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【大手町】皇居三の丸尚蔵館「百花ひらく-花々をめぐる美-」で春めくときを

  • 2025.4.7

百花ひらく、皇室伝来の収蔵品に見る花の美

皇居三の丸尚蔵館で開催中の「百花ひらく-花々をめぐる美-」[2025年3月11日(火)~5月6日(火・休)]を見て来ました。

日本の四季を彩る花々をモチーフにした絵画や書跡、工芸品が並ぶ展示室では一足先に春を感じさせてくれました。

本展は、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の国宝《動植綵絵(どうしょくさいえ)》30幅から花をモチーフにした4幅が前期・後期で2幅ずつ展示されます。

皇室伝来の貴重な収蔵品より11世紀から現代にいたるまで花を題材に厳選した名品45件に出会える展覧会です。

※展示室内は個人利用にかぎって撮影可能です。「撮影禁止」マークのついている作品は撮影禁止です。注意事項をご確認の上、展示室内の指示に従い撮影してください。

 

出典:リビング東京Web

「百花ひらく-花々をめぐる美-」展示風景 皇居三の丸尚蔵館

春爛漫、花の美をまとう皇室の伝来品

《七宝四季花鳥図花瓶(しっぽうしきかちょうずかびん)》

並河靖之(なみかわやすゆき)の《七宝四季花鳥図花瓶》。

黒釉に浮かび上がるような桜や青もみじを中心に様々な花が七宝で繊細に表現されています。 満開の桜と青もみじは、花瓶の底から上部へ張り出した胴の表面に広がるように表され、小鳥たちの飛び回る姿も見える春爛漫の風景です。

1900年のパリ万博で当時の日本美術の水準の高さをアピールするために明治天皇(めいじてんのう)の御下命を受けて製作されたそうです。

 

出典:リビング東京Web

《七宝四季花鳥図花瓶》 並河靖之 明治32年(1899) 七宝 1点 皇居三の丸尚蔵館収蔵 展示期間:3/11~5/6

《裁縫筥並ニ道具(鶴桐文様蒔絵飾棚 棚飾品)(さいほうばこならびにどうぐ(つるきりもんようまきえかざりたな たなかざりひん))》

『源氏物語』第二十三帖「初音(はつね)」の和歌をもとにした意匠がほどこされた《裁縫筥並ニ道具(鶴桐文様蒔絵飾棚 棚飾品)》。

桐材の箱には松や橘、紅白の梅、歌文字が様々な素材で象嵌(ぞうがん)されています。箱の中の裁縫道具にも梅や橘などの花の模様が表され、お裁縫の時間が楽しくなりそうな裁縫箱です。

大正13年(1924)に皇太子(昭和天皇(しょうわてんのう))のご結婚を祝して、昭和4年(1929)に妃の香淳皇后(こうじゅんこうごう)に献上された棚飾品だそうです。

 

出典:リビング東京Web

裁縫筥並ニ道具(鶴桐文様蒔絵飾棚 棚飾品) 図案:島田佳矣、製作:木内半古、市島昌邦、堀井正文、吉村忠夫 昭和3年(1928) 桐、象嵌 1具 皇居三の丸尚蔵館収蔵 展示期間:3/11~4/6

花の意匠のボンボニエール

てのひらに収まるほどの可愛らしいボンボニエール。 皇室の御慶事などに記念の品として配られる小さな菓子の器です。

《丸形桜に榮印(まるがたさくらにえいしるし)ボンボニエール》(左)の桜の中央に表された「榮」の文字は上皇陛下(じょうこうへいか)のお印だそうです。

竹と梅の意匠が用いられた《銀製挿華(ぎんせいかざし)》(右)。 令和の大嘗祭(だいじょうさい)の後に行われた大饗の儀(だいきょうのぎ)で参列者に配られた銀製の造花だそうです。

控えめで洗練された意匠が皇室の御慶事に相応しい品々です。

 

出典:リビング東京Web

右から、《銀製挿華》 令和元年(2019) 銀 1点、《六角形黄心樹石南花文ボンボニエール》 深川製磁 平成26年(2014) 陶磁 1点、《丸形桜に榮印ボンボニエール》 昭和59年(1984) 銀 1点、《五稜形ゴヨウツツジ文ボンボニエール》 平成18年(2006) 銀 1点 すべて皇居三の丸尚蔵館収蔵 通期展示

慶事を象徴、御成婚を祝う《紅白梅図屏風》、相国寺へ寄進された30幅の国宝《動植綵絵》

皇居三の丸尚蔵館収蔵の伝来品には、皇室の慶事を祝う献上品や、明治時代に献上された歴史的な由来のある作品もあります。 中には《春草蒔絵棚(しゅんそうまきえだな)》(前期展示)のように第二回内国勧業博覧会(明治14年、1881)で明治天皇の行幸の際にお買上げとなった作品も。

