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55歳でひとり旅デビュー! 「ご当地ソフトクリームを食べる」など独自ルールのもとで各地を巡る、美味と笑いがあふれる旅行記【書評】

  • 2026.10.2

【漫画】本編を読む

子育てが終わった50代。これからの人生をどう楽しむかと考えたとき、「ひとり旅」をしてみたいと思ったことはないだろうか。『55歳のひとり旅デビュー まめ旅すたいる。』(まめ/オーバーラップ)は、そう考えた55歳の漫画家・まめ氏が、ずっと行きたかった国内スポットに飛び出し、自由気ままな旅行の様子を描いたコミックエッセイである。「無理はしない」「ネットで調べすぎない」「ご当地ソフトクリームを食べる」というルールのもとで大人の冒険が幕を開ける。

北海道から飛行機とバスを乗り継ぎ、岩手県・盛岡へ。初めて訪れた街で向かったのは、地元で有名な「福田パン」だ。豊富すぎるコッペパンのメニューを前に、迷ったまめ氏は意外な方法で注文を決める。さらに名物のわんこそばにも挑戦し、序盤は「100杯くらい余裕かも」と勢いよく食べ進めるものの、ある瞬間に突然限界が訪れる。それでもホテルに戻り、再びコッペパンを頬張る食いしん坊ぶりがなんとも面白い。

翌日には盛岡冷麺の手作り体験や、じゃじゃ麺も満喫。旅の中心にはいつも「食」がある一方で、石川啄木が新婚生活を送った家や岩手銀行の赤レンガ館など、土地の歴史や景色もしっかり楽しむ。観光名所を詰め込むのではなく、気になった場所に気ままに立ち寄りながら、その土地ならではの味を満喫するスタイルが心地いい。

人生初のバスツアーに挑んだ群馬旅でも、まめ氏らしいハラハラと笑いのドラマが巻き起こる。道の駅の人気パンを食べ、ゆば体験でも箸が止まらず、早々に「胃袋メーター」が限界に近づいたころ、添乗員から「これから昼食です」と告げられて脳内作戦会議が勃発する場面は、思わず笑ってしまった。さらに、集合時間を忘れて慌ててツアーの目印を探し、迷子になりかけるといった、旅ならではのトラブルも見どころだ。

55歳から始めた冒険譚が伝えてくれるのは、この年齢だからこその楽しみ方はもちろん、新たな発見や体験はいくつになっても感動を与えてくれるということだ。ひとり旅に興味はあるけどなんとなく一歩を踏み出せずにいる人は、きっかけのひとつとしてぜひ手にとってほしい。

文=つぼ子

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