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【上野】東京国立博物館「博物館でお花見を」楽しもう!

  • 2025.3.30

春爛漫、日本美術に咲く桜でお花見

東京国立博物館 本館や庭園で毎年恒例の「博物館でお花見を」[2025年3月11日(火)~ 2025年4月6日(日)]が開催中です。

本館展示室では、桜をモチーフにした絵画や書画、浮世絵、染織、漆工、やきものなど春らしい華やかさを感じさせる作品が展示されていました。キャプションに桜マークの付いた関連作品の中に表された桜を探す楽しみもありました。

日本美術に咲く桜で春爛漫のお花見を楽しんでみてはいかがでしょう。

※特別な許可を得て撮影しています。個人利用に限り撮影可能な作品を除き、展示室内は撮影禁止です。撮影の際は注意事項をご確認ください。

出典:リビング東京Web

観桜図屛風 住吉具慶筆 江戸時代・17世紀 西脇健治氏寄贈 東京国立博物館蔵 展示:2月18日(火)~4月6日(日)本館7室

国宝《花下遊楽図屏風(かかゆうらくずびょうぶ)》、高精細で鮮やかによみがえる復元図

桃山時代の息吹を感じさせる狩野長信(かのうながのぶ)筆の国宝《花下遊楽図屏風》。

左隻には、お堂の前で男装して風流踊りをする女性たちと大勢の見物客が描かれています。

慶長年間(1596~1615)に出雲の阿国(いずものおくに)から始まった歌舞伎踊り(かぶきおどり)を舞う女性たちの鮮やかな最新のファッションにも注目です。拍子をとる見物客の歓声が聞こえて来そうな賑やかな春の宴です。

右隻の中央部分は関東大震災で焼損してしまったそうです。残された写真から桜の木の下に集う女性たちの酒宴の様子が描かれていることが分かっています。 この失われた部分を含めて高精細画像により復元された屏風図が、本館1階、特別3室・体験型展示スペース「日本美術のとびら」に展示されていました。

鮮やかに蘇った復元複製には、満開の桜の下で赤い着物の高貴な女性を中心に、思い思いに宴を楽しむ女性たちの様子が描かれていました。 左隻の賑やかに踊る女性たちの躍動感のある画面と対照的な穏やかな花見の風景です。

出典:リビング東京Web

国宝《花下遊楽図屏風》 狩野長信筆 江戸時代・17世紀 紙本着色 東京国立博物館蔵 展示:2025年3月18日(火)~ 2025年4月13日(日)本館2室

出典:リビング東京Web

《花下遊楽図屏風》(復元複製)原本 国宝《花下遊楽図屏風》 高精細複製品 2018年 東京国立博物館蔵 本館1階、特別3室

浮世の春に桜、豊国《花筏(はないかだ)》、広重《青楼花見略図(せいろうはなみりゃくず)》

江戸時代、お花見は庶民の楽しみの一つでした。浮世絵にも江戸名所絵や風景画にお花見が登場でします。

歌川豊国(うたがわとよくに)の《花筏》。「花筏」とは、水面に散った桜の花びらが連なり筏のように固まって流れて行く様子を表した言葉です。 豊国の《花筏》では満開の桜の下、花びらの散る筏の上で男女が花見の宴を楽しむ様子が描かれています。

左は、抒情的な名所風景画で知られる歌川広重(うたがわひろしげ)の《青楼花見略図》。扇面に藍摺で描かれています。

出典:リビング東京Web

右から、花筏 歌川豊国筆 江戸時代・18世紀 間判 錦絵 2枚続、青楼花見略図 歌川広重筆 江戸時代・19世紀 扇面 藍摺 東京国立博物館蔵 展示:2025年3月11日(火)~ 2025年4月13日(日)本館10室

絵画に描かれた桜、近世と近代の名品

江戸時代までの近世絵画と、明治期以降の日本の近代絵画に描かれた名品にも桜を見ることが出来ました。

《勿来関図(なこそのせきず)》

江戸後期の狩野派を代表する画家・狩野〈伊川院〉栄信(かのう(いせんいん)ながのぶ)筆の《勿来関図》(左)。

源義家(みなもとのよしいえ)の和歌「吹く風をなこその関と思へども道もせにちる山桜かな」にちなんだ風景を描いているそうです。 勿来関(なこそのせき)、来る勿(なか)れの関だから風も来ないでくれと思うのに道を塞ぐほどに舞い散る山桜。振り返る赤絲威鎧(あかいとおどし)の騎馬武者は義家でしょうか。緋色の甲冑が薄紅色の桜と山の緑に映える武者絵の大作です。

出典:リビング東京Web

左側、勿来関図 1幅 狩野〈伊川院〉栄信筆 江戸時代・19世紀、吉野山図 1幅 狩野永叔〈主信〉筆 江戸時代・18世紀、唐美人図 1幅 狩野常信筆 江戸時代・17世紀 すべて東京国立博物館蔵 展示:2025年2月18日(火) ~ 2025年4月6日(日)本館 8室

