを

なかなか会いに行けない場合、サポート機能のある家電を利用したり、
周囲の協力体制を整えることが親孝行に。

固定電話を防犯機能付き電話に交換
横行する特殊詐欺は、電話が入口になることが多い。
防犯機能付き電話なら、未登録の番号からの電話は呼び出し音を鳴らさない、「この通話は録音されています」というメッセージが流れるなど、犯罪を未然に防ぐ機能が。
もし電話に出てしまった場合の対策も伝えておくこと。

推しのコンサートに一緒に行く
歌手や俳優など親の〝推し〞を聞いておき、コンサートや演劇のチケットを手配。心ときめく非日常体験は親を若返らせます。
実家までは行けなくても、コンサート会場で落ち合うなら時間が取れる、という人もいるのでは? 前後に食事をしたり、ホテルに泊まるのも粋な親孝行。

一生に一度の親への感謝の手紙を書く
マメに帰省できないお詫びとともに、感謝の気持ちをしたためた手紙を書いてみては。過去の親不孝を謝ったり「あのときの言葉、嬉しかった」など、電話やSNSでは伝えられない思いを文字に込めて。

帰省土産はお隣にも。声がけを依頼する
帰省時には、隣近所はもちろん、町内会長や民生委員など、手土産持参で挨拶に行き、顔見知りになっておきましょう。
災害などいざというときも頼りになり、時々声がけをしてもらえればより安心です。

親が通う(候補の)デイサービスを見学
最近は、センターとの連絡などもスマホでできるところが多い。また実際に見学に行くときは、スタッフや親が親しくしている利用者がいたらぜひ挨拶を。
「いい娘さんね」と言われると親も嬉しいものです。楽しそうにしていたら「いい顔していたね」と自分も喜んでいることを伝えて。

親の恋バナを聞く
伴侶に先立たれシングルになった親
なら、恋をしている可能性も! 恋は脳が活性化するので「いい歳して」なんて否定しないで応援してあげましょう。自然な形で恋バナができれば親との距離も縮まります。
ただロマンス詐欺の恐れもあるので、どんな人か聞き、会えたらベスト。

同じ部屋で布団を並べて寝る
帰省の折りなど自然にできる恩返しのうちのひとつ。幼い頃を思い出して昔話に花が咲くかもしれません。
同時に、親の夜中のトイレ回数やあまりに大きないびきなど、健康チェックも兼ねましょう。

スマートエアコンに買い替える
親世代は気温の変化に鈍感になっていたり、暑さ・寒さを我慢しがちなところも。
スマートエアコンなら、室温チェックやオンオフもスマホで遠隔操作できます。熱中症対策としてもおすすめです。

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イラスト/筒井早良 文/みよしみか
 
大人のおしゃれ手帖2025年5月号より抜粋
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