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かにの支出は12月に1年の5割超 2022〜25年

  • 2026.10.7

かにへの支出を家計調査で見ると、2022年から2025年までどの年も、12月だけで1年分の半分を上回っていました(56.1〜63.5%)。新潟県と富山県の境から西の日本海で11月6日に始まるずわいがにの漁期を省令の原文で確かめ、漁獲量の長い推移と都道府県別の値も農林水産省の統計で並べています。

新潟県と富山県の境から西の日本海では、毎年11月6日にずわいがにをとれる期間が始まります。国の省令が、それまでの期間を「採捕してはならない」と決めているためです。
家庭の側の数字を見ると、二人以上の世帯がかにに使うお金は、1年分の半分以上が12月に集まっていました。2022〜2025年の12月の割合は56.1〜63.5%です。
漁期の決まりを省令と自主規制の両方で確かめたうえで、漁でとれる量の移り変わり、都道府県別の量、家庭の買い方を統計で順に見ていきます。

ずわいがにの漁期 新潟・富山の県境から西は11月6日から 雌雄で終わりが違う

ずわいがにの漁期は、農林水産省の「特定大臣許可漁業等の取締りに関する省令」で海域ごとに決められています。第25条第2項は「次の表の上欄に掲げる区域においては、同表の中欄に掲げる区分ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる期間内は、ずわいがにの成熟がに(未成熟がに以外のかにをいう。)は、採捕してはならない。」としています。
表のうち「A海域」は、「新潟県と富山県との最大高潮時海岸線における境界点正北の線(以下この表において「甲線」という。)以西の日本海の海域」です。この海域で採捕してはならない期間は、次のとおりです。
・雄がに 3月21日から11月5日まで
・雌がに 1月21日から11月5日まで
裏返すと、雄がには11月6日〜翌年3月20日、雌がには11月6日〜翌年1月20日が、成熟がにをとれる期間になります。このほか第25条第1項で、腹節の内側に卵を持たない雌がにと甲幅9cm未満の雄がに(未成熟がに)は、期間に関係なく採捕できません。
同じ省令は、県境より東の日本海やオホーツク海、太平洋の一部にも別の期間を決めています。この記事ではA海域だけを扱います。

自主規制では雌がには12月31日まで(令和7年度)

A海域では、省令より短い期間を漁業者側が自主的に決めています。水産庁の会議資料(2025年12月の日本海西部会)は、日本海西部地域に共通する自主的な管理として、メスガニの採捕期間を11月6日〜12月31日に短くしていると示しています。同じ資料には、府県単位の取り組みの例として、メスガニを12月29日までとする例も載っています。
鳥取県のページには、日本海ズワイガニ特別委員会で決まった令和7年度(2025年度)の自主規制が、省令の期間と並べて載っています。
・松葉がに(雄) 11月6日〜3月20日
・若松葉がに(雄) 2月1日〜2月20日
・親がに(雌) 11月6日〜12月31日
確認した2026年10月6日時点で、このページの表は令和7年度分まででした。2026年度の自主規制は、府県の発表で確かめてください。

ずわいがにの漁獲量 2024年は2,387tで1968年の3.9%

農林水産省の「漁業・養殖業生産統計」は、ずわいがにとべにずわいがにを別の魚種として集計しています。分類の定義では、ずわいがにに「まつばがに、えちぜんがに」が入り、まるずわいがには「その他のかに類」に分けられます。
全国の漁獲量の長い表を見ると、ずわいがには1968年の61,679tが最も多く、2024年は2,387tでした。1968年と比べると3.9%です。表の始まる1956年からの69年間で、2,400tを下回ったのは2023年(2,392t)と2024年の2年だけです。
べにずわいがには、分けて集計され始めた1995年の29,627tが最も多く、2022年と2024年が同じ12,345tで最も少ない値でした。2024年は1995年の41.7%にあたります。この表が示すのは量だけで、増減の原因は扱っていません。
※長い表の注記には「「その他のかに類」は、平成7年から「べにずわいがに」を分離し、平成14年から「たらばがに」を含む。」とあり、1994年までのべにずわいがには「その他のかに類」に入っています。全国の値で、遠洋の漁業も含み、海域別には分かれていません。1968年の値も遠洋でとった量を含む全国の合計で、日本海だけの量どうしの比較ではありません。割合と年数はweboo編集部の計算です。

2025年は概数でずわいがに約2,900t

2025年分は、農林水産省が「令和7年漁業・養殖業生産統計(概数値)」として100t単位で公表しています。ずわいがには2,900t(前年比120.8%)、べにずわいがには12,700t(同103.3%)でした。確定した値は、2027年2月に掲載される予定です。