今回展示されているのは四季折々の花の美を感じさせる選りすぐりの名品ばかりです。

咲くやこの花《紅白梅図屏風(こうはくばいずびょうぶ)》

安土桃山時代を思わせる豪華な金地を背景に描かれた今中素友(いまなかそゆう)の《紅白梅図屏風》。 苔むした老木に咲く紅梅と白梅の枝が、右隻から左隻へとうねるように広がっています。

能の「難波(なにわ)」の一節「難波津に咲くやこの花ー」が聞こえてきそうな紅白梅の屏風図。苔が生えた幹は太く、広がる枝に咲く花が見事な「名木」の姿として描かれています。 樹木の苔は「苔むす」ほど永遠(とわ)にという意味があり、慶事を象徴しているそうです。

大正13年(1924)、皇太子(昭和天皇)の御成婚を祝して福岡市有志代表・頭山満(とうやまみつる)より献上されたそうです。

 

出典:リビング東京Web

《紅白梅図屏風》 今中素友 大正12年(1923) 絹本金地着色 6曲1双 皇居三の丸尚蔵館収蔵 展示期間:3/11~4/6

京都・相国寺(しょうこくじ)へ寄進された伊藤若冲の国宝《動植綵絵》30幅から前期・後期で2幅ずつ展示

国宝《動植綵絵》は伊藤若冲が相国寺に寄進した30幅の作品です。約10年の歳月をかけて制作されたそうです。

満開の桃の枝に集まる小鳥たち。のどかな春の風景を思わせる《桃花小禽図(とうかしょうきんず)》(右 前期展示)。薄桃色の花の中に2羽の青い小鳥が対角線上に上下に描かれアクセントになっています。

画面を埋め尽くすように牡丹の花が描かれた《牡丹小禽図(ぼたんしょうきんず)》(左 前期展示)。画面中央には牡丹に埋もれてしまいそうな小鳥の姿が。

若冲の緻密な表現は、小鳥や花の1輪1輪に宿る命の彩りや息吹を見逃さぬようにと注がれる画家の眼差しを感じさせます。

相国寺から皇室へ明治22年(1889)に献上されました。後期は《梅花小禽図》と《薔薇小禽図》が展示されます。

 

出典:リビング東京Web

国宝《動植綵絵》30幅のうち右、《桃花小禽図》、左、《牡丹小禽図》 伊藤若冲 江戸時代(18世紀) 皇居三の丸尚蔵館収蔵 展示期間:3/11~4/6

春の訪れと共に咲きそろう花々の名品

皇居三の丸尚蔵館は新施設建設に伴い2025年(令和7)5月7日(水)より一時休館となります。全面開館は2026年(令和8)秋の予定です。

皇居三の丸尚蔵館、「百花ひらく-花々をめぐる美-」は5月6日(火・休)まで。 皇居東御苑も春爛漫の季節を迎え散策に丁度良い季節です。

休館前の貴重な観覧の機会に是非お出かけください。※観覧は予約優先制です。

 

出典:リビング東京Web

手前、《春草蒔絵棚》 新井半十郎、川之邊一朝ほか 明治14年(1881) 木、漆塗、蒔絵 1基 皇居三の丸尚蔵館収蔵 展示期間:3/11~4/6

〇皇居三の丸尚蔵館

URL:https://shozokan.nich.go.jp/

住所:〒100-0001 東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内

TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

開館時間:9:30 ~ 17:00(最終入館は16:30まで)

※毎週金曜・土曜は夜間開館。午後8時まで開館(入館は午後7時30分まで)

※ただし3月28日(金)と4月25日(金)を除く

休館日:月曜日 ※ただし5月5日(月・祝)は開館

※年末年始および展示替え期間・その他諸事情により臨時に休館する場合があります

〇交通アクセス: 大手門(入門してから約100メートル)地下鉄各線の大手町駅(C13a出口)から徒歩約5分、JR東京駅(丸の内北口)から徒歩約15分 大手門以外からの入門※月曜日・金曜日閉門。その他皇居東御苑の公開日時に準ずる。 平川門 地下鉄東西線竹橋駅(1a出口)から徒歩約10分 北桔橋門 地下鉄東西線竹橋駅(1a出口)から徒歩約15分

〇「百花ひらく-花々をめぐる美-」

Flowers: Floral Masterpieces at Sannomaru Shozokan

会場:皇居三の丸尚蔵館

会期:2025年3月11日(火)~5月6日(火・休)

※前期:3月11日(火)~4月6日(日) 後期:4月8日(火)~5月6日(火・休)

※会期中、一部展示替えあり。 入館料:一般 1,000 円、大学生 500 円

※高校生以下および満 18 歳未満、満 70 歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、運転免許証、マイナンバーカードなど)をご提示ください。

※障がい者手帳をお持ちの方およびその介護者 1 名は無料(日時指定不要)。

※予約優先制 ※展示室内は個人利用にかぎって撮影可能です。・「撮影禁止」マークのついている作品は撮影禁止です。 (フラッシュ禁止、また、撮影の際は他のお客様にもご配慮いただき、長時間場所を占有しないようにご注意ください)

※動画、パノラマ撮影はご遠慮ください *詳しくはホームページでご確認ください。

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