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圧力鍋で避けたいNG5つ 4つは電気圧力鍋も共通

  • 2026.10.7

NITE SAFE-Liteにある圧力鍋の事故の記録118件(電気圧力鍋6件を含む)を、結論の文まで読みました。ふたを開けようとしたときの記録が24件、弁などの詰まりが16件。5つのNGと、そのうち電気圧力鍋にも共通する4つを、記録と消費者庁・NITEの注意で示します。

豚の角煮、黒豆、カレー。煮込みが増える季節は、短い時間でやわらかく仕上がる圧力鍋が頼りになります。こんろにかけるタイプのほか、ボタン操作で加圧から調理まで進める電気圧力鍋もあります。
便利な反面、中が高温・高圧になる調理器具なので、扱いを誤ると、ふたが飛んだり中身が噴き出したりする事故につながります。weboo編集部では、製品の事故の記録をNITE(製品評価技術基盤機構)のデータベースで調べ、品名が圧力鍋の118件(電気圧力鍋6件を含む)を集めて結論の文まで読みました。消費者庁やNITEの資料にも注意の文言があるものを5つ選び、NGとして取り上げます。

記録118件の内訳 電気圧力鍋は6件、残りはコンロ式など

対象は、製品事故の記録を検索できるNITE SAFE-Liteで、品名に「圧力なべ」「圧力鍋」を含むものです。圧力式の電気炊飯器(品名に「炊飯」を含むもの)は除きました。こんろにかける圧力鍋が111件、電気圧力鍋が6件、電子レンジ用が1件です。発生日は1996年3月から2024年2月まで(発生日の記載がない1件を含む)で、90件は2012年までに起きた記録、2013年以降は27件です。世の中で起きた事故の総数ではなく、NITEに通知・収集された記録の数です。
被害の種類は重傷が34件、軽傷が30件。亡くなった方の記録も1件あり、2001年に加熱中のふたが吹き飛んで近くにいた人の頭に当たったもので、原因の特定はできなかったとされています。
事故の原因は、記録ごとの結論の文を読んで分けました。数がいちばん多い区分は「原因不明・製品以外」の57件で、うち54件は、原因の特定ができなかった(調査できなかった)と結論に書かれた記録です。製品の不具合とみられるのは35件(うち9件は、製品の問題に加えて使い方も影響したとNITEが区分した記録)、使い方が原因とみられるのは25件、長く使ううちの劣化とみられるのは1件でした。NITEの区分が付いていない15件は結論の文から振り分けました。製品の不具合の側に入れた6件のうち3件は、NITEが製品側とした記録と同じ型式の2件と、表示の不足が影響したとされた1件です。

経過に出てくる場面 ふたを開けるときの記録が24件

NGを選ぶ前に、記録の経過から「そのとき何をしていたか」を拾いました。1件に2つの場面が書かれていれば両方に数えています。
最も多いのは、ふたを開けよう(取ろう)とした、または開けどきを確かめようとふたや取っ手に触れたときの記録24件で、重傷が13件、軽傷が10件です。
次が、圧力を調整する部分や安全装置、蒸気口が、調理物や豆の皮、食品かすで詰まった(ふさがれた)とされた16件(推定を含む)で、このうち9件は豆を煮ていた記録でした。ふたと本体のはめ合わせが不完全だった、またはふたをロックせずに載せていた記録が15件、手入れや点検の不足、部品の付け忘れ、パッキンの劣化や傷みが結論に書かれた記録が14件、強い炎や空だきなど加熱のしかたが結論に書かれた記録が10件と続きます。

