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時間指定して家にいたのに、ドアポストには不在票。次の日、私は玄関のドアの前で待つことに

  • 2026.11.8
ハウコレ

次の日、同じ時間帯を指定し直した私は、靴を履いたまま玄関先に腰を下ろしました。外階段を上がってくる足音が、ドアの前で止まります。一度も鳴らなかったチャイムの代わりに、ドアポストの底には不在票が一枚入っていました。

時間指定した荷物を待っていた

次の週末に実家へ持って帰るつもりで、母へのひざ掛けを注文していました。受け取りは、在宅勤務の日に合わせて時間帯を指定してあります。実家に帰る日までに受け取れる枠は、それほど多くありません。

その日はリビングでパソコンを開き、チャイムを聞き逃さないようイヤホンも外していました。指定した時間帯が終わっても、玄関からは何の音もしません。遅れているのだろうと思い、仕事の区切りがついたところで廊下に出ました。

ドアポストの紙には、私の部屋番号と、時間帯のちょうど真ん中あたりの時刻が書かれていました。インターホンの来訪履歴を開いても、その時間帯の記録は一件もありません。

私は再配達の依頼画面で、次の日の同じ時間帯を選び直しました。

次の日は、玄関で待つことにした

次の日、指定の時間帯に入ると、私は靴を履いて玄関先に腰を下ろしました。リビングのテレビは消し、スマホも通知音を切って膝の上に伏せておきました。チャイムが鳴ったら、すぐに鍵を開けるつもりです。

しばらくして、アパートの外階段を上がってくる足音が聞こえました。足音は私の部屋の前で止まり、それきり続きません。

チャイムが鳴るのを待って、私は膝の上で両手を組みました。けれど、ボタンが押される音はいつまでたっても聞こえてきません。そのかわり、ドアポストの蓋に、外から何かが触れる気配がしました。

不在票が落ちた瞬間、ドアを開けた

カタン、と蓋が鳴り、白い紙が玄関のたたきに落ちました。私は立ち上がって鍵を回し、ドアを押し開けました。目の前には、段ボール箱を片腕に抱えた配達員の男性が立っていました。もう片方の手は、まだドアポストのそばにあります。

「いますよ」

私がそう言うと、男性は「あ……」と言ったきり、抱えた箱に目を落としました。

「昨日も、この時間に家にいました」

続けてそう伝えると、男性は頭を下げて「申し訳ありません」と言いました。

私はたたきに落ちた紙を拾い、男性に差し出しました。

「これ、お返しします」

男性は紙を受け取り、代わりに箱をこちらへ渡しました。もう一度頭を下げると、外階段を下りていきました。下りていく足音は、上がってきたときより速く聞こえました。

そして...

ドアを閉めてから、受け取った箱を抱えたまま、もう一度だけドアを細く開けました。

外のインターホンのボタンは、ちょうど私の肩の高さにあります。手を伸ばせば、誰でも届く位置です。

ドアポストまで来ていながら、あの人はなぜ、このボタンを押さなかったのでしょうか。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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