2024年のずわいがには鳥取県・兵庫県・福井県の順

令和6年(2024年)の確定値で、都道府県別の漁獲量を並べました。調査の概要のQ&Aには「集計値は、海面漁業経営体の所在地に計上(属人統計)しております。」とあり、とった海の場所ではなく、漁をした経営体がある都道府県の値です。
ずわいがに(上位5)
・1位 鳥取県 564t
・2位 兵庫県 545t
・3位 福井県 466t
・4位 石川県 356t
・5位 新潟県 167t
(全国 2,387t)
富山県から島根県までの7府県を合わせると2,098tで、全国の87.9%でした。
べにずわいがに(上位5)
・1位 島根県 2,273t
・2位 鳥取県 2,225t
・3位 北海道 1,727t
・4位 兵庫県 1,621t
・5位 新潟県 1,411t
(全国 12,345t)
べにずわいがにの石川県・福井県と、ずわいがにの茨城県・神奈川県は、個別の数字が公表されていない(秘匿)ため順位に入れていません。どちらも、かに類全体の量から見て上位5には入らない範囲です。

かにへの支出は4年とも12月に5割超 11月と合わせて約7割

総務省の家計調査で、二人以上の世帯が品目「かに」に使ったお金を月ごとに足し、1年の合計のうち12月が何%かを計算しました(weboo編集部の計算)。
・2022年 1年 1,469円のうち12月 881円(60.0%)
・2023年 1年 1,641円のうち12月 986円(60.1%)
・2024年 1年 1,828円のうち12月 1,161円(63.5%)
・2025年 1年 1,646円のうち12月 924円(56.1%)
4年とも12月だけで5割を超え、11月を合わせると69.3〜72.9%になります。
買った世帯の割合も12月だけが大きく、12月にかにを買った世帯は11.1〜15.4%でした。1〜11月は、4年のどの月も4.7%以下です。

家計調査の「かに」に入るもの

品目「かに」の例示は、ずわいがに・毛がに・たらばがにで、ゆでたもの・蒸したものも入ります。さわがには「他の鮮魚」に分けられます。ずわいがにだけの値ではなく、国産か輸入かの区分もありません。
月ごとの表は品目分類で、分類の説明には「一方、「品目分類」では、使う目的にかかわらず同じ財及びサービスは同じ項目に分類する。」とあります。人に贈るために買ったかにも、この「かに」に入ります。
12月以外の月は、100世帯あたりの購入回数が1〜6回と少なく、月ごとの金額は上下しやすい値です。そのため、この記事では1年の合計に対する割合で比べています。単身の世帯は入っていません。

よく買う都市は鳥取市・和歌山市・金沢市

総務省統計局の品目別ランキング(2023〜2025年の3年平均・52市)で、かにの1年の購入数量を見ると、上位5市は次のとおりです。
・1位 鳥取市 2,760g
・2位 和歌山市 1,311g
・3位 金沢市 1,014g
・4位 福井市 1,002g
・5位 松江市 979g
(全国平均 355g)
52市のうち30市が全国平均(355g)より多く、最も少ない那覇市は22gでした。鳥取市は支出金額でも1位(4,980円・全国平均1,705円)です。

よくある質問

松葉がにや越前がには、統計のどこに入りますか

漁業・養殖業生産統計では、分類の定義に「ずわいがに<まつばがに、えちぜんがに>(まるずわいがには、その他のかに類)」とあり、ずわいがにの量に入ります。べにずわいがには別の魚種で、たらばがにや毛がには「その他のかに類」です。家計調査の「かに」は種類を分けずにまとめた品目です。

漁獲量の統計に、輸入したかには入りますか

入りません。漁業・養殖業生産統計は、国内の海面漁業経営体などが漁でとった量を集計するもので、輸入の量を数える統計ではありません。一方、家計調査の「かに」は、世帯が買ったかにを産地で分けずに集計した品目です。2つの統計の「かに」は範囲が違うため、この記事では割合や順位を別々に計算しています。

まとめ 漁期は省令と自主規制の2段階で決まる

新潟・富山の県境から西の日本海では、ずわいがにの成熟がにを11月6日からとれるようになり、省令では雄が3月20日まで、雌が1月20日までです。日本海西部に共通する自主規制では、令和7年度の雌がには12月31日まででした(府県によってはさらに短い例もあります)。ずわいがにの漁獲量は2024年に2,387t、家庭のかにへの支出は12月に1年の56.1〜63.5%が集まっています(2022〜2025年)。かにを選ぶときに、漁期の区切りと統計の範囲を確かめる材料にしてください。

漁期は省令(e-Gov法令検索)・水産庁の会議資料・鳥取県のページ、漁獲量は農林水産省の長期累年と令和6年の確定値・令和7年の概数値、家計は総務省の家計調査(二人以上の世帯・月次と2023〜2025年平均の都市別)を2026年10月6日に確かめました。割合と順位の一部は編集部の計算です。

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