1. トップ
  2. 【試泊レポ】テレビのない森のヴィラで“何もしない”贅沢を体験!「箱根リトリート」で過ごす1泊2日

【試泊レポ】テレビのない森のヴィラで“何もしない”贅沢を体験!「箱根リトリート」で過ごす1泊2日

  • 2026.10.13

箱根・仙石原の豊かな森に囲まれた「箱根リトリート före & villa 1/f」(以下、箱根リトリート)。宿泊は北欧モダンのホテルと温泉付きのヴィラの2タイプから選べる。森を散策し、温泉に浸かり、薪ストーブの炎をぼんやり眺める。そんな静かな時間を過ごしていると、いつの間にかスマートフォンに手を伸ばすことも少なくなっていたことに気づく…。“何もしないこと”を楽しむ1泊2日の箱根ステイを紹介しよう。

“リトリート”とは、日常から離れ、心と体をゆっくり休める時間のこと。豊かな森に包まれた箱根リトリートでは、建物から建物へと歩くひとときも、その時間の一部になる
“リトリート”とは、日常から離れ、心と体をゆっくり休める時間のこと。豊かな森に包まれた箱根リトリートでは、建物から建物へと歩くひとときも、その時間の一部になる
歴史ある日本建築と箱根の豊かな自然が溶け合う景色も、箱根リトリート滞在の魅力のひとつ
歴史ある日本建築と箱根の豊かな自然が溶け合う景色も、箱根リトリート滞在の魅力のひとつ

森の中のヴィラ「ゆらぎ」へ。日常から離れる箱根ステイ

箱根リトリートの大きな特徴は、広大な森の中に宿泊施設やレストランなどが点在していること。北欧モダンなホテル「före(フォーレ)」と、森に溶け込むように建つ温泉付きのヴィラ「villa 1/f(ヴィラ ワンバイエフ)」という趣の異なる2つの宿泊スタイルがあり、villa 1/fには全18棟の独立したヴィラが用意されている。

レセプションとレストランが入る建物。大きなガラス面越しに、箱根の豊かな緑を身近に感じられる
レセプションとレストランが入る建物。大きなガラス面越しに、箱根の豊かな緑を身近に感じられる

今回滞在したのは、villa 1/fの温泉スイート「ゆらぎ」。森の中を進んで客室へ向かう時間から、すでに“リトリート”は始まっている。周囲を見渡せば木々の緑が広がり、耳を澄ませば鳥の声や葉が揺れる音が聞こえてくる。ホテルの廊下を歩いて客室へ向かうのとは、また違った感覚だ。

森の中に佇む温泉スイート「ゆらぎ」。一棟独立型で、周囲を気にせずゆったりと滞在できる
森の中に佇む温泉スイート「ゆらぎ」。一棟独立型で、周囲を気にせずゆったりと滞在できる
太い梁や無垢材を活かしたインテリア。照明を落とした夜は、木のぬくもりがいっそう際立つ
太い梁や無垢材を活かしたインテリア。照明を落とした夜は、木のぬくもりがいっそう際立つ

室内にはゆったりとくつろげるリビングとベッドスペースが広がり、存在感のある一枚板のテーブルや木の梁が印象的。ホテルの一室というより、箱根の森の中に自分たちだけの別荘を持ったような感覚で過ごすことができる。

リビングから寝室スペースでひと続きになった、開放感のある空間
リビングから寝室スペースでひと続きになった、開放感のある空間

そして、室内を見渡していて気が付くことがある。テレビがない。普段なら何となくテレビをつけたり、空いた時間にスマートフォンを眺めたりしてしまうものだが、ここではどうやら、そんな日常とは違う時間を過ごせそうだ。

客室にはミネラルウォーターやコーヒーなどを用意。好きな場所に腰を落ち着け、気ままにひと息
客室にはミネラルウォーターやコーヒーなどを用意。好きな場所に腰を落ち着け、気ままにひと息

温泉・薪ストーブ・テレビのない部屋。「何もしない」が心地いい

滞在して特に気に入ったのが、客室に備えられた温泉だ。大浴場へ出かける必要がないので、「入りたい」と思ったらすぐに温泉へ。時間を気にせず、滞在中に何度でも湯浴みを楽しめることの贅沢さ…。湯船を満たす温泉とともに、ヒノキの優しい香りに包まれるのも心地いい。誰にも気兼ねすることなく温泉に身を委ね、のんびり過ごせるのは客室温泉ならでは。

泉質はナトリウム-塩化物温泉。湯上がりの肌はつるつるで、体の芯から温まる
泉質はナトリウム-塩化物温泉。湯上がりの肌はつるつるで、体の芯から温まる

湯上がりには、リビングの薪ストーブの前へ。薪に火を入れると、ゆらゆらと揺れる炎とともに、薪のはぜる音が響く。炎を見ているだけなのに、なぜか飽きない。何かをしなければ、という気持ちまで次第に薄れていくようだ。