電気圧力鍋の6件 4件は火が出たり焼けたりした記録

電気圧力鍋の記録は6件で、すべて2020年から2023年に起きたものです。
4件は、製品が焼けたり、火が出たりした記録でした。電源プラグの中で金属の刃と電線をつなぐ部分の圧着不良と、温度を調節する部品(サーモスタット)と内部配線の接続部の作業不良は、どちらも製品の不具合とみられる記録です。サーモスタットの端子付近が異常に発熱して火が出た記録は、発熱の原因の特定には至らなかったとされています(前の1件と同じ型式です)。残る1件は、本体に電源コードの差込みプラグをつなぐときに差込みが不十分で接触不良になり、異常発熱したと考えられるものの、使用状況が不明で原因の特定はできなかった記録です。
ほかの2件は、やけどの記録です。加圧を始めて約5分後に蒸気などが噴き出した記録では、鍋が変形していて、内ぶたを付けると一部が浮き上がり、すき間から中身が飛び散る可能性が考えられたとされています。製品が原因かどうかも含め、原因の特定には至っていません。もう1件は、表示のピンが下がったのを確かめてから、数cmしか回らないふたにさらに力を掛けて開けようとしたところ、ふたが飛んだという記録です。結論は、原因の特定には至らなかったものの、製品に起因しない事故と推定されるというものでした。
消費者庁の注意喚起は、ガスやIHで使う圧力鍋と電気圧力鍋を種類として挙げたうえで、入れる量やふたの開け方などの注意点について「圧力鍋はメーカーや機種によって構造が異なりますが、以下の注意点はどの圧力鍋でも共通です。」としています。次のNG1〜4は、電気圧力鍋にも当てはまる注意です。

NG1|豆やパスタを、鍋の3分の1を超えて入れる

黒豆を一度にたくさん煮ておきたい。乾麺もまとめてゆでたい。つい鍋いっぱいまで入れてしまう場面です。
記録には、調理量の目安を超えて入れていた記録が6件あり、うち5件は大豆や黒豆でした。大豆2.5kgを3回に分けて煮た3回目に、許容量の倍の大豆で3か所の穴がすべてふさがれ、飛んだふたが近くにいた人の頭に落ちた例、鍋のいちばん高い位置まで大豆を入れて強火で煮て、台所の窓ガラスが割れた例があります。乾麺をゆでた1件は、深さの3分の2以上の量で、少し重いと感じながらふたを開けたことが事故につながったと考えられる、とされています(原因の特定はできず)。
詰まりの記録16件のうち9件も豆を煮ていた記録でした。取扱説明書が圧力をかける調理を禁じているカレーやシチューを加圧して、中身が噴き出した記録も2件あります。

代わりに:豆類・麺類は水と合わせて3分の1以下に。
消費者庁は「水と食材を合わせて2/3以下、豆類・麺類の場合は水と合わせて1/3以下の内容量で調理しましょう。」と呼びかけています。調理で分量が増える豆類・麺類は注意が必要で、特に豆類は皮が圧力調整部分に詰まる可能性があるとしています。カレーやシチューは、先に具材を加圧して柔らかくしてから最後にルーを入れ、そのときは圧力をかけずに普通の鍋として使うよう勧めています。NITE中部支所の資料も、豆類やパスタなど分量が増えるものは、食材と水分などをあわせて鍋の容量の3分の1以下にするよう求めています。

NG2|弁の詰まりやパッキンの傷みを、確かめずに加圧する

前に使ったあと、ふたは軽くすすいだだけ。パッキンも、買ったときのものを何年も使い続けている。
手入れや点検の不足、部品の付け忘れ、パッキンの劣化や傷みが結論に書かれた記録は14件ありました。圧力調整装置が完全に詰まっていたのに、劣化したパッキンから蒸気が漏れていたため圧力が上がらずにいたところ、パッキンを交換したことで内圧が異常に上がり、ふたが割れて飛んだ例(安全装置の清掃についての注意表示が不適切だったことも原因とされた記録です)、詰まりを防ぐキャップを付けずに大豆を煮て、鍋がこんろから床に落ちた例(豆料理の注意表示が不十分だったことも原因とされています)、ふたの縁を高温にさらしてパッキンが傷んだことに気づかずに調理し、鍋が飛び上がって床に落ちた例などです。

代わりに:使う前に圧力調整部分とパッキンを確認する。
消費者庁は「使用前には、蒸気口など圧力調整部分に詰まりがないか確認しましょう。」「また、蓋と本体の間のパッキンにぬめりや劣化がないか確認しましょう。」としています。調理後はパッキンも取り外してぬめりが取れるまで洗い、亀裂などの劣化があればその都度、使用頻度が低くても1年を目安に機種ごとの純正品と交換するよう呼びかけています。NITEも注意喚起のポスターで、使用前に圧力調整装置が詰まっていないか必ず確認し、使用後は取扱説明書の指示に従って手入れをするよう求めています。

