1. トップ
  2. エピソード
  3. 「国産、おいしそうだよ」安いうなぎを選んだはずの父。だが、レジの金額を聞いて固まった瞬間

「国産、おいしそうだよ」安いうなぎを選んだはずの父。だが、レジの金額を聞いて固まった瞬間

  • 2026.10.9

「1000円ので十分」と言い切った私

今年の夏、土用の丑の日が近づいたある夕方のことです。

60代の私は、泊まりがけで遊びに来ていた30代の娘と、近所のスーパーへうなぎを買いに行きました。

冷蔵棚には、国産と外国産のうなぎのかば焼きが並んでいました。

私は昔から倹約家で、うなぎに何千円も出すのはもったいないと思っていたのです。

「どっちにする?国産、おいしそうだよ」

娘が棚を見ながら聞いてきました。私は値札に並んだ数字を見て、すぐに答えました。

「うなぎは1000円の安いほうで十分だよ」

そう言って、1000円の表示の近くにあった手前のパックをひとつ取り、かごへ入れました。

「たれをかけたら、そんなに変わらないだろ」

私がそう言うと、娘は「そうかなあ」と笑いました。私はすっかり安いほうを選んだつもりで、そのままレジへ向かいました。

レジで聞いた「3000円」に固まった

レジには、20代くらいの女性店員が立っていました。

店員がうなぎのパックを読み取ると、金額を告げます。

「3000円です」

一瞬、聞き間違いかと思いました。

慌てて店員の手元を見ると、パックのラベルには「国産」と書かれています。私は1000円の値札を見て安心し、その近くにあった別のパックを取っていたのです。

「あ…」

やっぱりやめます、と言おうか迷いました。

しかし後ろには何人か並んでいて、隣には娘もいます。自分で「安いほうで十分だ」と言い切った直後だけに、急に恥ずかしくなってしまいました。

「袋はご利用になりますか?」

「いえ、大丈夫です」

結局、私は黙って3000円を支払いました。

店を出ると、娘がこらえきれないように笑っています。

「…たまには、いいだろ」

「うん。たまにはね」

私もそれ以上は何も言えませんでした。

その夜、初めて食べた国産のうなぎは、身がふっくらとやわらかく、想像していた以上のおいしさでした。

黙って食べている私を見て、娘が笑います。

「お父さん、さっきまで1000円ので十分って言ってたのに」

私は返事をせず、もうひと口食べました。

それ以来、うなぎを買うときは値札とパックをしっかり確認するようになりました。

そして確認したうえで、今では高いほうを選んでいます。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