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杉田かおるさんインタビュー前編!「これまでと違った路線で勝負しようとして、わざと毒舌で絡んだりしてたので、いまだったら炎上するでしょうね(笑)」【まことのはなし】

  • 2025.5.16

数多くの俳優やアーティストを撮影してきた中川氏が、憧れのあの人から、トークと写真で本当の姿を引き出す「まことのはなし」。今回のゲストは、子役時代から女優として活躍を続け、最近ではオーガニック分野での発信をするなど新たな一面も見せる、60歳になったばかりの杉田かおるさんです。

バラエティ番組では、杉田さんのサービス精神に驚きました(中川)

中川さん(以下敬称略) 僕は小学生のころに「3年B組金八先生」で杉田さんを知って。子どもながらに「この人すごい!」と感動して、毎週、ドラマが放送される金曜日が来るのが楽しみでした。

杉田さん(以下敬称略) 出ている私たちも「来週どうなるんだろう?」と続きを読むのが待ち遠しくて。当時、全員分の台本はもらえなかったので、リハーサル室で刷り上がるのを待って、みんなでまわし読みしていたんですよ(笑)。

中川 杉田さんが演じた浅井雪乃は15歳にして妊娠・出産するという伝説的な役どころでした。出演前からストーリーについては聞いていたんですか?

杉田 もう、忘れもしませんね。喫茶店に呼び出されて説明されたんですけど、目の前が真っ暗になりました。私もまだ中学3年生だったので、さすがに妊娠する役というのはショックだったんですよね。就職も結婚もこれで全部なくなるかも……と思って、「人生変わっちゃうかもしれないから、3日間考えさせてください」と答えました。

中川 いまは観る側も「あくまでもフィクション」とわかっているけど、当時は役と演じている俳優を同一視している人も多かったでしょうしね。

杉田 この役を演じた後、自分が芸能界で生き残っていけるのかという不安もありましたね。ただ話題になって終わってしまう可能性もあったので。 中川 結果的にはプラスでしたよね。いまもみんなの記憶に残る作品ですし。

杉田 ただ、こうして覚えていていただけるのは嬉しいんですけど、その後の人生でも役を吹っきれないんです。雪乃だけでなく「パパと呼ばないで」のチー坊も「池中玄太80キロ」の絵理もそうですけど。観ていた方にもずっと「あの役を演じていた人」と思われますし、人の倍、カルマを背負っているような感覚です。 中川 まだ10代の若者にとっては重い経験ですよね。それから80年代後半になると、ドラマの世界もいわゆる「トレンディドラマ」が増えていきましたし。

杉田 そういう明るく楽しい作品にはお呼びじゃなかったのか、まったく声がかからなかった(笑)。年に2か月しか仕事がないときもあったんです。私がくすぶっていた時期に共演した樹木希林さんもおっしゃってましたが、一度ついたイメージを払拭するのは大変なんですよね。 中川 やっぱり同じような役が求められるんですね。ファンとしてはまったく違う役も観てみたいと思いますが。その後は「踊る!さんま御殿!!」などのバラエティ番組でも活躍されていましたが、杉田さんはサービス精神が旺盛ですよね。共演者の話を率先して拾って、盛り上げていたのが印象的でした。

杉田 みんなやっぱり、これまでと違った路線で勝負しようとして出演しているので。わざと毒舌で絡んだりしてたので、いまだったら炎上するでしょうね(笑)。

中川 丁々発止のやり取りがすごく面白かったです。俳優として杉田さんが出たいと思うのはどんな作品なんですか? 杉田 自分から積極的に「これに出たい!」と言ったことはないんです。オーダーがあれば、それに応じて頑張ります、という感じで。自分がどんなにやりたくても、監督やプロデューサーのイメージも合わなければ役はもらえない。俳優はそういうものだと教わってきましたから。

カーディガン¥39,800、スカート¥60,500/ともにデパリエ(デパリエ 伊勢丹新宿店)、ニットビスチェ¥9,900/ル フィル、イヤリング¥53,900/コンプリーテッドワークス、ネックレス¥46,200、ブレスレット¥29,700/ともにサスキアディーズ(すべてル フィルニュウマン新宿店)

最近は大河ドラマにハマって、毎回号泣していました(杉田)

中川 いち視聴者として、面白いと思うような番組はありますか?

杉田 うちの夫はサラリーマンで、完全なルーティン生活なんです。観るものも決まってるから、私にはテレビのチャンネル権がないんですよ(笑)。彼の影響で、いまは大河ドラマを欠かさず観るようになりました。昔の大河ドラマは歴史の基礎知識がないとよくわからなかったけど、「青天を衝け」を観たら、脚本家の大森美香さんの書く台詞が素晴らしくて。最後は「渋沢栄一ってこんないい人だったんだ」と号泣しました。
それから「鎌倉殿の13人」「どうする家康」と次々にハマって。「光る君へ」もとてもよかったです。忘れていた恋愛感情を思い出させてくれました(笑)。毎回泣いて、夫に「ここ、泣くところ?」と聞かれてましたね。

中川 ファンとしては、ぜひ杉田さんにも出てほしいところですが……。

杉田 私は観るだけでも十分満足。好きだからこそ、出演するときは「どうやったら面白くなるか」を考え過ぎてしまいそうです(笑)。

シャツ¥28,600/カオス(カオス表参道)、ジレ¥99,000、スカート ¥49,500/ともにデパリエ(デパリエ 伊勢丹新宿店)、イヤリング/スタイリスト私物

profile

杉田かおるさん

1964年生まれ、東京都出身。「パパと呼ばないで」のチー坊役など、天才子役と呼ばれ人気を博す。「3年B組金八先生」(79年)では、妊娠・出産する中学生を演じ話題に。その後も「池中玄太80キロ」など出演作多数。2000年代からはバラエティー番組へも出演。最近では俳優業のほか、母の介護を機に美容、健康やオーガニック、農業などにも関心を深め講演会を行っている。BS12「記憶のロケ地を巡る旅」が4月14日(月)よりAM6:30~OA中。

撮影・インタビュー/中川真人〔magNese〕 スタイリスト/福田麻琴   ヘア&メイク/MICHIRU〔3 rd〕  文/工藤花衣

※素敵なあの人2025年6月号「フォトグラファー中川真人のまことのはなしVOL. 14」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

撮影・インタビューしたのは 中川真人さん

1969年生まれ。ファッション誌や広告など多岐にわたって活躍中の写真家。雑誌の表紙やポスターなど、時代を象徴する俳優やアーティストたちを数多く撮影し、被写体や撮影スタッフからの信頼も厚い。昭和のスターが大好きで映画やテレビの作品やCMなどにも精通している。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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