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洗濯機の事故の記録296件を読む やりがちなNG4つ

  • 2026.10.6

2013年4月以降に起きた洗濯機と洗濯乾燥機の事故の記録296件をNITE SAFE-Liteから集め、結論の文まで全件読みました。エラーや故障が出たまま使われたり、電源につないだまま置かれたりしていた記録は12件で、すべて火災の記録です。記録と公的機関の注意の両方がそろう4つのNGと、ふたを開けても槽が止まらないときの対応をまとめます。

大型の毛布をネットに入れずに洗ったら、洗濯機が倒れて壁に穴があいた。止まりきっていない脱水槽から洗濯物を取り出そうとして、指に重いけがをした。
製品評価技術基盤機構(NITE)の事故の記録には、毎日使う洗濯機のこうした例が残っています。weboo編集部は、2013年4月から2025年5月までに起きた洗濯機と洗濯乾燥機の記録296件を集めて結論の文まで読み、NITEや消費者庁の資料にも注意の文言があるものだけを、NGとして4つ選びました。

2013年4月以降の296件 火災が226件、原因不明・製品以外が184件

296件のうち226件は、被害の種類が「火災」の記録でした。亡くなった方の記録は4件で、うち3件は火が出た記録で、いずれも結論は原因の特定に至らなかったというものです。重傷は4件、軽傷は6件です。
数えたのはNITE SAFE-Lite(NITEの製品事故データベース)に載っている2013年4月以降の記録で、世の中で起きた事故の総数ではありません(品名と期間の内訳は末尾の注記に)。
原因は1件ずつ結論の文で振り分け、最も多いのは原因がわからない・製品以外とみられる184件(うち158件は、原因の特定に至らなかったと結論に書かれた記録)、次が製品の不具合とみられる81件です。製品の不具合のうち25件はモーター用コンデンサーに製造時の異物や不具合品が混じっていた記録で、そのうち23件は措置の欄に社告や無償の点検・交換などが書かれていました。

分類をまたいで見た場面 運転していなかった・停止中の記録が39件

どの原因に入れたかとは関係なく、経過や結論に同じ場面が出てくる記録も拾いました(重なって数えたものがあります)。
いちばん多かったのは、事故のとき「運転していなかった」「使用されていなかった」「停止中」などと書かれた39件です。ただし、そのうち37件は原因がわからない・製品以外とみられる記録で、使っていないことが火の出た理由だとは言えません。次が、屋外やベランダ、軒下などに置かれていた31件で、こちらも30件は原因不明の側でした(FAQで紹介します)。
使う人の行動にかかわる場面では、エラーや故障が出たまま使われたり、電源につないだまま置かれたりしていた記録が12件、毛布や防水性の物、大型の洗濯物を洗っていた記録が4件、回っている槽に手を入れた記録が2件ありました。乾燥機能のある洗濯機で、こぼれた洗剤が本体の中に流れ込んで配線を傷めた製品の不具合の記録も11件あり、うち10件はヒーターの配線でした(衣類乾燥機の記事でも取り上げた不具合です)。

NG1|エラー表示や不具合を、修理せずにそのままにする

ボタンの戻りが悪い、脱水槽がときどき回らない。それでも洗えるからと、修理を頼まないまま使ったり、つないだまま置いておいたりする場面です。
エラーや故障が出たまま使われたり、電源につないだまま置かれたりしていた12件は、どれも被害の種類が「火災」の記録でした。そのうちエラーの表示が書かれていたのは6件で、14年間に67回のエラーが記録されていたのに修理しないまま使っていた例、脱水槽のバランスのエラーが出た状態で3日間置いていた例、エラーで止まって漏電ブレーカーも切れていたところに、電源プラグを差し直して火が出た例があります。残りは、脱水槽が回らない不具合のまま、タイマーの故障のまま約10か月、押しボタンの戻りが悪いまま潤滑スプレーを吹きかけて、といった故障や不具合の記録です。
ただし、12件を編集部の分類で見ると、使い方が原因とみられるのは5件で、6件は原因不明・製品以外の側です。エラーのまま使ったことが火の出た理由だと決まっているわけではありませんが、結論に「エラー表示が出ていたにもかかわらず、継続使用されていたことも、影響したものと考えられる」と書かれた記録もあります。

