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「おまんじゅうと干し芋とリンゴ」たった3つの選択肢が覚えられなくなった母<母の認知症介護日記>

  • 2026.10.31

アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
先日、姉・なーにゃんが母・あーちゃんと用事を済ませて施設へ戻ってきたときのこと。ちょうど、玄関口からご遺体がストレッチャーで運び出されていました。刺激が強い光景に、あーちゃんも動揺している様子です。そこで、なーにゃんはそのまま施設の周りを少し歩くことにしました。しばらくしてから戻ると、あーちゃんはさっきのことをすっかり忘れているようで、笑顔が戻っていました。普段は困っている近時記憶(最近の出来事に関する記憶)の低下も、今回ばかりは助けになる形となりました。そんなあーちゃんは、相変わらず着替えがちゃんとできていないようで、明らかに少ない洗濯物を見て、ワフウフさんは毎回頭を悩ませています。さりげなく着替えを促しても抵抗を見せるだけで、どうすればきちんと着替えてもらえるのか、ワフウフさんは正解を見つけ出せずにいました。

先日、なーにゃんが面会に行くと、あーちゃんは同じ施設で暮らしているAさんと将棋をしていました。「頭を使えばボケ防止になるかと思ってね!」と笑顔で話していたあーちゃんですが、実はAさんから将棋を教わるようになったころにも、同じセリフを言っていました。しばらくして、なかなか覚えられない将棋におもしろさを感じなくなったあーちゃんは、Aさんから頻繁に将棋に誘われることが嫌になり、誘いを断ったのですが、以前のそんなやりとりも、今は忘れてしまっているようです。同じやりとりを繰り返しそうな気もしますが、後腐れがなくていいのかもしれません。そんな日々の中、今月も父から生活費を請求するメールが届きました。自宅に住んでいない妻に対し、毎月自分だけで使った光熱費などを半分請求する父に、ワフウフさん姉妹はあきれ顔。メールには、あーちゃんのことを心配する一文も添えられていたものの、父の関心があーちゃんのお金にあることは、お見通しです。

選択肢が増えてもありがたくない…?

あーちゃんがなーにゃんの家でお風呂に入るときは、お風呂上がりになーにゃんが飲み物と少しのおやつを用意します。先日、なーにゃんがおやつの選択肢をあーちゃんに伝えると……。

あーちゃんは、すぐに聞き返してきました。

なーにゃんが残りの選択肢を伝えますが……。

また聞き返されてしまいます。

なーにゃんが再び伝えると……。

やはり、覚えていられないあーちゃん。

何度もこのやりとりを繰り返し、選択肢の一番最初しか覚えられない状態のあーちゃんは、結局おまんじゅうを選んでいました。

よかれと思って選択肢を増やしても、あーちゃんにとってはそこまでありがたくないのかも……? 本人は、甘いものが食べられれば満足のようなので、そこまで深く考える必要もなさそうです。

あーちゃんがなーにゃんの家でお風呂に入るときは、なーにゃんはお風呂上がりに飲み物と少しのおやつを用意しています。先日は、あーちゃんに「おまんじゅうと干し芋とリンゴ、どれがいい?」と聞くと、「おまんじゅうと……えーと、何?」と聞き返されました。そこで、「干し芋とリンゴ!」と伝えたのですが……。

「干し芋と……何?」あーちゃんがさらに聞き返すので、なーにゃんが「リンゴ!」と答えると、今度は「えーと、リンゴと……何?」と、3つの選択肢を覚えておくことができず、あーちゃんはなかなか選ぶことができません。何度言ってもこの繰り返しで、一度に複数の選択肢を覚えておくことが難しい状態が続き、結局あーちゃんはおまんじゅうを選びました。

1年前に受けた要介護認定の認定調査でも、短期記憶を確認する質問に、あーちゃんは答えることができませんでした。良かれと思って選択肢を増やしても、あーちゃんにとってはかえって負担なのかもしれません。でも、あーちゃん自身は甘いものを食べられれば満足のようなので、私たちが深く考える必要はなさそうです。

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あーちゃんのためを思っておやつの選択肢を増やしたはずが、かえって混乱させてしまったようですね。本人の状態に応じて、介護の方法を変えていくことも必要です。試行錯誤を繰り返しながら、お互いにストレスなく過ごせる介護を目指したいですね。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!


著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ

ベビーカレンダー/シニアカレンダー編集室

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