『トップガン』アイスマン役、ヴァル・キルマーが65歳で死去

俳優のヴァル・キルマーが4月1日（現地時間）、ロサンゼルスで死去した。65歳だった。娘のメルセデス・キルマーが「ニューヨーク・タイムズ」紙に語ったところによると、死因は肺炎だという。オリバー・ストーン監督の『ドアーズ』（1991）ではジム・モリソンを演じ、『バットマン・フォーエヴァー』（1995）でブルース・ウェインを演じた名優は、数年前から咽頭癌と闘っていた。

キルマーは、1984年のコメディ映画『トップ・シークレット！』でエルヴィス・プレスリーをもじった役でスクリーンデビューを飾り、1986年の『トップガン』でトム・クルーズ演じる主人公マーヴェリックの同僚パイロット、アイスマン役で大きな注目を集める。ロン・ハワード監督の『ウィロー』（1988）、西部劇『トゥームストーン』（1993）、マイケル・マン監督の『ヒート』（1995）などに出演し、確固たる地位を築いた。

キルマーは闘病を隠そうとはせず、2021年にはドキュメンタリー映画『ヴァル・キルマー／ 映画に人生を捧げた男』に参加し、さまざまな治療を受けながら回復する日々を公開。俳優として活躍する息子のジャック・キルマーは、父の言葉を朗読して物語のナレーションを担当した。

2022年の『トップガン マーヴェリック』（2022）では、トム・クルーズの働きかけもあり、久々にスクリーン復帰。2014年に喉頭がんの治療で気管切開手術を受けたキルマーは、声を失っていたが、スタートアップ企業ソナンティックの協力を得てAI技術で声を再現。その出来について、キルマー本人は「特別な贈り物だ」と満足していた。

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