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韓国出身のKUO DUOが探究する、日常のレイヤーとデザインの可能性【CREATIVE VOICES vol.1】

  • 2026.10.7
Hearst Owned

今年のミラノデザインウィークでは、アジアのクリエイターが集結した「CHOPSTICKS 箸」展に参加。コペンハーゲンの3daysofdesignでは、日本発の板金プロジェクト、イータルの展示でクリエイティブディレクションと空間デザインを手掛けるなど、存在感を強める韓国出身のクオデュオ。すぐに使ってみたくなる、軽やかでコンテンポラリーなデザインを得意とする2人にとって、最もインスピレーションを受けるのが、家族や友人と過ごす時間だ。「交わした会話や一緒に楽しんだ食事やお酒、聴いた音楽は長く心に残り、ポジティブなエネルギーを与え続けてくれる。互いを理解し合える人々との時間は、常に新たなひらめきを与えてくれます」。日常を深く見つめる彼らの作品には、長く愛されるデザインの確かな兆しが感じられる。

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Q.デザイナーを志したきっかけは?

「デザインに興味が芽生えた最初のきっかけは、それらが日常のあらゆる場面に存在していると気づいたことでした。子どもの頃、リビングのテレビやテーブル、街の建物や看板、階段に至るまで、ほぼ全てのものが意図的につくられているという事実に心引かれました。身近なものや空間を、無数のデザイン上の決断の結果として捉えるようになりました。大学1年生の時に出会った私たちは、互いに同じような視点と好奇心を共有していると気づき、自然とプロダクトデザインを専攻したんです」

<写真>イータルで発表した“ヒコウコレクション”。曲げや溶接などの製造技術をデザイン言語へと変換した。

DAISUKE SHIMA

Q.手掛けたプロジェクトの中で特に印象に残っているのは?

「ダイケイ・ミルズからの誘いをきっかけに始まったアートプロジェクト『A Tree(エイ・ツリー)』です。1本の木を家具や建築、空間体験へとどのように展開できるかを探求する長期的なプロジェクトで、その一環として奈良県の吉野の森を訪れました。そこで心材の赤みと辺材の白みの鮮やかな対比や、数十年かけて形成された美しい年輪など、吉野杉の素晴らしい特性に出合ったんです。物理的な美しさだけでなく、吉野杉の歴史や、日本の建築文化、林業との深い関わりにも魅了されました」

Q.デザインする上で、大切にしているモットーは?

「プロジェクトの核を見つけ、それに忠実であり続けることです。あらゆるプロジェクトには1つの本質的なアイデアが含まれています。それを見つけたら可能な限り深く探求し、多様なスケールや次元へと進化させていきます」

<写真>GINZA SIXでのプロジェクト「A Tree(エイ・ツリー)」より“KIRI KABU”。吉野杉の芯材と辺材の層や色彩の差に着目し、デザインした。

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Q.今後やってみたいデザインやプロジェクトは?

「特定のプロダクトをデザインしたいというより、より広い影響を生み出せるプロジェクトに関心があります。対象が何であれ、重要視しているのはプロダクト、空間、アイデンティティをひとつのつながった体験として形づくる機会があるかどうかです」

Q.ソウルのお気に入りのスポットは?

「最近、私たちは『ソウルの森』の近くへ引っ越したんです。自宅のアパートからは川と森の両方を一望できます。ここで暮らす一番の楽しみは、四季折々に移り変わる風景を眺めること。木々の色が変化するにつれて、そこに集う人々の過ごし方も変化しています。同じ場所で日々移ろう景色を見ていると、私たちの暮らしがいかに深く自然と結びついているか、そして自然が日々の豊かな暮らしにどれほど欠かせないものであるかを改めて実感させてくれるんです。

もうひとつ、私たちにとってとてもに特別な場所が、結婚式を挙げた『韓国家具博物館』。 韓国の伝統美を大切にしながら、上品で洗練された佇まいを持つ、ソウルでも数少ない場所のひとつなんです。単に伝統を展示するのではなく、現代の暮らしの中に活かし、息づかせている。そのバランス感にも深く感銘を受けています。自分たちの仕事でも、まさにこのような場所や空間をつくり出していけたらと思っています」

<写真>ヴィンテージ生地専門の「YUGE FABRIC FARM」と協働し、構想からデザインまでを手掛けた展示。

Getty Images

クオデュオの素顔が見える、3つの偏愛

1.チャールズ&レイ・イームズ
「チャールズ&レイ・イームズから影響を受けています。私たちが最も尊敬しているのは、境界なくデザインに取り組んだ姿勢です。この写真も好きです!」

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2. ワイン
「ワインも趣味の一つ。興味深いオブジェクトとは、蓄積された時間や人々、文化の積み重ねによって生まれると感じます。もちろん味わう時間も楽しんでいます」

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3. 時計
「最近、時計にハマっています。文化や歴史、職人技、地域のアイデンティティが刻まれた世界で、知れば知るほど背後にある物語や伝統を発見できます」

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KUO DUO(クオデュオ)
メン・ユーミン(右)とイ・ファチャン(左)によるデュオ。共に弘益大学でプロダクトデザインを学び国内外でキャリアを重ねた後、2021年にスタジオを共同設立。2025年、メゾン・エ・オブジェでライジング・タレント・アワードを受賞。

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