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権力欲が生んだミュンヘンのレジデンツ宮殿。ドイツ最大の都市宮殿が「異常なまでに豪華」な理由

  • 2026.11.3

バイエルンの栄華を今に伝える、レジデンツ宮殿とニンフェンブルク宮殿。

ヴィッテルスバッハ家の本宮殿と夏の離宮を訪れれば美と歴史を体感できる。


野望に呑まれた選帝侯の青写真

華麗なるロココの廊下に仕込まれた皇帝への道

レジデンツ宮殿の祖先画ギャラリーからヨーロッパや東アジアの陶磁器コレクション展示室へとつづく廊下。壁の装飾が美しい。

ミュンヘンの街の中心地にあるレジデンツ宮殿は、1508年から4世紀以上にわたり、バイエルンの宮廷、また政治の中心としての役割を担ったドイツ最大の都市宮殿だ。各時代の最高峰の宮廷建築家の手によって、多様な建築様式が融合している。

見学ルート最初の見どころは、美しく額装された100点以上の肖像画が並ぶ「祖先画ギャラリー」だ。

祖先画ギャラリーにあるルートヴィヒ2世の肖像画。バイエルン王国が崩壊するまで、祖先画ギャラリーには肖像画が追加され続けた。

この一角ほど、時の選帝侯カール・アルブレヒトの野望と政治的戦略があらわれている部屋はないだろう。1726年、選帝侯に即位した彼は、すぐに宮殿の大改築に取り組む。

このギャラリーの建築を発注し、ヨーロッパの父といわれるカール大帝の正当な系譜であることを主張する家系図と、彼の肖像画をねつ造し掲げた。ヴィッテルスバッハ家の悲願、神聖ローマ帝国の皇帝の座を手に入れるための、我こそがそれにふさわしい血統であるという、超豪華なプロパガンダ・キャンペーンだった。

マイセンや日本、中国からの陶磁器コレクションを展示。
アンティクヴァリウムを飾る彫刻。

16世紀に造られたアンティクヴァリウムも必見だ。樽形天井にアーチ窓から差し込む光が、夢のように美しいこの空間は、アルブレヒト5世の古代彫刻コレクションを飾るために建設された。

アルブレヒト5世が自身の膨大な古代彫刻を展示するために建設したアルプス以北で最大のルネサンス様式の広間アンティクヴァリウム。

4世紀にわたる歴代領主の趣味や野望に思いを馳せながら、ゆっくりと各部屋を巡りたい。

Residenz München(レジデンツ宮殿)

レジデンツ宮殿の中庭。

所在地 Residenzstraße 1, 80333 München
電話番号 089 290671
開館時間 9:00~18:00(最終入場 17:00)、10月20日~3月27日は10:00~17:00(最終入場16:00)
定休日 無休
料金 10ユーロ~
https://residenz-muenchen.de/

文=安田和代(KRess Europe) 写真=小野祐次 コーディネート=見市 知

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