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【六本木】企画展「ライトアップ木島櫻谷Ⅱ ―おうこくの線をさがしに 併設四季連作屏風」@泉屋博古館東京 5月18日まで

  • 2025.4.14

企画展「ライトアップ木島櫻谷Ⅱ ―おうこくの線をさがしに 併設四季連作屏風」と特集展示「住友財団助成による文化財修復成果―文化財よ、永遠に 2025」が、2025年5月18日(日)まで六本木の泉屋博古館東京で開催されています。木島櫻谷の絵画表現の特質をさまざまな角度から照らし出す展覧会シリーズ「ライトアップ木島櫻谷」のPartⅡになります。

出典:リビング東京Web

木島櫻谷(このしまおうこく)(1877-1938)

木島櫻谷(このしまおうこく)は、20世紀初頭の日本画界で注目を浴びた画家であり、彼の作品は自然と日本の伝統的な美学を深く掘り下げ、現代の視覚芸術に新たな息吹を吹き込んでいます。この企画展「ライトアップ木島櫻谷Ⅱ」では、櫻谷が生み出した作品や資料から独自の世界観とその魅力を多角的に紹介しています。

櫻谷は、「写生とは何度も繰り返し実物に接し、そのイメージを頭に留めるためのもので、たとえ写生帖が手もとになくても、ありありとその姿を思い浮かべられるようにならなければいけない」と語り600冊を超える数の写生帖類を遺しています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景:主催者側の許可を得て撮影しています。

展覧会のコンセプト:櫻谷の線描の妙を探訪

「おうこくの線をさがしに」というテーマが示す通り、木島櫻谷の絵画における「線」の重要性を中心に、彼の独特の筆致や色使いに焦点を当てています。櫻谷の絵には、細かな線を使って表現された自然の美しさや生命力が見事に描かれています。

出典:リビング東京Web

木島櫻谷《帰農図》大正元年(1912)泉屋博古館東京

本展覧会では、彼がどのようにして「線」を通じて物語や感情を表現したのかを、来場者がより深く理解できるよう構成されています。「線」を細かく鑑賞できるよう、部分拡大解説パネルが用意されており、繊細な線から、ボリュームのある線、そして線を描かない表現までよくわかるような展示内容です。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

櫻谷の写生帖、なんども繰り返し写した線の軌跡

「おうこくの線をさがしに」 企画展のタイトルにある「おうこくの線」は、木島櫻谷が描く自然の風景や生き物の輪郭を象徴しています。その筆致の精緻さ、細やかさ、そして力強さが、彼の絵画に生命感を与えています。

特に、櫻谷の絵に登場する鳥や植物の細部を見れば、線一つ一つに込められた彼の精緻な観察と情熱が感じられるでしょう。

出典:リビング東京Web

木島櫻谷《一夜の夢》明治35年(1902)個人蔵

四季連作屏風 展覧会の併設展示「四季連作屏風」では、木島櫻谷が四季ごとに変わる自然の美しさを描いた屏風作品が展示されています。

大正中期に大阪天王寺の茶臼山に建築された住友家本邸を飾るため「四季連作屏風」は制作されました。四季折々の自然を表現した櫻谷の色彩感覚を堪能できるのも見どころのひとつです。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

春夏秋冬のそれぞれの季節をテーマにしたこれらの作品は、屏風に広がる自然の壮麗さや、四季ごとに変わる色彩の使い方が注目ポイントです。

出典:リビング東京Web

木島櫻谷《柳桜図》大正6年(1917)泉屋博古館東京

「線」の重なりと視覚的なリズム

木島櫻谷の絵には、線がただの輪郭ではなく、物語や感情の表現として使われています。特に、彼の作品における線の重なりや動きに注目すると、自然のリズムが視覚的に表現されていることに気づきます。風や動物、植物のしなやかな動きが、線のひとつひとつに宿っており、絵の中で生き物が命を吹き込まれる様な躍動感が感じられる作品です。

出典:リビング東京Web

木島櫻谷《かりくら》明治43年(1910)櫻谷文庫

同時開催 特集展示「住友財団助成による文化財修復成果―文化財よ、永遠に 2025」

「住友財団助成による文化財修復成果―文化財よ、永遠に 2025」は、文化財の修復活動を支援し、その保存・継承に向けた重要な成果を紹介する展覧会です。歴史的な遺産の未来を見据えた修復技術の進展が示されています。

《十一面観音菩薩像》は展示の利便性から額装されていましたが、保存の観点から掛幅装に戻すことになりました。 修復工程についての説明のパネル展示もありますので、とても分かりやすく参考になる展示です。

出典:リビング東京Web

《十一面観音菩薩像》南北朝時代(14世紀)ケルン東洋美術館

「ライトアップ木島櫻谷Ⅱ ―おうこくの線をさがしに 併設四季連作屏風」は、木島櫻谷の独自の世界観と、彼が描く自然と生き物の美しさを深く掘り下げることができる展覧会です。彼の絵画における「線」の力強さや繊細さ、そして四季折々の変化を色彩豊かに描いた屏風作品を通して、櫻谷の芸術に込められた自然や人物画への深い表現力を感じ取ることができる魅力的な展覧会です。

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