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ミスの原因は「考えながら打つ」から⁉パットがすぐ上達する方法

  • 2026.10.12

パットが上手と下手の違いは技術力の差もあるが、結構な割合を占めるのが「脳波」だといわれている。

脳波を計るフォーカスバンドを使用してプロのパット上達にも貢献している佐々木信也氏とその理論を実践・指導している橋本真和コーチは「ショットもそうですが、パットのうまいゴルファーは右脳を活発に働かせています」という。

そこで、右脳を使う方法をレクチャーしよう。

フォーカスバンドとは?

頭にベルトを巻いて脳波を調べる器具。脳波を計測し、脳の活動状態をリアルタイムで解析するというスグレもの。脳と心のトレーニングデバイスとして、最近ではゴルフのパフォーマンスを上げるために活用されている。パットにも大きな成果が出るという。

基本的に普段はβ波が活発に働いている

人間の脳波にはα波とβ波があり、それぞれ活動している。また、脳もふたつにわかれ、左脳は「考える・話す・書く」などの分析力や論理的思考を司る。そして、脳波はβ波が活発に活動し、何らかの思考をつねに働かせているのだが、パットを打つときはこの思考が邪魔をするケースが多々ある。

パットを打つときはα波を働かせる

一方、右脳は「ひらめき・直感」などのイメージ力や想像力を司っている。思考モードではなくイメージモードだとα波が優位になりやすく、ゴルファー自身がもともともっている運動能力を妨げない。心もリラックスでき、プレーのパフォーマンスが上がりやすいという効果がある。

カップの入り口を決めてラインをイメージする。α波が優位の状態でイメージモードのままストロークできると、パフォーマンスを高めやすい(左)

「これを外したらどうしよう」「さっき外したから今度は入れなきゃ」など、不安な考えが先行すると左脳が働く(右)

パットがよく入る人⇒右脳=α波
感覚認識、視覚イメージ、プレーへの集中力アップなどImaginationを引き出す(左)

パットが入らない人⇒左脳=β波
思考、分析、予想、未来の失敗予想などのThinkingはダメ(右)

決断するまではしっかりと思考を働かせよう

ミスの原因は「考えながら打つ」から⁉パットがすぐ上達する方法
1ラインを読む、2ボールに近づく、3フェースをセット、4アドレスが完成、5ストロークをする

佐々木 ゴルフは耳と耳の間のスポーツといわれるほど考える時間が長い。でもボールを打つときまで思考を働かせすぎるのはよくありません。

橋本 こうしなきゃ、ああしようなどと考えたところで体が緊張してしまうだけ。打つ段階になっていろいろな脳指令を出しても、体はそのとおりには動きませんよね。

佐々木 β波がダメということではない。グリーンの傾斜読みやラインの判断などは、思考や分析が伴うから左脳にβ波が働きますし、これがないと注意散漫になりやすい。しかし、そのままストロークに入ってはいけません。

橋本 「よし行くぞ!」と決断を下すまでは左脳をしっかり働かせて、その作業を終えてからすぐにイメージ主体に切り替えることが大事ですよね。フェースをセットし、アドレスへと移る段階で右脳へとスイッチするのがベスト!

佐々木 脳波的にいって右脳にα波が優位な状態をいかにつくり出すかが決め手となる。α波を出そうということではなく、イメージを高めて頭の中をα波で満たしましょうということです。

ラインを読むときはまだ左脳とβ波が働く

グリーンの傾斜を読んだり、ラインはこんな感じかなと思考が働いたりしているうちは左脳とβ波が活動している

構えたらすぐにテークバックを開始

構えてからモジモジしているとさまざまな思考や不安が生じてしまう。イメージが消えないうちに打ち終えることが大切

ラインのイメージは人それぞれ

ミスの原因は「考えながら打つ」から⁉パットがすぐ上達する方法
仮想カップへのストレートライン(黄色線)、傾斜に沿って曲がるライン(白線)