薪ストーブに火を入れると、炎の明かりが室内を柔らかく照らす
薪ストーブに火を入れると、炎の明かりが室内を柔らかく照らす

テレビがないことも、ここへ来るとむしろ心地いい。窓の外から聞こえてくるのは、風に揺れる木々のざわめきや鳥のさえずり。もちろんWi-Fiは利用できるので、デジタル機器が「使えない」わけではない。それでも、この環境に身を置いていると自然とスマホ画面から目を離したくなる。温泉に入り、炎を眺め、森の音を聞く。普段なら「何もしていない」と思ってしまいそうな時間が、ここでは何よりも贅沢なのだ。

百年の時を受け継ぐ料亭「俵石」で味わう、特別な夜

夕食は、villa 1/fの敷地内にある料亭「俵石」へ。その舞台となるのは、1914年に開業した温泉旅館「俵石閣」の歴史を受け継ぐ建物。長い年月を重ねてきた日本建築の趣が随所に残り、先ほどまで過ごしていたモダンなヴィラとはがらりと雰囲気が変わる。

今回夕食をいただいたのは、1960年に当時の皇太子殿下(現在の上皇陛下)が宿泊した際に利用された由緒ある部屋
今回夕食をいただいたのは、1960年に当時の皇太子殿下(現在の上皇陛下)が宿泊した際に利用された由緒ある部屋
館内に残る皇太子殿下御来泊時の記念写真。「俵石閣」が歩んできた歴史を今に伝えている
館内に残る皇太子殿下御来泊時の記念写真。「俵石閣」が歩んできた歴史を今に伝えている
窓の向こうに庭を望む一室。建具や天井など、長い年月を経た建物ならではの意匠にも目を奪われる
窓の向こうに庭を望む一室。建具や天井など、長い年月を経た建物ならではの意匠にも目を奪われる
庭の緑を望む空間にも往時の趣が残る
庭の緑を望む空間にも往時の趣が残る

いただいたのは、四季折々の食材を取り入れた日本料理。一皿ずつ運ばれてくる料理は、味わいはもちろん、器や盛り付けからも季節が感じられる。魚介の持ち味を活かした刺身や、繊細な出汁の風味が広がる椀物など、料理ごとに表情が変わり、ゆっくりと味わう時間そのものが楽しい。

目にも鮮やかな前菜の盛り合わせ。海老や牛肉、旬の野菜など、多彩な味わいを少しずつ楽しめる
目にも鮮やかな前菜の盛り合わせ。海老や牛肉、旬の野菜など、多彩な味わいを少しずつ楽しめる
この日のお造りは旬魚の盛り合わせ。マグロなど、その時季ならではの魚を土佐醤油とともに味わう
この日のお造りは旬魚の盛り合わせ。マグロなど、その時季ならではの魚を土佐醤油とともに味わう
ふっくらと仕立てた鱧に、叩きオクラや梅肉を添えた煮物椀。澄んだ出汁の上品な味わいが広がる
ふっくらと仕立てた鱧に、叩きオクラや梅肉を添えた煮物椀。澄んだ出汁の上品な味わいが広がる
強肴は黒毛和牛フィレ肉に、トウモロコシとズッキーニを添えて。昆布醤油でいただく一品
強肴は黒毛和牛フィレ肉に、トウモロコシとズッキーニを添えて。昆布醤油でいただく一品

慌ただしく食事を済ませるのではなく、料理が運ばれてくるたびに目で楽しみ、味わい、次のひと皿を待つ。百年を超える歴史を重ねてきた空間でいただく夕食は、「ゆらぎ」で静かに過ごした一日の締めくくりにもよく似合う。

「俵石閣」時代の宿泊料金表も現存。1950年当時は、1泊2食付きで1人500円から1500円だったことがわかる
「俵石閣」時代の宿泊料金表も現存。1950年当時は、1泊2食付きで1人500円から1500円だったことがわかる

朝食後も急がない。チェックアウトまで“もうひと休み”

翌朝の朝食は、「WOODSIDE dining」でのブッフェを選んでみた。開放的なダイニングに料理が並び、好きなものを少しずつ選べる朝食は、静かな「俵石」で味わった前夜の夕食とはまた違った楽しさがある。

大きな窓から緑を望む開放的な空間で、ブッフェスタイルの朝食を味わえる
大きな窓から緑を望む開放的な空間で、ブッフェスタイルの朝食を味わえる

「WOODSIDE dining」の自慢は、薪火を活かした料理。オープンキッチンには薪が積まれ、朝食でも薪火で香ばしく焼き上げた料理が楽しめる。肉の旨味が食欲を誘うバーガーをはじめ、エッグベネディクトなどの洋食メニューもそろい、朝からついあれこれ手を伸ばしたくなる充実ぶりだ。

