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大河ドラマ出演俳優、BL挑戦で脚光 空気さえも変化させる“圧倒的演技力”で魅せるギャップ『40までにしたい10のこと』

  • 2025.7.11

7月5日(金)から、テレビ東京で放送が開始したBLドラマ『40までにしたい10のこと』。2024年にコミックシーモア主催の「電子コミック大賞2024」のBL部門を受賞した同名漫画が原作で、10年以上恋人がいないアラフォー主人公・十条雀を風間俊介が演じている。

実力派俳優が務めるBLドラマ主演

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(C)SANKEI

『40までにしたい10のこと』は、40歳を目前に10年以上恋人なし、会社と家を往復するだけの生活に焦りを覚えた十条雀が「40までにしたい10のことリスト」を書くところから始まる物語。偶然、部下の田中慶司(庄司浩平)に見られてしまい、共にリストをクリアしていくことに。雀の変わり映えしない毎日が、慶司と過ごすことにより少しずつ彩られ、雀は次第に恋愛的な意味で慶司に惹かれるようになっていく。

情報解禁時、風間俊介がBLドラマの主演を務めることにSNSでは驚きと喜びの声が上がった。どんな役も演じこなす成熟した演技力を、BLドラマで観られることは確かに嬉しい。また、『40までにしたい10のこと』の監督とプロデューサーは、第50回 放送文化基金賞「ドラマ部門」優秀賞を受賞し、風間が主演を務めた『初恋、ざらり』と同じ。風間の繊細な演技力を引き出す力を持ったスタッフ陣ということができるだろう。

また、雀の相手役である田中慶司を演じるのは、150名のオーディションから選ばれた庄司浩平だ。雀に密かに思いを寄せつつ、平然とした姿勢を貫く部下としての態度、雀と仲が深まるうちに愛情を溢れさせるようなグラデーションをどのように演じるかが見どころとなるだろう。風間の演技力に庄司がどのように呼応していくのか、ストーリーだけでなく俳優同士の化学反応も楽しめるはずだ。

月9ドラマに大河ドラマも、風間俊介が大活躍の夏クール

現在、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』に鶴屋役として出演中の風間、7月7日(月)からは、月9ドラマ『明日はもっと、いい日になる』にも出演予定だ。

『べらぼう』の鶴屋役では、丁寧な口調と物腰ながら、主人公・蔦屋重三郎をはじめとした吉原者に差別意識を向け、あの手この手で追い詰めようと画策していた人物。淡々として嫌味な口調と冷静さのある笑みが特徴で、なんとも言えない恐ろしさが漂い、本屋として成り上がっていく蔦重にとって敵となる相手だった。風間はこういった恐ろしい役がよく似合う。出世作であるドラマ『3年B組金八先生 第5シリーズ』をはじめ、『それでも、生きてゆく』、近年では映画『先生の白い嘘』など、その場にいるだけで胸糞悪さと恐ろしさを感じさせる存在感がある。

一方で、不思議なことに穏やかで優しい役柄も似合うのだ。長期シリーズとなった月9ドラマ『監察医 朝顔』や『silent』『初恋、ざらり』など、登場人物にとっても視聴者にとっても癒しになる存在として、役柄の繊細な感情を表現するのも抜群にうまいのだ。それぞれの役柄に合わせた声色や表情の作り方によって、まとう空気まで変化させてしまう俳優だ。

『べらぼう』では、第25回で鶴屋と蔦重は和解に至ったため、今後悪役めいた空気は出さないであろう。また、『40までにしたい10のこと』では、かわいらしいおじさん感を、『明日はもっと、いい日になる』では、ベテラン児童福祉司として頼りになる上司ぶりを楽しめるだろう。穏やかでかわいらしい風間を楽しむ夏になりそうだ。


ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202