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「ドアの前くらい、自由に使わせてよ」共用通路にスーツケースを置き続ける住人。だが、消防点検の担当者が伝えた正論

  • 2026.11.1
「ドアの前くらい、自由に使わせてよ」共用通路にスーツケースを置き続ける住人。だが、消防点検の担当者が伝えた正論

少しずつ増えていく玄関前の荷物

私が住むマンションの2つ隣には、カップルが暮らしています。

気になっていたのは、その部屋の玄関前に置かれた荷物でした。

最初は大きな玄関マットだけでした。ドアの前から通路の真ん中近くまで広がっていて、通るたびに足を引っかけそうになります。

そのうち、ドアの横に物が詰まった衣装ケースが置かれ、さらに大きなスーツケースまで並ぶようになりました。

共用通路はすっかり狭くなり、買い物袋を持っていると、体を横にしなければ通れません。

ある日の昼、ちょうどその部屋の女性が出てきたので、思い切って声をかけました。

「すみません。ここの荷物なんですけど、少し片づけてもらえませんか?」

女性は荷物に目をやり、困ったような顔をしました。

「部屋に置く場所がなくて。ここじゃダメですか?」

「通るときに、結構狭くて…」

すると、女性の表情が変わりました。

「でも、通れますよね?ドアの前くらい、自由に使わせてよ」

そう言うと、女性は部屋に戻ってドアを閉めてしまいました。

私としては実際に困っているからお願いしたのですが、これ以上話しても聞いてもらえそうにありません。

それからも荷物はそのままで、私は毎回、体を横にして通るしかありませんでした。

消防点検の日、担当者が足を止めた

しばらくして、マンションの消防点検の日がやってきました。

昼過ぎ、私は自分の部屋のドアの前で点検の順番を待っていました。

すると、通路を歩いてきた点検担当者が、2つ隣の部屋の前で足を止めたのです。

担当者は玄関前の荷物を確認し、用紙に何かを書き込んでからインターホンを押しました。

ドアを開けたのは、以前私が声をかけた女性でした。

「すみません。この荷物なんですが、普段からここに置かれていますか?」

「ええ。置くところがないので」

「そうなんですね。ただ、ここは避難するときにも使う通路なので、荷物は室内に移していただきたいんです」

女性は少し戸惑った様子で答えました。

「でも、うちのドアの前ですよ?」

「ドアの前も共用の通路なんです。これだけ荷物があると、避難するときに危ないので」

担当者は荷物を見ながら続けました。

「管理会社にも状況を伝えておきますので、片づけをお願いします」

女性は何か言いかけましたが、結局、何も言い返しませんでした。

開いたドアの内側には同居の男性もいて、気まずそうに視線をそらしていました。少し離れたところにいた住人たちも、そのやり取りに目を向けていました。

女性は小さくうなずき、荷物のほうを見つめていました。

その日の夕方、買い物から戻ると、衣装ケースとスーツケースがなくなっていました。

大きな玄関マットも、ドアの幅に収まる小さなものに替わっています。

私がお願いしたときには取り合ってもらえませんでしたが、避難時の危険性を説明されて、ようやく片づける気になったのかもしれません。

何よりうれしかったのは、買い物袋を持ったまま、普通に通れるようになったことです。

あの部屋の前をまっすぐ歩きながら、ようやくほっとすることができました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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