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国民的アニメの派生作品が“ついにアニメ化”「一番驚いている」「ちょっと待って」一部では年齢に関する“意外な反応”も

  • 2025.9.12
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野原ひろし (C)SANKEI

漫画『野原ひろし 昼メシの流儀』は、一風変わったスピンオフ作品だ。塚原洋一氏による本作は、臼井儀人氏の原作『クレヨンしんちゃん』から生まれた公式派生作である。主人公はもちろん、しんのすけの父・野原ひろし。普段は“父ちゃん”として描かれる彼の、仕事中のランチに焦点を当てた異色の漫画だ。

物語は、営業で外回りをする最中に立ち寄る飲食店など、彼の“昼食シーン”を丁寧に切り取っていく。限られたお小遣いの範囲で、妥協はせずこだわり抜いて選び取る姿は、家庭では見られないひろしの一面を映し出している。

父ちゃんのこだわりが光る「昼の顔」

『クレヨンしんちゃん』での野原ひろしといえば、酔っ払って寝転がる姿や、家族にいじられるユーモラスな父親像が定番だ。しかし本スピンオフでは、ひとりの社会人として、自らのこだわりを昼食という短い時間に凝縮している。

チェーン店にするか、個人店にするか。挑戦するか、無難なものにするか。そんな些細な選択すら真剣勝負。読み進めていると、こちらまで空腹になり、思わず「明日のランチはこれにしよう」と考えてしまうのが本作の魔力だ。

一方で子どもたちにとっては、見慣れた“父ちゃん”の知られざる一面を垣間見る体験となるだろう。家庭での頼りなさやおちゃめさとは違う、大人の男の時間。その落差こそ、この作品の醍醐味といえる。

アニメ化で広がる“昼メシの哲学”

そんな『野原ひろし 昼メシの流儀』は、2025年10月よりアニメ放送が決定している。グルメ作品は数多く存在し、ドラマ化・アニメ化も珍しくなくなった。だが本作は、ただの食を描くだけの作品ではない。社会人であれば昼休みという“限られた時間の尊さ”に共感でき、子どもであれば“父親の知らない顔”に新鮮さを覚えるだろう。

ひろしの飄々とした人柄と、食事に対する真剣なまなざし。そのギャップが映像化されたとき、どんな説得力をもって伝わるのか。『クレヨンしんちゃん』という国民的作品から生まれたスピンオフだからこそ、多世代に楽しめるアニメになるはずだ。

公式XのアニメPV解禁のポストには9月現在で8.8万いいねがついており、ファンからの期待の高さがうかがえる。SNSでは放送を楽しみにする声はもちろん、「最高じゃねぇか」「放送時間がもはやテロ」「飯テロすぎる」という夜11時からの放送時間に対する称賛の声も届いている。また「35歳だったことに一番驚いている」「いつの間にかヒロシより歳上になってた」「ちょっと待って「野原ひろし(35)」?!」という声も多数見られた。長年続く作品だからこそ、キャラクターの年齢や設定が視聴者の実感とズレてしまう瞬間もあり、その意外性が話題になるのだろう。こうした意外性こそ、長寿作品ならではの楽しみ方の一つとも言える。

家族を支える“父ちゃん”が、ひとりで向き合う昼食の時間。その小さなドラマが、どんな形で映像として描かれるのか。今から楽しみでならない。


ライター:柚原みり。シナリオライター、小説家、編集者として多岐にわたり活動中。ゲームと漫画は日々のライフワーク。ドラマ・アニメなどに関する執筆や、編集業務など、ジャンルを横断した形で“物語”に携わっている。(X:@Yuzuhara_Miri