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ミケーレ・デ・ルッキが語る、キッチン家電“プリッセ”と「アレッシ」の美学

  • 2026.10.7
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プロダクトにプリーツをまとわせて、キッチンの景色に楽しさをもたらしたミケーレ・デ・ルッキ。どのようにデザインしたか、話を聞いた。『エル・デコ』2026年10月号より。

©SANTI CALECA

形で表現するのではなく「表面」を独創的なものに

「アレッシ」からキッチンのプロダクトをデザインしてほしいと依頼され、まず何から考え始めましたか?

「今回は、『形』が最も表現豊かな要素にはなりえない、と思いました。ジャグなどキッチン製品には歴史があり、認知されている形があるからです。そこで『表面』を独創的なものにしようと考えました」

<写真>“プリッセ”が2018年に発表された際にラインアップに含まれていたケトルを、デ・ルッキのアトリエにて撮影。部屋の壁にもプリーツのような意匠が見られる。後ろの黒板の絵は、デ・ルッキの自画像。

Masaki Ogawa

“プリッセ”のアイデアは、どのようにして生まれたのですか?

「プリーツ加工された表面というアイデアが頭に浮かんだんです。1950年代に開発された生地を折るシステムは、布の表現力を豊かにしてくれます。三宅一生さんも、このテーマで卓越した実験を行っていました。彼はメンフィス時代からの友人で、インスピレーションと創造の意欲をかき立ててくれました」

<写真>“プリッセ”よりドリップコーヒーメーカー(W28×D22.5×H35cm)¥52,360 ハンドブレンダーセット(ブレンダー取り付け時:φ7×H34cm)¥42,350 サーモジャグ(W20×D11×H32cm)¥24,640 “トゥエルジ”よりレモンスクイーザー(φ5×L14cm)¥6,270 “トナーレ”よりウッドプレート(φ22cm)¥10,230 カップライトグレー(H7cm)各¥4,840 「ラウンドワイヤーバスケット」(φ20.5 ×H7.7cm)¥26,730 /以上アレッシ ジャパン “KITテーブルTBL-01-GY”(W150×D75×H73cm)¥198,000/KIT SHOP 他はスタイリスト私物

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プリーツの魅力は何ですか?

「プリーツの美しい点の一つは『触感』です。特にソリッドな製品を手で触る体験は、実に豊かで驚きをくれます。ケトルのような円錐形では、プリーツは先端ではより狭く、底面に向かって広くなる。グラデーションが感性的な体験を生み出すのです。また光と影の相互作用がもたらす美の効果は、プロポーションが変わっても損なわれません」

エスプレッソコーヒーメーカーの“プルチナ”は階段状の凹凸がありますね。

「“プルチナ”も表面の研究から誕生しました。私が建築や彫刻でつくり上げてきた“階段状の形”を用いています。ミラノ万博のパビリオン・ゼロにも使いました」

<写真>デ・ルッキがデザインしたアレッシのエスプレッソコーヒーメーカー“プルチナ”。2015年に発売され今も人気がある。

Molteni Motta/Universal Images Group via Getty Images

<写真>2015年に開催されたミラノ万博で、デ・ルッキが設計に携わった「パビリオン・ゼロ」。外装に、“プルチナ”のような階段状の意匠が見られる。


さまざまなものを手掛けていますが常に大事にしていることは?

「『日常生活』です。あらゆるプロジェクトの中心に人間がいるからです。建築もデザインも芸術も効率性を目的としたものではなく、生き方や人間の幸せをより良くするための探求であると信じています」

あなたにとって「アレッシ」はどんな存在なのでしょう?

「『アレッシ』にとっての成功とは、人々の生き方や暮らしの質を高めることにあるでしょう。単にスタイルだけでなく、人生を楽しむイタリア独自のアイデンティティを、最新技術と共にクリエイションへと昇華させているブランドなのだと思います」

©GIOVANNI GASTEL

ミケーレ・デ・ルッキ

1951年、イタリア、フェラーラ生まれ。70~80年代にデザイナー集団のアルキミア、次いでメンフィスに参加。デザインのほか建築プロジェクトも多い。スタジオAMDL CIRCLEを創設。ミラノとヴァレーゼ県アンジェラに拠点を持つ。





2nd photo from the top - Photo:MASAKI OGAWA Styling:YUKI NAKABAYASHI

Masaki Ogawa

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