NG3|ふたのはまり具合を確かめずに、加熱を始める

ふたを載せて取っ手を回し、閉まったような手ごたえがあれば、そのまま加熱を始めてしまう。
ふたと本体のはめ合わせが不完全だった、またはふたをロックせずに載せていた記録は15件で、重傷が7件ありました。ふたを正しい位置からずらして載せ、爪が十分にかみ合うところまでスライドしないまま使った例、ふたをロックせず載せただけで黒豆を煮ていて、パッキンの劣化でふたの取っ手と本体の間にすき間ができ、取っ手が乗り上げる載せ方でそのすき間がふさがって、ふたが飛び上がった例、ふたを閉めずに鍋に載せて竹の子を下ゆでしていて、吹きこぼれたのでふたを取ろうとハンドルを動かしたら中身が飛び出した例(原因の特定はできず)などです。
ただし15件のうち8件は、製品の不具合とみられる側の記録です。ふたを裏返して洗うときなどにロックピンのレバーを動かすと、ピンが固定されたままになり、ふたが完全にはまらない状態で加圧されることがある構造の記録が5件、ふたの取っ手が緩んでいた製品の記録などもあり、使う人の扱いだけで起きたものではありません。

代わりに:ふたがしっかり閉まっているか確かめてから。
消費者庁は、完全にふたを閉めた状態で調理するよう求め、「調理前に、蓋がしっかりと閉まっているか確認しましょう。」としています。ふたが飛んだ記録の1件では、事故品の取扱説明書と本体の表示に、ふたを閉めるときは取っ手が重なっていることを確かめる、という注意がありました。閉まったことの確かめ方は機種によって異なるので、説明書の手順に沿いましょう。

NG4|圧力が下がったか確かめずに、ふたを開けにかかる

できあがりの合図が鳴った。早く味を見たくて、すぐ取っ手に手をかける。
ふたを開けよう(取ろう)とした、または開けどきを確かめようとふたや取っ手に触れたときの記録は24件です。火を消したあと圧力を抜くのを忘れてふたの取っ手を回し、ふたが外れてやけどをした記録(原因の特定には至らず)や、圧力が残っていて開かなかったふたを力を入れて無理に開け、中身が飛び散った記録があります。後者の取扱説明書には「取っ手の動きが重く感じられた場合は、内部に圧力が加わっており危険なため、無理にあけないこと。」との注意表示がありました。ふたが重い・回らないと感じながら、または力を入れて開けようとした記録は、この1件を含めて4件です。
一方で、圧力を抜いた、蒸気が出なくなった、表示ピンが下がったなど、確かめてから開けたと経過に書かれた記録も9件あります(電気圧力鍋の1件を含む)。うち3件は圧力が残った(十分に下がっていない)状態でふたが開いたと推定され、1件は圧力調整おもりを付けたまま開けて内圧が残っていたことが一因と推定されています。

代わりに:鍋の中の圧力が下がったのを確かめてから開ける。
消費者庁は「完全に蓋を閉めた状態で調理を行い、鍋の中の圧力が下がったことを確認してから蓋を開けましょう。」としています。圧力がかかっている状態ではふたは容易に開かないようになっているものの、無理に開けようとするとふたが飛んだり中身が噴き出したりする危険性があるとして、ふたを開けるときは必ず、鍋の中の圧力が完全に下がっているかを確かめるよう求めています。

NG5|鍋底からはみ出す炎で加熱する(コンロ式)

早く圧力をかけたくて、こんろの火を強くしたまま。鍋が五徳の真ん中からずれていても気にしない。
強い炎や空だきなど、加熱のしかたが結論に書かれた記録は10件で、そのうち6件は、鍋底からはみ出す炎や鍋の側面まで回る炎と書かれていました。取っ手の樹脂が熱で傷み、持ち上げたときに折れて鍋が落ちた記録は3件(やけどは2件)で、こんろから食卓へ運ぶ途中に取っ手が折れ、こぼれた中身が子どもの足にかかった例もあります。側面までかかる大きな炎で長く加熱してパッキンが焼け、ふたの周りから蒸気と中身が噴き出した例もありました。電気圧力鍋には当たらない、コンロ式の注意です。

