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水上恒司主演『本当にあった話(の話)』、キャスト陣が“すごい映画体験”を熱弁!「劇場で浴びるのにふさわしい」

  • 2026.10.3

水上恒司主演のディストピア映画『本当にあった話(の話)』の公開記念舞台挨拶が10月3日にTOHOシネマズ 日比谷で行われ、水上恒司、黒木華、小池栄子、大東駿介、武井佑吏監督が出席した。

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会場に手を振った水上恒司
会場に手を振った水上恒司

本作は、“実際に起きた殺人事件”というフィクションを題材に、虚構が現実を、妄想が真実を飲み込んでいく様を毒気混じりのユーモアで描き出した “世にも不気味な物語”。世間を震撼させた<配偶者入れ替え連続殺人事件>から、数十年後。事件をもとにした舞台が作られることになり、演技経験のない夛田(水上)が主演の座を射止める。だが役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいった夛田は、虚構と現実の境界を見失い、次第に演じる人物と一体化していく。

やがて虚構と現実の境界を見失い、演じる人物と一体化してしまう夛田を演じた水上恒司
やがて虚構と現実の境界を見失い、演じる人物と一体化してしまう夛田を演じた水上恒司

上映後の会場に姿を現した水上は、「こんなに大きいスクリーンで、この変な、気持ち悪い映画を観ていただきありがとうございます」と笑顔。夛田の相手役となる米良役を演じる黒木は「このぶっ飛んだ、勢いのある作品。どのように観ていただけたのか、それを聞くのも楽しみです」と反応が気になっている様子で、舞台の脚本家・垣内役を演じる小池も「この不穏な、気持ちの悪い、後味の悪い世界を皆さんと共有できたと思うとうれしいです」と会場の笑いを誘うなど、誰もが本作の唯一無二の魅力について楽しそうに語るなど、“気持ち悪いのに目が離せない”世界観を改めて観客と分かち合った。

夛田の相手役となる米良役を演じる黒木華
夛田の相手役となる米良役を演じる黒木華

その世界に大いに魅了されているというのが、劇中に「ワンシーンしか出ていない」という大東。「僕はこの映画を観て、本当にファンになりました。めちゃくちゃおもしろかったですよね」と感想を吐露して会場の共感と拍手を集めながら、「なんとも言えない、人間の渦のなかに飲み込まれていくような感覚。僕はこれを皆さんと同じ熱量で語れると思って、今日ここに来ました」と本作への愛を全開にした。本作で商業映画デビューを果たした武井監督は、公開初日となった昨日から「うっすら気持ちが悪い」とポツリ。「公開の重圧に潰されそうになっている。今日は舞台挨拶だから、こんなにたくさんの人がいるともちろんわかっているんですけれど、この広い映画館に皆さんがびっしりいるととても励まされます。ありがとうございます」とお礼を述べていた。

水上が強烈な笑顔を浮かべているポスタービジュアルも話題!
水上が強烈な笑顔を浮かべているポスタービジュアルも話題!

暴走していく夛田を怪演した水上は、これまでに見せたことがないような役柄に挑み「非常に楽しかったですね」と充実感たっぷり。「足元をひっくり返されるような結末があったので、そのラストがあるからこそ、それに至るまでの夛田を作り上げることができた」と役作りを振り返った。完成作を観て「おもしろかった。腹を抱えて笑った」そうで、「日本でも世界でも、こんな映画にお客さんがたくさん入るような世の中になってほしい」と願いを込めた。水上が強烈な笑顔を浮かべているポスタービジュアルも注目を集めているが、「この表情は、ふざけてくしゃっとやってみたら、使われた。あまりこういう写真は使われないので、新鮮で楽しかったですね」と満足げ。武井監督は「宣伝の方と話していて、これは水上さんとわからないので、宣伝的にはよくないとも言われて。でも僕は『これ以外ないです』と言いました」とポスタービジュアルの裏話を披露していた。

メガホンを取った武井佑吏監督
メガホンを取った武井佑吏監督

初の商業映画で豪華俳優陣とタッグを組んだ武井監督だが、「こんなに有名な俳優さんとやるのは初めて。めっちゃ豪華じゃないですか。普通に、現場に行くのが怖いですよね」と告白する場面もあった。水上が「そうは見えなかった」と回顧すると、武井監督は「自分に対する演出です。映画の現場では、役者さんに舐められたら負けだと聞いていた」と頑張って悟られないようにしていたという。大東は「最初に、設定を書いためっちゃ分厚い資料をいただいた」と事前に監督が用意した資料に、気持ちがたかぶったとのこと。武井監督は「俳優さんの皆さんは、役に対していろいろなことを考えるので。僕も万全の準備をして、現場に行こうと。なにを聞かれても、僕の意見は言えるようにしておこうと思っていました」と心構えについて明かしていた。

舞台の脚本家・垣内役を演じる小池栄子
舞台の脚本家・垣内役を演じる小池栄子

ひと癖もふた癖もある人物たちが登場する本作。水上は演じた夛田について、「めっちゃピュア」と分析。「クリエイティブにおいて“こう思うんです”と素人のくせに監督に言って、“オレのやりたいことをやりたい”という。人間の思い込みや信念には、客観的なものを持っていないと悲劇が起きるんだなと思いました」と率直な想いを口にすると、大東は「この映画は、“この人がまともだ”とか思っちゃいけない。この人が一番まともだと思うことが、一番危険。自分の正しさや信念もあるけど、それを曲げずに行ってしまうと、それが狂気に変わってしまう」、さらに「すごい映画体験をさせてもらった」と熱弁が止まらない。思わず水上が「本当にワンシーンしか出ていないんですか?」と尋ねると、大東は「浴びるように観た。あと1時間、話せる!」と語り、会場を笑わせていた。

『本当にあった話(の話)』の大ファンになったという大東駿介
『本当にあった話(の話)』の大ファンになったという大東駿介

最後の挨拶においても、「劇場で映画を観る意味をすごく考える」と切り出した大東は「劇場という、始まったら出られないこの空間で浴びるのに、ふさわしい映画。ぜひ何度でも体感していただきたい」と熱っぽくアピール。

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小池は「いろいろな意見があると思う」と前置きしながら、「確実にこの作品と出会えてよかった、観ておいてよかったなと思える作品だと思う。この映画を体験したということが、友だちや仲間内で“あれ、観たんだ?知っているんだ!”と話せたり、私にとってはそれぐらい宝物を見つけたような気持ちになった映画です。皆さんが発見された武井監督が、次回どんなものを撮るのかも楽しみ」と期待を膨らませた。黒木は「答えが描いてある映画ではなく、わからなさの気持ちよさや爽快さを体験できる映画。ぜひ自分なりのポイントを見つけて楽しんでいただきたい」と呼びかけるなか、水上は「こういった作品もあっていいんじゃないかと思います」とにっこり。「こういった映画が作りたいと思う人、演じたいと思う役者、おもしろいと思う人が、この世からいなくならないでほしいなと心から思えた作品です」と愛情を傾けていた。

取材・文/成田おり枝

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