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工夫して10秒で計算してみて!「990÷2÷5」→10秒でチャレンジ

  • 2025.6.4
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今回チャレンジしてもらうのは、制限時間付きの割り算問題です。

割り算が二つあるので、10秒以内に答えを出すのは難しそうに見えるかもしれません。

しかし、「ある計算の工夫」さえすれば、答えはすぐに求められますよ。

問題

次の計算をしなさい。
990÷2÷5

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「99」です。

この答え、割られる数である990の末尾から0を一つ消した数字と一致することに気が付きましたか?

どうして答えがこのような形になるのかは、次の「ポイント」を見ると分かりますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「二つの割り算をまとめて一つにすること」です。

特に工夫をせず問題の式を計算しようとすると、まず「990÷2」の割り算をする必要があります。答えは495ですが、ちょっと面倒な割り算ですよね。

また「495÷5」の計算をして99という答えにたどり着くまでにも、少し時間がかかりそうです。

<計算の工夫をしなかった場合>
  990÷2÷5
=495÷5
=99

そこで、「÷2」と「÷5」を一つの割り算として計算することを考えます。最初に2で割ってから、次に5で割るということは、最終的には10で割るのと同じですね。

どうしてそうなるのか分かりにくい人は、次の図を見てください。黄色い棒を最初に二等分してから、その二等分したものをさらに五等分すると、もとの黄色い棒を十等分したのと同じことになりますね。

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では、「÷2」と「÷5」を「÷10」にまとめて計算してみましょう。

  990÷2÷5
=990÷10
=99

10で割る計算は、割られる数の位を一つ下げる計算です。割られる数の一の位に0が付いている場合は、この0を取れば位が一つ下がります。

このように「÷2」と「÷5」を「÷10」とすれば、割り算を二回するよりもずっと速く答えが出せるのです。

÷a÷bが÷(a×b)に変形できる理由:式で確認してみよう

今回の問題では、「÷2」と「÷5」を「÷(2×5)=÷10」という一つの形にまとめました。

このように、「÷a÷b」という二つの割り算は、「÷(a×b)」に変形できます。

どうしてこうなるのかは、「÷a÷b」という割り算を「÷a/1÷b/1」という分数の形にしてみると分かります。

分数の割り算では、割る数を逆数にして掛け算するのでした。よって、「÷a/1÷b/1=×1/a×1/b」です。これを変形していくと、次のようになります。

  ■÷a÷b(■は任意の数)
=■÷a/1÷b/1
=■×1/a×1/b  ←割り算を掛け算に直す
=■×(1×1)/(a×b)  ←分母、分子どうしを掛け算する
=■×1/(a×b)
=■÷(a×b)/1  ←もう一度掛け算を割り算に直す
=■÷(a×b)

これで、「÷a÷b」が「÷(a×b)」に変形できることが分かりました。

まとめ

今回は、二つの割り算を一つにまとめることがポイントになりました。

<今回のポイント>
「÷a÷b」という形をしている割り算は、「÷(a×b)」に変形できる

とくに今回の問題のように10で割る割り算に変形できる場合は、この考え方を積極的に利用しましょう。割られる数の位を一つ下げるだけなので、計算はとても楽になります。

ただし、この工夫は万能ではありません。二つの割り算を別々にした方が計算が楽なこともありますので、問題によって工夫の仕方を変えていくことが大事ですよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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