1. トップ
  2. 22年経っても“朝ドラ”で登場するほど…「またハマってしまった」今こそ見てほしい“日本を席巻”した伝説の作品

22年経っても“朝ドラ”で登場するほど…「またハマってしまった」今こそ見てほしい“日本を席巻”した伝説の作品

  • 2025.4.28

2003年に日本で初放送され、“韓流ブーム”を巻き起こした伝説の韓国ドラマ『冬のソナタ』。初恋、出生の秘密、記憶喪失など、韓国ドラマならではの見どころを盛り込みつつ、美しい雪景色や心に染み渡る音楽をバックに、運命の2人の純愛が綴られ、日本中の視聴者を虜にした。何度も見たくなる冬ソナだが、まだ見たことがない人や、20年以上経って今また見てみたいという人に向けて、本作の魅力を紐解いてみたい。

※この記事にはネタバレが含まれています。

気づいたら沼にハマってしまうドラマ

undefined
Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved

韓国・江原道の春川で暮らすユジン(チェ・ジウ)が通う高校に、物静かな青年チュンサン(ペ・ヨンジュン)が転校してくる。やがて、ユジンとチュンサンは惹かれ合い、2人はお互いが初恋の相手となる。一方、ユジンの幼なじみのサンヒョク(パク・ヨンハ)は、ずっと彼女のことが好きで、チュンサンに嫉妬心を抱く。ところが、チュンサンは交通事故に遭い、ユジンは彼が亡くなったと知らされる。

10年後、大人になったユジンはサンヒョクと婚約するが、街中でチュンサンに瓜二つの男性を見かける。彼はユジンたちの高校の同級生・チェリン(パク・ソルミ)の恋人で、名前はミニョンだという。ユジンはチュンサンへの想いがよみがえってきて動揺するが、彼女とミニョンは抗えない気持ちに導かれ、惹かれ合ってしまう……。

冬ソナが韓国ドラマ初体験だった人は多いと思うが、筆者も同じで、初々しいユジンとチュンサンの恋、恋のライバルの出現、突然の死、初恋の人に似た相手の登場と、どんどんドラマチックになっていく展開から目が離せなくなり、気づいたら沼にハマっていた。何せ、毎回すごく続きが気になる驚きの描写でエピソードが終わり、次回を見たくてたまらなくなる作りになっているので、ハマらずにはいられないのだ。

全20話の中に数々の疑問が繰り広げられる

冒頭に書いたが、“記憶喪失”は韓国ドラマの頻出キーワード。ミニョンは記憶を失っており、別の記憶を植え付けられている。「そんなバカな!」というのも韓ドラのお約束で、突っ込みどころは満載だが、そこがまた面白い。ミニョンはチュンサンと瓜二つだが、彼は死んだはずのチュンサンだということが発覚。チュンサンには“出生の秘密”があり、それが彼だけじゃなく、ユジンやサンヒョクの運命をも左右することに。

チュンサンは事故で亡くなったはずなのに、なぜ生きていたのか? 彼の出生の秘密とは何なのか? ミニョンとして生きる彼とユジンの恋の行方は……? そういった疑問が、1つひとつクリアになっていくうちに、冬ソナに夢中になっていき、途中で何度も「そんなバカな!」という突っ込みを繰り返しながらも、結末が知りたくてたまらなくなってしまう。韓ドラの中には、全50話越えの長尺の作品も多々あるが、冬ソナは全20話なので、中毒性は高いものの、楽しみながらあっという間に完走できるのも魅力だ。

ヨン様ブームで日本を席巻

冬ソナを見た視聴者のコメントをSNSでチェックしてみると、「チェ・ジウが可愛すぎる」「きれいな音楽と演出にうっとり」「ロケ地巡りをやった」「20年ぶりにまたハマってしまった」といった声が見られる。

本作のチェ・ジウの透明感と可愛らしさには、本当に目を奪われる。ペ・ヨンジュンは、(実際は同一人物ではあるが)チュンサンとミニョンというタイプの違うキャラクターを演じ分け、チュンサンのツンデレぶりや、甘い雰囲気たっぷりのミニョンを表現して、大勢のファンを獲得。「ヨン様」と呼ばれるようになり、日本を席巻した。

undefined
Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved

主題歌や挿入歌は叙情的で、恋愛ドラマの名手であるユン・ソクホ監督の演出による映像は美しく、視聴者をドラマに引き込んでいく。ユジンとチュンサンが小さな雪だるまを作って、雪だるまをキスさせた後、2人の愛らしいキスシーンが描かれるが、その場所や、ミニョンとユジンが仕事で関わることになるスキー場など、ロケ地巡りをする人も続出。

また、ユジンを好きで婚約までしたのに報われないサンヒョクに同情心が集まり、演じるパク・ヨンハも人気者に。彼は歌唱力が高く、歌手としても注目を浴びた。32歳でこの世を去ったことは、とても悲しい。

今こそ見てほしい伝説のドラマ

冬ソナから始まった韓流ブームは凄まじく、連日のように韓流スターが次々と来日。筆者も、ペ・ヨンジュン、チェ・ジウ、パク・ヨンハ、そしてユン・ソクホ監督に取材し、毎日多忙を極めた。その後、数々の韓ドラが放送されたが、やはり出発点となった冬ソナは、大きな存在であり、伝説の作品になったと言えるだろう。

「ヨン様」という言葉は、独り歩きするくらい有名なワードになり、2024年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『おむすび』で、佐野勇斗が演じた四ツ木翔也は、メガネをかけているのがミニョンと同じであることと、名前に四が付くことから、「ヨン様」と呼ばれ、モノマネをリクエストされるなど、「こんなところにも冬ソナが!」とほほ笑ましくなってしまった。

かつて冬ソナを見たことがある人は、20年以上経って改めて見ることで印象が変わっているかもしれないし、ブームに乗り遅れて見なかった人や、当時はまだ幼くて知らなかったという人も、この機会に冬ソナにハマってみてはいかがだろうか。ABEMAにて全話無料配信中なので、GW中にぜひ楽しんでほしい。


『冬のソナタ』
ABEMAにて5月15日まで全話無料配信中
番組URL:https://abema.tv/video/title/434-18

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP