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婚約指輪はなぜ左手の薬指につける? エンゲージメントリングにまつわるあれこれ

  • 2025.4.28
Woman's Hand Wearing Engagement Ring

婚約指輪は左手の薬指につけるのが一般的だが、その由来をご存知だろうか?

古代ローマ人や古代ギリシャ人は、左手の薬指には心臓に直接つながる血管(=「vena amoris(愛の静脈)」)があると信じていた。当時、科学者たちはまだすべての静脈が心臓に通っていることを発見していなかったため、これは非常に意味のあることだと考えられていたのだ。

「婚約指輪や結婚指輪を第4指にはめる習慣は、この指から心臓に直接つながる特別な神経、または静脈があるという想像に由来しているのは間違いないようだ」と、20世紀の偉大な学者ジョージ・フレデリック・クンツは1917年の著書『Rings for the Finger(原題)』に綴っている。

何世紀も前の歴史的な文献にも、英語で「heart finger(心臓の指)」と呼ばれるこの薬指に関して言及されており、1648年に出版された『An Abridgement of Christian Doctrine(原題)』のなかで、ヘンリー・ターバーヴィルはこう記している。「“heart finger(心臓の指)”と呼ばれる薬指には心臓に達する静脈があり、 男女間にある心のこもった不変の愛を意味する」

こうしたロマンティックな歴史もある一方で、中世の医師たちは病気になった患者の薬指にヒルをのせて血液を吸い出させ、治療していたこともあったそうだ。

婚約指輪を左手の薬指にはめる実用的な理由

HAND RECEIVING ENGAGEMENT RING

左手の薬指に婚約指輪をはめるのは実用的な選択でもある。というのも、薬指は最も力が弱い指であるため、親指や人差し指と比べて出番があまりないためだ。酷使しないからこそ指輪が傷つく危険性が低く、高価な宝飾品を身につけるのに安全な場所だと言える。

さらに、世界の約90%の人は右利き。日常的によく使う右手ではなく、左手に指輪をつけることで、ダメージを避けることができるというのも理に適っている。

アメリカや西ヨーロッパでは左手の薬指にはめるのが伝統だが、インドやロシアなど、右手につけることが縁起がよいとされている国や地域もある。

結婚指輪はどの指につける?

アメリカの花嫁は通常、婚約指輪を左手の薬指にはめ、その上に結婚指輪を重ねる。しかし、ラテンアメリカや東欧では右手に結婚指輪をはめるカップルもいるという。中南米や東欧では右手にはめることもあれば、スリランカでは新郎が右手、新婦が左手につける伝統があるのだそう。

一方、レバノン、シリア、トルコでは、婚約指輪を右手にはめ、結婚と同時に左手につけ替える花嫁もいるそうだ。

日本では西洋文化の影響もあり、婚約指輪も結婚指輪も左手薬指につけることが一般的。しかし、実はどの指につけても問題はない。明確な決まりなどはなく、重ねづけをしたり、チェーンに通してネックレスにして身につけるのもOK。最近は婚約指輪と結婚指輪がセットになったデザインもあり、自由度は今まで以上に増しているようだ。

Text: Elise Taylor Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.COM

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