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「死の商人」のイメージがつきまとう防衛産業界を変えたのは、2022年の岸田政権だった?! 防衛装備庁の元長官が裏側を明かす

  • 2025.12.17

ニュースの正しいミカタを徹底解説する情報バラエティ番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(ABCテレビ)。東留伽アナがMCを務める番組公式YouTubeチャンネル「正義のミカタチャンネル」に、元防衛装備庁長官・土本英樹氏が初登場した。

12月6日放送の「正義のミカタ」が、地上波での生放送への初出演だった土本氏。「緊張してたんですけど、非常にアットホームな雰囲気で」「いい番組ですね。関東で流れてないのが残念ですが」と笑顔で話した。

さて、今回の配信のテーマは「今後の日本の防衛産業について」。
防衛装備品の輸出制度が見直されることになり、日本の防衛産業の株価は一気に上昇中だ。

土本氏が防衛装備庁長官だった2022年頃は、防衛産業部門の利益率も2~3%と非常に低い状況だったという。社外からなかなか理解を得られない中、多くの企業が防衛部門から撤退し、防衛産業が脆弱化していたと話す。

そこで「いくつかの施策を打った」と土本氏。その一つが「利益率を改善する。計算方式を見直して最大15%まで上げられるようにする」こと。二つ目は「戦後、防衛省ができて初めて防衛産業を対象とした『防衛生産基盤強化法』という法律を作り、防衛産業に対する財政的な支援をできるような枠組みを作った」こと。

©ABCテレビ

この法律の大きな目的は、防衛省・自衛隊が必要とする装備品を円滑に調達できるようにすること。防衛省と契約を結ぶプライム企業に加え、いわゆる下請けであるサプライヤーに対しても必要な支援を行えるような法律を作り上げたと土本氏は説明する。
たとえば陸上自衛隊の戦車なら1300社、護衛艦であれば8300社が研究・生産・メンテナンス・能力向上・廃棄などに関わり、ピラミッド型のサプライチェーンを構成しているという。

2022年以前は、俗にいう“武器”の製造にかかわる企業には「人を殺傷する“死の商人”というイメージ」がつきまとい、企業の評判にもリスクが生じるため、「できるだけ防衛をやっていることを言いたくない」「言っちゃうといろんな海外マーケットへのマイナスの影響も出るし、反対デモも本社前に来ちゃう」ことが問題視されていた。

©ABCテレビ

土本氏は「そこを抜本的に変えようとしたのが、ある意味、2022年の岸田内閣時に作った『戦略三文書』」だと話す。『安保三文書』として知られるこの文書で「要は『防衛産業は防衛力そのものである』という位置づけをしたんですね。つまり防衛産業というものを正面から位置づけたと。これが初めてだった」。
これを機に、防衛産業に携わる企業や団体にも「我々って防衛力そのものなんだという思いが非常に強くなった」のだと土本氏。

この「防衛力」とは何なのか? 土本氏は「人と物なんですよね。つまり自衛官と防衛装備品」だと話す。防衛装備品のライフサイクルは防衛産業がなければ成り立たず、防衛産業は「まさに自衛隊の対等なパートナー」であり「防衛力そのものである」と位置付けたと説明する。

さらに「ひとつの制度設計のポイントになったのが利益率の部分。以前に比べればかなり改善したという声は聞こえます」とも話す。
これによって潮目が変わり、企業が再び防衛産業に人材を投入し始めているのだという。

だが、防衛産業は国家機密を扱うため「外国人労働者を使いにくい分野」。「労働力の確保をどうしていくかが、次に残された課題だと考えています」と土本氏は語った。

東アナは、「実際に作ってから売るまで、どれぐらい(期間が)かかるものなんですか?」と質問。

すると土本氏からは「物によりますけれども、基本、長いもので5年」との回答が。艦船や航空機の場合「実際に契約をして防衛省に納入するのに5年かかるとかですね」。ただし、契約の前に研究して試作品を作り、試しに自衛隊の部隊で実際に使ってみて改善を図るステップがあり、今後は「研究開発から生産まで何年もかけてやるんじゃなくて、できるだけ早く研究開発を終えて生産のステージに持っていかなきゃいけない」と土本氏。

©ABCテレビ

その理由を「技術力がものすごいスピードでアップしてますよね。あと今、安全保障環境もものすごい勢いで変わってきてる。正直言って、ロシアのウクライナ侵攻がなければドローンってこんなに脚光を浴びなかったと思うんですよ。まさにそういう状況にあって、ゆっくり研究開発してるのではダメだというのが今のトレンド」と説明した。

ここで東アナが「AIやドローンを使った装備品の開発をしようと思ったら、老舗(企業)ができるんですか?」と鋭い質問を投げかける。
土本氏は「ドローンについて言うと、なかなか日本の場合…」と日本の事情を話し始め…。
「もし防衛省、自衛隊が大量のドローンを調達しなきゃいけないっていうときに、間に合わないとなれば…」と、日本のリスクを指摘!

また、「海外から日本の装備品って需要はあるんですか?」と東アナが尋ねると、土本氏から「打診みたいなのは結構あるんですよ」との回答も!

ここから、話は国と国、政府同士の防衛装備品契約事情へ。
アメリカ政府が導入し、世界各国に武器を調達しているフォーリン・ミリタリー・セールス(FMS)とは一体?

終盤には、岸田内閣の時代に防衛装備庁長官を務めていた土本氏から高市政権に、ある問題提起が!
防衛産業を“死の商人”にさせないために、国が果たすべきこととは?

©ABCテレビ

番組公式YouTube「正義のミカタチャンネル」は、放送では扱えないトピックも深掘り解説中!

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