傾斜を読んでカップに向かって曲がっていくラインをイメージするタイプと、曲がり幅に合わせて仮想カップを想定し、そこを真っすぐ狙うタイプがいる。感覚的にマッチしているやり方を選ぶといい

距離感は手で転がすイメージ

ミスの原因は「考えながら打つ」から⁉パットがすぐ上達する方法
目で見た感覚に任せて転がす

距離感は目で見た情報から感知するもので、思考に委ねてはいけない。ボールを右手に持ったら、カップを見たまま転がす感覚が有効

ミスの原因は「考えながら打つ」から⁉パットがすぐ上達する方法
アドレスを作り始める段階からα波への切り替えを習慣づけましょう

ターゲットを意識しボールはボンヤリと見る

ミスの原因は「考えながら打つ」から⁉パットがすぐ上達する方法
ワン、ツー、スリーのリズムを意識しよう音楽などを聴きながらパットの練習をすると大きな効果がある好きな曲のメロディをイメージするのもリラックス効果が高いワンでアドレス(左)ツーでテークバック(中央)スリーでフィニッシュ(右)

佐々木 ヘッドを真っすぐ引こう、手をこう動かそうなどの脳指令は邪魔者でしかない。パットの確率を上げるには、脳が邪魔する要素をいかに減らすかがカギとなります。

橋本 できるだけ邪念を捨てて気持ちをリラックスさせることが大切。軌道やフェースに意識がいくと余分な思考が働きやすいから、自分のリズムやストロークのスピードに意識をもつのがいいです。

佐々木 僕はサザンオールスターズの曲が好きで、『栞のテーマ』のテンポと拍子はとくにストロークに合います。

橋本 音楽を聴くと心がリラックスして完全α波状態になる。ストロークに合うことが前提ですが、好きな曲をイメージするのもプレーのパフォーマンスを上げるコツです。

佐々木 きっちり打とうとしすぎるほど体や腕がスムーズに動かない。ボールを見ていても、心はターゲットに向けておく。要するにボールはボンヤリと見ていればいいのです。

進みたいところに意識がいけば右脳が勝ちます(左)体の近くを意識すると左脳が勝ってしまいます(右)

軌道やフェース面の意識はNG

「パターを真っすぐ振ろう」「フェースにきちんと当てよう」などと考えるのは、体の緊張が高まるだけ。スムーズに振れなくなってしまう

目標意識を高める練習も大事

ミスの原因は「考えながら打つ」から⁉パットがすぐ上達する方法
ボールを見ていてもターゲットを意識仮想のカップに真っすぐ打つイメージ曲がるラインのイメージ

自分でラインをイメージ化したら、ボールを見ていても意識をカップやラインに向けておくのがポイント。難しいが、こうしたトレーニングを積んでおくのも大事だ

ウェイターが参考になる

ミスの原因は「考えながら打つ」から⁉パットがすぐ上達する方法
コップを落とさずに颯爽と歩けるウェイターは、お客さんが待つ遠くの場所を見ていて手元は見ていない(左)コップを落とさないことに気を奪われて手先ばかり見ると、歩き方までぎこちなくなる(右)

いかがでしたか? 右脳を動かす意識でパッティングに挑戦しましょう。

指導=佐々木信也
●ささき・しんや/1975年生まれ。東京大学卒業後、コンサルティング、ベンチャー企業経営を経てエンジョイゴルフ&スポーツジャパンを設立。脳、運動学習、メンタルの観点からパッティング解明、研究を行っている。

実演=橋本真和
●はしもと・まさかず/1984年生まれ。エンジョイゴルフ&スポーツジャパンのスタッフ。ゴルフテクノロジーに精通し、CAPTOパッティング解析、弾道解析、3Dコーチとして多くのプロ、アマチュアのサポートをしている。

構成=三代崇
写真=相田克己
協力=千葉カントリークラブ梅郷コース

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