代わりに:直ちに使用を中止し、取扱説明書に従って対応する。
NITEは2013年8月の注意喚起で、エラー表示が出た際には直ちに使用を中止し、取扱説明書に従ってエラー解除などの対応をするよう求めています。リード線の断線や異物のたまりなどで、洗濯機の故障や発煙・発火といった被害につながるおそれがあるためです。NITEのちらし「洗濯機で指を切断」も、ブレーキがすり減って故障した状態や、ふたのロックが壊れた状態で使われていた事例を挙げ、「機器の異変に気がついたら使用を中止して、点検を受けてください。」としています。乾燥機能のエラー表示については、関連記事「衣類乾燥機のNG5つ」でも触れています。

NG2|脱水が止まりきる前に、ふたを開けて手を入れる

脱水が終わった音がしたので、すぐにふたを開けて洗濯物をつかむ。槽がまだゆっくり回っていても、もう止まるだろうと手を伸ばしてしまいます。
296件のうち、回っている槽に手を入れた記録は2件で、2件とも重傷でした。1件は、脱水槽が止まる前に洗濯物を取り出そうとして右手の指が巻き込まれた記録です。調べた結果、その機種はふたを開けると約4秒で止まり、ブレーキに異常はなかったとされています。もう1件は子どもの記録で、NG3で取り上げます。
NITEの2013年の注意喚起によると、NITEに通知された洗濯機の事故266件(2008〜2012年度)のうち、人がけがをした28件の中で11件、重傷12件の中では9件が、脱水のときに回転が止まる前に手を入れて洗濯物が巻きついた事故でした(集め方も期間も違うため、この記事の296件とは比べられません)。

代わりに:槽が完全に止まるまで、中の洗濯物に触れない。
NITEは、洗濯槽や脱水槽が完全に止まっていない状態でふたを開けて手を入れると、回っている衣類に手が巻き込まれてけがをするおそれがあり、「ゆっくりした回転でも危険です。」としています。長く使った製品はブレーキが劣化して止まるまでに時間がかかる場合があることにも注意を促しています。なお、同じ資料によると、2010年9月に施行された電気用品安全法の技術基準で、それまでの「ふたを開けた時点で停止機能が働く機構」が「停止しないとふたが開かない機構」に改められ、脱水機能のある洗濯機にもふたのロックが求められるようになりました。

NG3|子どもがいる家で、チャイルドロックをかけずに運転する

洗濯機を回したまま、キッチンで朝ごはんの用意。子どもは脱衣所で遊んでいる。ロックの設定は、買ったときから触ったことがない。
記録には、5歳の子どもが「すすぎ」の運転中にふたを開けて腕を入れ、回っている洗濯物に手が絡んで抜けなくなり、指に重いけがをした例があります。結論には、チャイルドロックが設定されていなかったことに加え、本体には設定が必要なことやその方法の表示がなく、使う人が必要性に気づくには十分でなかったことも影響したと書かれています。
ドラム式の洗濯乾燥機で幼児がドラムに入り、扉が閉じて窒息したとみられる記録も1件あります。使っていないときの扉の扱いは、関連記事「衣類乾燥機のNG5つ」で取り上げています。

代わりに:使うときはロックをかけ、ふたを開けられないように。
消費者庁は、子どもが「すすぎ」運転中の洗濯機のふたを開けて腕を入れた事故などを紹介し、「洗濯機を使用する際はチャイルドロックをかけ、蓋を開けられないようにしてください。」としています。ふたに手を挟むおそれもあるとして、洗濯機の周りで遊ばせないことや、踏み台になるような物を周りに置かないことも挙げています。続けてドラム式に子どもが閉じ込められるおそれに触れ、使っていないときもチャイルドロック機能を活用し、機能が無い場合は「蓋にゴムバンドを掛けるなどの工夫がおすすめです。」としています。ロックのかけ方は機種ごとに違うため、手元の説明書で設定の手順を見ておきましょう。