代わりに:鍋はこんろの中央に。炎は鍋の底面より小さく。
NITEは「鍋・圧力鍋による事故」のポスターで「調理時は、鍋をこんろの中央に置き、炎が鍋の底面より大きくならないように火力を調整してください。」と呼びかけています。2014年4月の注意喚起でも、鍋底からはみ出すような炎で使うと取っ手が加熱されて劣化し、持ち上げたときに外れて中身がこぼれ、やけどを負った事故を挙げています。こんろまわりの煮こぼれの注意は、関連記事「ガスこんろの5つのNG」でまとめています。

無理に開けない、強制的に下げない 異常時に資料が求めること

ふたが開かないときに無理をしないことは、NG4のとおりです。消費者庁の資料は、強制的に圧力を下げる場合は高温の蒸気などで事故が起きやすくなるため、必ず取扱説明書に従うよう求めています。
同じ資料は、パッキンにぬめりや劣化があると、ふたと本体のすき間から中身が噴き出すおそれがあるとしています。調理後の手入れでは、圧力調整部分に異物が詰まっていれば針状の物で取り除き、パッキンに亀裂などの劣化があれば交換するよう挙げています。NITEのポスターは、詰まりがある場合には製品に添付されたクリーニングピン(掃除ピン)を使って解消するよう案内しています。
消費者庁は、製品による事故や健康被害が起き、事業者の説明に納得できない、連絡が取れないといったときは、最寄りの消費生活センターに相談するよう勧めています。消費者ホットライン「188」は、最寄りの消費生活センター等を案内する全国共通の番号です。

回収・電子レンジ用・炊飯器 ほかの記録について

同じ部品の不具合で何度も出てくる製品は?

ふたを本体に固定する支持具(アーム)と支持金具(ストッパー)の不良でふたが飛んだとされる記録が8件あり、2003年10月から2019年12月まで続いていました。措置の欄には、2003年11月などに社告を出して回収・無償交換をしていたと書かれていますが、2018年と2019年にも同じ原因の記録があります(2018年の記録は約15年使われた製品)。ほかに、ふたの安全ロックピンの寸法差でふたが開いたとされ、2015年にリコールとなった製品の記録もありました。

電子レンジ用の圧力鍋の記録は?

1件ありました(2012年)。ふたを開けようとしたらふたが外れて飛び、中身が顔などにかかってやけどを負った記録で、製品に異常は見られず、原因の特定はできなかったとされています。

消費者庁の「231件」とはどう違う?

消費者庁は2021年4月の注意喚起で、事故情報データバンクに2021年3月までに圧力鍋に関連する事故情報が231件寄せられているとしています。集めている仕組みが違うため、この記事の118件とは比べたり足し引きしたりできません。

圧力式の炊飯器は数えていない?

品名に「炊飯」を含む28件は、この記事の118件に入れていません。圧力式の炊飯器のふたや蒸気口の注意は、関連記事「炊飯器のNG5つ」で取り上げています。

まとめ 入れる量、弁とパッキン、ふた、開けどき、炎

出典 www.caa.go.jp

圧力鍋の記録では、ふたを開けるときの事故と、豆などで弁が詰まって中の圧力が逃げなくなった事故が目立ちました。電気圧力鍋の記録は6件と少ないものの、火が出た記録も含まれています。
豆や麺は3分の1まで。使う前に弁とパッキンを見る。ふたはしっかり閉める。圧力が下がるのを待ってから開ける。コンロ式なら、炎は鍋底の内側に収めましょう。

※件数は2026年10月6日にNITE SAFE-Liteから取得した記録を、weboo編集部が1件ずつ分類したものです。品名に「圧力なべ」「圧力鍋」を含む記録のうち、電気炊飯器を除いた118件で、期間は区切っていません。消費者庁やNITEの公表資料の件数とは、数え方が別です。使える食材や量、ふたの開け方、圧力の下げ方は、機種ごとに取扱説明書で確かめてください。

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