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主人公が堕ちていく“最終話”に好評の声続出「満足感のある」「怖すぎる」最後に見せた“瞳”が印象的だった名女優【日曜ドラマ】

  • 2026.4.4
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『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』第10話(C)日本テレビ

『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』が、独特の熱気を帯びたまま最終回を迎えた。第8話以降、強盗殺人の罪で起訴された日下怜治(ジェシー)を脱獄させるべく、淡々と事を進めてきた刑務官の冬木こずえ(篠原涼子)は、第9話でついに自らの欲に溺れ、怜治と運命を共にすることを選ぶ。本能のまま行動するこずえの行く末から目が離せない最終話だった。

※以下本文には放送内容が含まれます。

怜治を選んでしまったこずえは、もう止まらない

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『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』第10話(C)日本テレビ

本当は脱獄を手助けするだけのはずだった。刑務官としての正義感から、怜治の無実を証明したいと思っていたからだ。

しかし、「一緒に逃げよう」という怜治の言葉を拒否できない。刑事の佐伯(藤木直人)から怜治を庇い、「彼といたい」と宣言する。この言葉が、こずえの最後のストッパーを外したように見えた。佐伯から逃げるように逃走車に乗り込んだこずえは、怜治を見つめ、ぎゅっと手を握る。こずえは、はじめて自分の欲求を口にしたことで、怜治と共に地獄に落ちる覚悟ができてしまったのだ。

そこからのこずえはもう止まらなかった。脱獄後、怜治とこずえを葬ろうと画策していた教団『廻の光』の元幹部・沼田(久保田悠来)を揉み合いの末に始末。妹の寿々(梶原叶渚)を助けに行った怜治を迎えに行き、その場に佐伯がいようともう関係ない。沼田のフリをして教団側と連絡を取ることも、偽造パスポートを使うことにも、躊躇はなかった。その行動からは、怜治といられれば何もかもどうでもいいという心境が窺える。血走るようなこずえの瞳に、怜治ですらおびえているようだった。

怜治と生きる覚悟を決めたこずえだったが、怜治は違ったようだ。こずえを思うがゆえに、こずえを元の生活に戻すことを決め、佐伯に連絡して、警察に捕まることを選んだ。ここでこずえも一芝居打つ。佐伯と怜治に状況を委ねるのではなく、あえて刑務官として怜治を捕らえたフリをしたのだ。

こずえの目的は、怜治と逃避行することではなく、怜治と共に生きることだ。こずえを庇って怜治が死ぬのであれば、怜治をもう一度捕らえて、再び脱獄のチャンスを狙う方がいい。怜治をもうどこにも行かせない。こずえは、刑務官としてではなく、一人の恋に溺れる女として、「日下怜治を確保しました」と叫ぶ。

狂気を帯びた篠原涼子の演技

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『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』第10話(C)日本テレビ

最終話の一番の見どころは、なんといってもこずえを演じる篠原涼子の演技だろう。これまで本能を理性で押さえつけたような抑制した芝居を見せてきたが、最終話は欲望を解放しきって狂気を滲ませる表現を見せた。

とくに、沼田の首を締め上げながら「邪魔しないで」と呟く場面では、刑務官としての正義感ではなく、女として怜治と共にいたいという切実な感情が見えた。表情自体はこれまでのこずえと大きな違いはないのに、ふとしたときの視線に宿る常軌を逸した意思にゾワっとさせられた場面だ。最終話のこずえを見て、篠原にしかできない役柄だと心底納得させられた。

物語の最後、こずえは再び刑務官として氷川拘置所に戻り、怜治は白岩刑務所に移送されることに。そして、こずえの白岩刑務所への異動願いが受理されたという報告が。こずえは怜治を救い出すことを生きがいにすることを決めたのだ。こずえが最後に見せた瞳は、もう救い出せない闇に染まっているように見えた。

振り返ってみると本作は、こずえが全10話をかけて本能を解放していく物語だったように思う。一人の女性が堕ちていく姿がここまで魅力的に映ったのは、なにより篠原の力によるものだろう。その証拠に、SNSでは「満足感のある最終回だった」「こずえが怖すぎる……」など、展開と篠原の演技に惹きつけられた人が多かった。

3月29日(日)から、Huluで『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』Season2の独占配信が始まった。怜治を脱獄させることだけを目的に生きるこずえは、どんな悪女ぶりを見せてくれるのか。


日本テレビ系『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』毎週日曜よる10:30〜

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202