NG4|毛布や防水性の物を、説明書の指定を確かめずに洗う

シャワーカーテンや大きな毛布も、洗濯機に入れれば一度で済む。ネットに入れるのも、コースを変えるのも面倒です。
毛布や防水性の物、大型の洗濯物を洗っていた4件のうち3件は、洗濯機そのものが倒れた記録でした。大型の毛布をネットに入れずに洗って、脱水のときに偏って倒れ、壁に穴があいた例、防水性のシャワーカーテンを洗って脱水のときに異常に揺れて倒れた例、水の抜けにくい大型の洗濯物を、指定された弱い洗い方のコースにせずに洗って倒れた例です。もう1件は、毛布2枚と布団カバーを専用のキャップやネットを使わずに乾燥まで回し、はみ出した洗濯物がこすれて焦げた記録でした。

代わりに:禁止の物は洗わず、大物はネットやコースの指定どおりに。
NITEは2013年の注意喚起で、取扱説明書で禁止されている防水性の衣類や、容量を超える洗濯物を洗わないよう求めています。資料の注には、寝袋や自転車カバーなど防水性のある生地は、脱水のときに多くの水を抱えたまま高速で回り、その水が流れ出たときにバランスが崩れて、洗濯機が大きく動いたり倒れたりする事故が起こることがあると書かれています。記録に引かれた取扱説明書にも、毛布など大物は専用のネットに入れる、毛布コースでは別売りの洗濯キャップや大型毛布用のネットを使う、といった指定がありました。洗えるかどうかとその方法は、手元の機種の説明書が基準です。入れる量と汚れの落ち方の関係は、関連記事「実は逆効果な洗濯5つ」で紹介しています。

ふたを開けても回り続けるとき 公的資料が挙げる対応

NITEの2013年の注意喚起は、ふたを開けてもしばらく回転が止まらない場合は故障のおそれがあるとして、使用を中止するよう求めています。NITEのちらし「洗濯機で指を切断」は、日本電機工業会の目安として、ふたを開けてから15秒以内に脱水槽が止まらない場合は故障のおそれがあり、購入した販売店に相談するよう呼びかけていることを紹介しています。
エラー表示が出たときの対応と、機器の異変に気づいたら使用を中止して点検を受けることは、NG1で紹介したとおりです。

記録を読んで気になったこと

ベランダや屋外に置いている洗濯機の記録は?

置き場所が屋外、ベランダ、軒下、共用の廊下などと書かれた記録は31件ありました。そのうち13件は事故のとき運転していなかった・停止中などと書かれた記録で、30件は原因がわからない・製品以外とみられる側です。置き場所が原因だと結論づけられた記録はほとんどなく、この記事ではNGに入れていません。一方で、記録の中で引用された取扱説明書の注意には、「風雨にさらされる場所に据え付けない。」というものがありました。置ける場所は、お使いの機種の説明書が基準です。

油の付いたタオルを洗った記録もある?

油分など、酸化すると熱を持つ物が付いたタオルや布を乾燥した、または洗濯槽に入れたままにしていた記録は9件ありました。乾燥機能を使う前の注意は、関連記事「衣類乾燥機のNG5つ」で詳しく扱っています。

自分で直して使った記録は?

温度ヒューズを外す、電源コードを切って別のコードにつなぐ、部品を正規品でない物に替えるなど、改造や使う人自身の修理が書かれた記録は8件ありました(痕跡や可能性にとどまるものを含む)。この中の記録が引用した取扱説明書の注意にも、「分解、修理、改造をしない。火災の原因になる。」とあります。

まとめ 槽が止まるまで待ち、ロックと説明書を先に

出典 www.nite.go.jp

洗濯機は毎日のように使い、少し調子が悪くても回ってしまう家電です。記録を読むと、エラーや故障を抱えたまま使われたり置かれたりしていた例や、止まりきる前の槽に手が入った例がありました。
エラーが出たら説明書を開く。脱水のあとは槽が止まるのを待つ。子どもがいる家はロックをかけてから回す。毛布や防水性の物は、洗えるかどうかを先に確かめましょう。

※この記事の数字は、編集部がNITE SAFE-Liteの記録を2026年10月6日に読み分けて出したものです。品名に「洗濯機」を含む217件(洗濯機用のオゾン発生器と置き台を除く)と「電気洗濯乾燥機」の79件で、発生年月が2013年4月以降のもの(日の記載がない記録を含む)です。NITEが2013年8月に、その前の5年間の洗濯機の事故をまとめて注意を呼びかけているため、その後の期間にしました。NITEが公表する件数とは集め方が違います。入れてよい物やコース、チャイルドロックの設定方法は、お使いの機種の取扱説明書に従ってください。

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