食通たちが厳選する、定番中華の名店5軒：カレー編

スパイスカレーが名を上げた今、たまの中華カレーが恋しくなるもの。香辛料ではなくスープが旨味を担い、新鮮な具材は煮込まずカッと強火で仕上げる。つまみも主役も似合うバイプレーヤー。

六本木〈香妃園（こうひえん）〉

・スパイシーかつ軽やかな一皿。〆にも人気。
・大きくスライスした豚肉は下ゆでされ軟らかく、油通しされたタマネギはシャキシャキ。
・ベースは鶏ガラスープ。名物・特製とり煮込そばなどにも使用している。

サラサラしていて、お茶漬けのようにあっという間に食べ切ってしまう一品。（佐藤（幸））

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香妃園

宮城・気仙沼から取り寄せる大ぶりのフカヒレ料理をはじめ、本格的な中華料理を提供。メニューは220以上！
住所：港区六本木3－8－15 2F
TEL：03-3405-9011
営：11時45分～15時LO、17時～翌3時LO
休：日曜

神保町〈北京亭〉

・今も現役のカレー麺をベースに、常連客の要望でライス版が誕生。その歴史は30年超。
・中華鍋をはみ出さんとする強火で瞬く間に仕上げる。具材にタマネギ、ニンジン、豚肉。
・辛味は豆板醬（トウバンジャン）で。量は調整してくれる。

煮込まない作り方に、町中華のエネルギッシュな“火”の味が伝わってくる。（渡辺）

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北京亭

創業60年以上になる老舗店。壁には吉永小百合をはじめ錚々たる面々のサイン色紙が掲げられている。

住所：千代田区西神田2-1-11
TEL：03-3261-4116
営：11時～15時、17時～22時（月11時～15時）
休：無

北千住〈酒仙坊（しゅせんぼう）〉

・ジャガイモ、ニンジン、大根に、癖のあるラム肉まで入った具だくさんカレー。
・隠し味の豆板醬で、食欲増進。ツマミにも。
・グループ名を冠する味坊サワーはこちら発祥。紹興酒シロップ入りの焼酎を、炭酸割りに。

豆板醬にココナッツミルクを加えた甘辛味が新鮮。ご飯が進む、〆の一品。（中村）

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酒仙坊

せんべろ天国・北千住らしさがある、カジュアル酒場。ラム肉の串焼きは1本からオーダーできる。

住所：足立区千住3-48
TEL：03-6812-0705
営：11時～14時30分、17時～23時（土・日11時～23時）
休：無休

赤坂〈赤坂珉珉（ミンミン）〉

・元はナスカレー炒め。つまりカレーは調味料。
・さっと素揚げしたナス、ピーマンと、衣をつけたふわふわの鶏ささみがゴロゴロ入る。
・唐辛子入りでしっかりとした辛味あり。小ライスとともに〆る客多し。

中華スープを使ったとろみあるソースとゴロゴロのナス、鶏肉の相性が抜群。（小宮山）

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赤坂珉珉

今はなき焼き餃子の元祖〈珉珉羊肉館〉の暖簾（のれん）分け。酢コショウ餃子発祥の地。店先に餃子の自動販売機も。

住所：港区赤坂8-7-4
TEL：03-3408-4805
営：11時30分～13時50分、17時30分～21時30分
休：日曜・祝日

神保町〈源来酒家（げんらいしゅか）〉

・まかないカレーが、名物・麻婆麺と合体し生まれた一品。カレーに豆豉（トウチ）を効かせた。
・舌で麻婆を、鼻でカレーを味わう。混ぜずに層を作ることで、特製太麺によく絡む。
・半熟卵を割りまろやかに味変。山椒も◎。

スープ、カレー、麻婆の層を、麺がまだらにまとわせていく感覚がたまらない！（佐藤（貴））

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源来酒家

浙江省寧波（ニンボー）の家庭料理の店。麻婆のコクの秘密はさくら味噌。プラス100円でチーズのトッピングができる。

住所：千代田区神田神保町3-3
TEL：050-5485-6201
営：11時～21時30分（土～20時30分）
休：日曜・祝日

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佐藤幸二

さとう・こうじ／〈クリスチアノ〉店主。何軒もの人気店を営むシェフ。アツい人柄と確かな腕で、出演する『BRUTUS』のYouTubeチャンネル動画にはひそかにファンも増加中。

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渡辺紀子

わたなべ・みちこ／フードジャーナリスト、ライター。本誌をはじめ、様々なメディアで食に関する企画や特集、連載を多数担当。愛称は「P（ぴい）」さん。

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中村正人

なかむら・まさと／日本在住中国語圏の人々の提供する“ガチ中華”を楽しむ〈東京ディープチャイナ研究会〉代表。著書に『攻略！東京ディープチャイナ』（産学社）など。

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小宮山雄飛

こみやま・ゆうひ／1973年東京都生まれ。ミュージシャン。ホフディランVo & Key。渋谷観光大使も務める。音楽はもちろん食にも精通し、『BRUTUS』酒場特集などにも登場。

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佐藤貴子

さとう・たかこ／編集者、ライター。中華ウェブマガジン「80C（ハオチー）」ディレクター。火鍋の案内人としてTBS『マツコの知らない世界』に出演するなど、中華料理の分野で活躍。