《花下躍鯉(かかやくり)》《釈迦十六羅漢(しゃかじゅうろくらかんず)》

月夜の静けさの中、夜の風景に溶け込むように描かれた水面を鯉が跳ねる水音。かすかな春の風に揺れる桜の枝。飯島光峨(いいじまこうが)筆の《花下躍鯉》(中央)です。

右は横山大観(よこやまたいかん)筆の《釈迦十六羅漢》。釈迦の直説金口の説法を聞き漏らすまいと師を見つめる16人の羅漢さん。ひたむきに法を求める愛弟子を見つめるお釈迦様の柔和な慈愛に満ちた眼差しが印象的です。 お釈迦様を荘厳するかのように桜が描かれた絵画が並びます。

出典:リビング東京Web

右から、釈迦十六羅漢 2幅 横山大観筆 明治44年(1911)、花下躍鯉 1幅 飯島光峨筆 明治7年(1874)、朧月桜花 1幅 木島桜谷筆 昭和時代・20世紀 永井佳子氏寄贈 すべて東京国立博物館蔵 展示:2025年3月18日(火)~ 2025年4月20日(日)本館18室

桜の咲く風景を閉じ込めたような工芸品

陶器や漆工、染織などにも桜の意匠は数多く用いられています。

桜の鍋島(なべしま)《色絵桜樹図皿(いろえおうじゅずざら)》、

皿の中に桜が咲く鍋島《色絵桜樹図皿》。丸い皿のかたちに沿って1本の桜の幹が描かれ、中央に伸びた枝に満開の桜が咲き揃っています。 鍋島はかつて佐賀藩(さがはん)の御用窯として製作され贈答用に使われていたやきものです。丸い皿のかたちを生かした草花鳥図など多彩な図柄が魅力の一つです。

出典:リビング東京Web

色絵桜樹図皿 鍋島 江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵 展示:3月11日(火)~6月1日(日)本館13室

桜の咲く風景そのままに《色絵桜樹図透鉢(いろえおうじゅずすかしばち)》

仁阿弥道八(にんなみどうはち)作の名品《色絵桜樹図透鉢》。

満開の桜の林を器に閉じ込めたようなやきものです。桜が描かれた器の上部に透かしが入り、桜の花房を通り抜ける風を感じさせます。

出典:リビング東京Web

色絵桜樹図透鉢 仁阿弥道八作 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵 展示:3月11日(火)~5月18日(日)本館8室

東京国立博物館の庭園の桜

東京国立博物館の庭園では、約10種類の桜が開花を迎えていました。 庭園の桜と共に桜を描いた日本美術の名品を味わうひとときはいかがでしょう。

本展に関連して桜にちなんだイベントも開催中。 「ボランティアによるガイドツアー・スライドトーク」、「お花見ヨガ in 法隆寺宝物館」や「東博句会「花見で一句」」など様々なイベントが開催されます。(事前申込不要、参加無料。ただし、当日の入館料が必要) 黒田記念館の特別室も2025年3月25日(火)~4月6日(日)の期間に開室されます。※観覧料は無料

東京国立博物館の「博物館でお花見を」は4月6日(日)までです。 是非お出かけください。

出典:リビング東京Web

東京国立博物館 庭園

ミュージアムグッズ

東京国立博物館のミュージアムグッズは、《打掛 紅綸子地流水菊葵梅模様》(部分)の箱がカワイイお香、白檀、竹、桜(1‚650円)、名品ふせん(《見返り美人図》菱川師宣筆 江戸時代・17世紀、《婦人人相十品 ポッピンを吹く娘》喜多川歌麿筆 江戸時代・18世紀)(550円)を購入。

お香の箱にもかすかに移り香があり品のよい香りに癒されました。 ※価格は全て税込みです。

※記載のないものは全て東京国立博物館蔵

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ 東京国立博物館

〇東京国立博物館
URL:https://www.tnm.jp/
住 所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
アクセス:JR 上野駅公園口・鶯谷駅南口から徒歩10分、東京メトロ上野駅・根津駅、京成電鉄京成上野駅から徒歩15分
お問合せ:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
開館時間:9時30分~17時 ※毎週金・土曜日は夜20時まで ※入館は閉館の30分前まで
休 館 日:月曜日(祝・休日の場合は翌平日休館) ※但し3月31日(月)は開館
観 覧 料(総合文化展):一般 1,000 円/大学生 500 円
※特別展は別料金になります。黒田記念館は無料です。
※総合文化展は、事前予約不要です。入館方法の詳細は東京国立博物館ウェブサイトをご確認ください。
※高校生以下、および満18歳未満と満70 歳以上の方は、総合文化展は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
※開館日・開館時間・展示作品・展示期間等、今後の諸事情により変更する場合があります。最新情報は、東京国立博物館ウェブサイト等でご確認ください。

〇博物館でお花見を
会期:2025年3月11日(火)~ 2025年4月6日(日)※会期中一部展示替えがあります。
会場:東京国立博物館 本館、庭園
休館日:月曜日
観覧料:総合文化展の観覧料で入館できます。
※最新の券売情報の詳細は東京国立博物館ホームページをご確認ください。

〇ミュージアムショップ
営業時間:博物館の開館時間に準ずる
TEL:03-3822-0088

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