店内のオープンキッチンでは、薪火を使って豪快に調理
店内のオープンキッチンでは、薪火を使って豪快に調理
薪釜でグリルされたベーコンとパテが香ばしい「WOODSIDE特製BLTバーガーサンド」
薪釜でグリルされたベーコンとパテが香ばしい「WOODSIDE特製BLTバーガーサンド」
とろりとしたソースをまとったエッグベネディクトとサーモン。洋食派にはうれしい朝のひと皿
とろりとしたソースをまとったエッグベネディクトとサーモン。洋食派にはうれしい朝のひと皿

ただ、朝食を終えてすぐに出発するのはもったいない。箱根リトリートは、宿泊者が自由に過ごせる共用スペースも充実している。「cafe & lounge」では宿泊者向けのドリンクサービスがあり、コーヒーを片手にゆっくり過ごせるほか、売店も併設。さらに足を延ばしたいのが「free bird & terrace」。自由に手に取れる本が並ぶライブラリーがあり、気になる一冊を読みながらのんびり過ごせる。屋外のテラスに出れば、木々を間近に感じながらひと休み。客室とはまた違った場所で、それぞれ思い思いの時間を楽しめる。

木々に囲まれたテラスにはテーブルやチェアをゆったり配置
木々に囲まれたテラスにはテーブルやチェアをゆったり配置
ライブラリーでは、大きな窓から緑を眺めながら、読書タイムを満喫
ライブラリーでは、大きな窓から緑を眺めながら、読書タイムを満喫
チェックアウトまでの時間、「cafe & lounge」でコーヒーブレイク
チェックアウトまでの時間、「cafe & lounge」でコーヒーブレイク

さらに、villa 1/fの客室温泉とは趣の異なる大浴場「ONSEN f」へ足を運ぶのもいい。朝食後にもう一度湯に浸かったり、ラウンジでコーヒーを飲んだり。チェックアウトは11時なので、朝の時間まで急かされることなく過ごせるのがうれしい。

大きな窓の向こうに緑が広がる「ONSEN f」。客室風呂とはひと味違う、開放感のある湯浴みが楽しめる
大きな窓の向こうに緑が広がる「ONSEN f」。客室風呂とはひと味違う、開放感のある湯浴みが楽しめる

季節ごとの楽しみを見つけて、気が向けば箱根散策へ

箱根リトリートでは、滞在を彩るさまざまな体験も用意されている。「free bird & terrace」では、好みの食材を自分で燻製して味わう「Smoke de Otsumami」が登場。森の中に立ち上る燻製の香りに包まれながら、のんびりと出来上がりを待つ時間も楽しい。

「Smoke de Otsumami」(3000円)。ドライフルーツやビーフジャーキー、エイヒレなど、好みの食材を選んで燻製に
「Smoke de Otsumami」(3000円)。ドライフルーツやビーフジャーキー、エイヒレなど、好みの食材を選んで燻製に

もう少しアクティブに過ごしたくなったら、宿泊者向けの電動アシスト自転車を利用するのもおすすめ。高低差のある仙石原でも移動しやすく、周辺散策の選択肢が広がる。箱根ガラスの森美術館は宿から徒歩約7分と近いので、歩いて立ち寄るのはもちろん、自転車なら周辺の自然や美術館へも気軽に足を延ばせる。

宿泊者向けに電動アシスト自転車のレンタルも用意。仙石原の自然や周辺スポットを気ままに巡る足として活用したい
宿泊者向けに電動アシスト自転車のレンタルも用意。仙石原の自然や周辺スポットを気ままに巡る足として活用したい
電動アシスト自転車ならアップダウンのある箱根散策も軽快
電動アシスト自転車ならアップダウンのある箱根散策も軽快

温泉に入り、薪ストーブの炎を眺め、風に揺れる木々の音や鳥のさえずりに耳を澄ます。気が向けば外へ出て、箱根の自然やアートを楽しむ。「何もしない時間」も「出かける時間」も、その日の気分に合わせて自分で選べばいい。予定をぎっしり詰め込むのではなく、自分のペースを取り戻す。「箱根リトリート」での滞在は、そんな旅の心地よさを教えてくれる1泊2日だった。忙しい日常から少し離れたくなったら、森の中で自分の時間を取り戻す「箱根リトリート」へ。次の箱根旅の目的地に加えてほしい。

箱根リトリート före & villa 1/f

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1286-116

アクセス:【電車】箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山バスで約23分、俵石・ガラスの森バス停下車徒歩約5分 【車】東名高速御殿場ICから約23分

取材・撮影・文=近藤鈴佳、水島彩恵

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